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61 戦い終わって……。

『いっただきまーす』

 大勢の人が一斉に挨拶をすると、会場には和やかな雰囲気をかも

し出す音楽が流れる。

 参加者は個々に食事を楽しんだり、お喋りをしたりダンスに興じ

ている。

 その中でもひときわ目につく集団には、クルルとツマーズを中心

にたくさんの女神達も交流を楽しんでいた。まあ、お目当てはクル

ルなのだか……。

 四大神の一人であり南の大神マケマケなどは、クルルに引っ付き

すぎてツマーズとの間で火花が飛び散り、現在もにらみ合いが続い

ている。

 そんな戦場に笑顔で近づいてくるミライラの傍にはアメリアがい

る。

「ふふふ、なにやら楽しそうですこと」

「やあ、ミライラっ……あっ! ごめんね、ミライラ女王様と呼ば

ないとね」

クルルがワザとらしく舌を出すと、フフフと笑顔のミライラが、少

しばかり照れながらクルルの頬をツンツンしてきた。

「うふっ、嫌ですわ。クルル様は東の国の救世主様であり英雄であ

り荒人神ですもの、女王なんて呼び方をされると困りますわ」

「うーん。そうなんだけどさ、でも英雄とか救世主じゃないと思う

よ。あとお願いがあるんだけど」


そんなクルルに対して、すでに心得ておりますとミライラが即答し

た。

「はい、理解しておりますわ。クルル様の名前も存在も公表致しま

せんわ。ねえガルム宰相」

「クルル様の情報は、女王様を含む王族の方々と私と部下が数名し

か存じ上げておりません。もちろん漏洩などという事はないように

目を光らせっておりますので、ご安心下さい」

 ニコニコとしているミライラの横で、クルルの義理の兄であるガ

ルムが深々と頭を下げている。

 クルルは、ガルムの態度に察している部分もありながらも苦笑い

しながら近づくと耳元で囁いた。

「義兄さん、やりすぎですよ」

「クルル君の言いたいことは分かる……だがね、たくさんの女神様

が注目しているんだよ。畏まらせておくれよ」

 ガルムもクルルの耳元へ囁き返しをする。若干だが冷や汗という

か緊張しまくりで震えているのも伺えた。

 立食パーリ中の会場は城に備わっている舞踏会などの催しに使用

されている巨大な会場だ。

 そこには、今回のスラント討伐の立役者であるクルルを中心とし

た神の関係者組で賑わっているのだ、もちろん信長の部下やクエス

ト依頼で雇用したハンターなどにも祝勝会的なパーリーを実施する

予定であるが、まずは神様達への感謝を優先しているのだ。

 なのでここへ参加している人間(下界の者)は、ミライラ女王と

娘のアメリアと宰相のガルムそれから信長と千にガルムの妻のフレ

イとオリヒメの友達枠でコロンだけなのである。

 奉納品と言えばいいのか、食事などの準備が終わり会場が完成し

てからは、厳重な立入禁止状態なのである。ちなみに音楽などは会

場の外で吹奏楽団によって演奏されているのだった。

「しばらくは、宰相として国を立て直すのに協力するけど……恨む

ぞクルル君」

 ジト目でクルルを見るガルムに、笑顔で「がんばって下さい」と

伝えるとミライラ女王を伴って別の席の女神達へ挨拶すべく行って

しまった。

 その際にミライラより「娘をお嫁さんにしてあげて下さいな、ふ

ふふ」とツマーズへの入会をごり押しして去っていったのだ。

 残されたアメリアに黒姫が声をかけると、緊張していた顔から笑

顔も見えるようになり楽しく喋っている。

 そんな光景を眺めていると、ミーコが傍にやってきてクルルの袖

をキュッと掴んだ。

「サタンの事はまた考えるとして、無事に終わってよかったのじゃ」

「ああ、だが少なからず女神達を死なせてしまった……」

「ふっ、ユウが気にする事はないのじゃ」

「ありがとうね、ミーコ」

「ふふん。ユウの妻じゃからな、当たり前なのじゃ。しかしスラン

トの奴の最後がのう……」

「そうだね、まさかのリリーノだったね」

 そう言いながら二人でクスクスと笑っていると「なんですか?」

と言わんばかりのリリーノとクルルツマーズ、さらにはツマーズ候

補が集まってきた。

 会場がそれを見てザワつきだす「きゃあ、アマテラス様よ」とか

「リリーノ様よ」とか「クルル様のバスタオル画像が欲しいわ」な

どである。


 もう我慢できませんとばかりに、クルルの傍へ押しかけだす女神

を「さがって下さい。申し訳ございません」と光の盾を構えながら

警戒にあたるSP状態の天使が忙しそうに対応していた。

「なんの話をしてたのよ、ユウマったら。こほん、その前にミーコ

様ったら少しユウマとくっつきすぎですよ」

「いいではないか、それにリリーノは結婚した順番が一番遅いのじ

ゃ。優先権は妾にあるぞ」

「ミーコ! それはダメ。そういうのはしない約束」

「そうじゃったの。すまん黒姫、最近は霊峰様と神々から祀り上げ

られておって……少しのぼせておったの」

「……ん。皆で仲良くがツマーズの約束」

「そうだワンよって、ルル―! その肉は白姫のだワン」

 大盛りによそってあった皿の肉をいくつか失敬して逃走するルル

を聖獣化した白姫が追いかけて行ってしまった。

「さっきはすまんな」

「うふっ、平気ですよ。それよりも何の話をしていたの?」

「ああ、そうじゃった。スラントとの戦いの話じゃよ」

 そうミーコが話すとリリーノはイヤイヤと照れていたが、それを

見ながらクルルは照れることじゃないだろと思い返していた。

 スラントとの最終決戦とばかりに、なんか色々と悶々なオリヒメ

と二人で神殺しの爪を躱しながら戦ったのだが、フラグ的なことは

全くなくこれでもかと呆気なく終わってしまったのだ。

「ゾンビに聖なる魔法は常套手段じゃな」

「そうだな、結局はオリヒメに爪をガードしてもらいながらの<マ

ジックミサイル・ホーリー・フェニックス>それを白姫が、スキル


<3776>で威力を思いっきり上げてスラントゾンビにぶつけた

ら灰になって消えたんだよね……でも、聖なる攻撃でスラントのゾ

ンビ化が解除されるとあいつは人間として復活してしまったんだよ

なあ」

 そんな訳で、ゾンビから人間に戻ったスラントだったのだが。ざ

んざんにリリーノの悪口を言いまくってしまい天罰が発動したリリ

ーノの裁きの雷光で消滅してしまったのだった。

「最後は天罰なのだから、スラントらしいワンね」

 肉を取り戻してきた白姫が会話に割り込んできた。スラントによ

って殺されたリリーノ、そのリリーノによって異世界に転移したユ

ウマ、それを助けて伴に魔法協会へ乗り込んだ黒姫と白姫……。

「旦那様……終わったのね」

「ご主人様……終わったのワン」

「ユウマありがとう」

「ああ、お疲れ様」

 もちろんこの四人で全てを解決した訳じゃないのは分かっている

……でも少しだけ四人で喜びを分かち合いたかったのも事実だし、

ツマーズを含め皆がそれを理解してくれていた。

「マスター、お話があります」

 そんな雰囲気にあえて突入してきたのはオリヒメだった。


 ※※※

「……あるじ……出番が……」

「ごめん、作者に言っておく」

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