表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/31

6日目

ブクマと評価までいただいてしまいました。

驚愕のあまり、3度見してしまいました。ありがとうございます!!

「やはり準備は大事ですわね」

 マリアは何やら仰々しい輪を手に持っている。サイズ的には犬の首輪より少し太いか……?


「これは"拘束の首輪"ですわ」

 マリア曰く、"拘束の首輪"は神話級レアアイテムで、通常体力切れや1日の時間制限で送還されてしまう勇者を、なんと"送還させなくする"ことが出来てしまうらしい。ただ、1つしかないため、止めることが出来る勇者は1人のみ。ここぞという勇者に対して使用する必要がある。


「昨日の"閃光のエリック"様は、なかなか優良物件でしたわ。惜しいことをいたしました」

 "優良物件"っていう表現が物騒すぎ。「この男は年収多いし、身長高いし、イケメンだから優良物件だわ」みたいなノリにしか聞こえない。怖い。

 今後は、いつでも"拘束"できるように準備することにしたらしい。さいですか……。



 俺は手の中で今日のコインをクルクルと回し……、そして地面に落とした。



「……」

「……、どうか、いたしまして……?」


 俺は"地面にあった"コインを拾い上げ、ガチャ装置にセットする。ちょっとカッコつけてみようと思っただけなんだよ!! いいじゃんいいじゃん!



 ガチャ



 光のカーテンが晴れ、その向こうから逆立った金髪の男が現れる。紺の上下にやや厳つい肩当を両肩に着け、その背には身の丈を超える巨大なバスタードソード……。

「確か伝承に……、この方はソルジャー1st!! ク──」

「興味ないね」

 例の本を高速で捲りながら捲し立てようとするマリアを遮り、俺はクールを気取って送還ボタンを押す。自称ソルジャー1stは光に消えた。

 自称ソルジャー1stは勇者か? "ブレイバー"とか使うから勇者ってことでいいのかな? まあいいか、興味ないし。


 マリアは残念そうに首輪を撫でる。やめてくれ、あんなの拘束するな。やるなら"オリジナル"の奴にしてくれ。



 クーリングオフでガチャ装置からコインが排出されている。俺、これまで人生においてクーリングオフって一度もしたことがなかった。ここに来てまだ6日目なのに、もう一生分クーリングオフした気がする。



 ガチャ



 俺もマリアも身構える。光が晴れた瞬間に"アクション"が必要となる場合が多いため、召喚は気が抜けない。まぁ、俺とマリアで身構えてる理由が違うのだが……。俺は送還ボタンに手を、マリアは首輪を手に。


 そして現れたのは一人の男。

「む? ここは?」

 男は周囲を見回し、一言そう発した。男は鎧を纏い、腰に剣を帯びている。先日の"閃光のエリック"ほどのガタイではない。が、何か"強そう"な雰囲気を出している。


「えっと、すみません、俺は葛山(くずやま) (あたる)と言います……、あなたは?」

 俺はとりあえず自己紹介しつつ、相手の名前を聞いてみた。


「吾輩はランスロット。"光の刃"の異名を持つ凄腕剣士だ。」

 あ、この人自分で"凄腕"とか言っちゃったよ……。ガチャ前は首輪を持って構えてたマリアも、今は素知らぬ顔だ。どうやらマリア的には"違う"らしい。


 全く関わりたがらないマリアに変わり、俺が事情を説明。(なぜ俺が……)

 自称凄腕剣士のランスロットは、「悪を撃つのは"光の剣士"の務め」とかなんとか言いながら華麗に飛び出していった。"光の刃"だったんじゃなかったのか……?


 ランスロットは……、うん、まあ、結構強かった。


【世界の異形率95.0%】

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ