表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/31

3日目

「昨日はやばかった」

主人公の彼も語彙力がやばいです。

 昨日はやばかった。

 馬車を引くどころか、モンスター並みか、それ以上に暴れる赤い馬。それをなんとか食べようとするリリア。リリアを止めつつ馬に襲われる俺。傍観する従者。あいつ許すまじ。


 謎の三つ巴?の戦いに明け暮れた夕べ。リリアと赤い馬の同時攻撃で俺は天に召されかけた。


「結局、今日は馬どうするの?」

「ああ、そのことでしたら……」

 リリアの視線の先、馬車の牽引用馬具に繋がれた従者は、馬車を引きつつ俺たちの周りをスイスイと走る。

「できるのかよ! 昨日の召喚はなんのためだったんだよ!! てか、お前はそれでいいのかよ!」

「ヒヒーン」

「なりきりすぎだろ!!」

 従者、アイツのキャラがつかめないわ。

 従者の衣服は微妙にボロで、首に不思議な刺青が入っているためか、妙に馬車馬が似合うのがまた……。


「今日は適当にお願いしますわ」

「要望も雑すぎるだろ!!」

 適当って……。まぁ、回しますけどもね。とりあえずあまり有名じゃない奴にしてもらわないと。有名なヤツは大抵ヤバイからな……。

 俺はいつものようにコインを投入し、ガチャのレバーを回す。



 ガチャ



 飛び出したカプセルから光が放出され、その先に微かに見える何者かの影。


「ハハッ!」


「エレクトリカルゥゥゥゥ!!」

 俺史上最速で送還ボタンを叩いた! あの甲高い笑い声はやばすぎる。史上最も出てきてはいけないネズミだ。

 "有名じゃない奴"って思って召喚したのに、思いっきり逆張りしてきやがった。嫌がらせか!!


「はぁはぁ、あ、あぶなかった……」

 妙な緊張感で冷や汗が出た……。

「……」

 そういえば、リリアが無言だ。何のコメントも無い。俺はリリアに水を向けるように、彼女を見た。

 俺の視線に気づき、彼女は口を開く。

「いえ、アレは食べるところが……」

「そういう観点で見るんじゃねぇ!!」




「うん、気が重い!」

 俺はスタミナコインを手に宣言する。直前のアレの後なので、大そう気が重い。やっぱりもう一回やらないとダメ?

「どっちでもいいですよ?」

「だから雑すぎだろ!!」

 リリアのダメな発言に甘えそうになりつつも、俺の使命はガチャであると自戒し、レバーを回した。



 ガチャ



「危険ですので下がって……、アレ?」

「消防官?」

 カプセルから現れたのは、銀の衣服を纏った、まさしく消防官だった。



「本官で役立つなら、お手伝いしましょう」

 た、頼もしい。まさにファイヤーファイターは勇者だな!!


 とはいえ、ジュン君に退路を作ってもらった結果、周辺に今のところモンスターの姿は見えないため、とりあえず馬車の移動を手伝ってもらった。

 文句一つ言わずに、従者と一緒に馬車を押してくれた。なんだか申し訳ない気持ちになったので、俺も一緒に押した。ちょっといい汗かいた。


「あれでは食べられませんわ……」

「それしかないのかよ!!」


【世界のモンスター率99.0%→99.99999%】

ファイヤーファイターは勇者です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ