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10日目

クーリングオフしない……だと!?

「ぐぬぬ……」

 マリアはジュン君を逃がしたのがよほど悔しかったらしく、一日経った今でもご立腹だ。今も拘束の首輪に歯を立て、ギリギリと悔しそうに引っ張っている。

 これ普通はハンカチとかでやるやつじゃないのか? っていうか首輪壊れない?



 昨日を引きずっているマリアは放っておいて、俺は今日のガチャを回す。



 ガチャ



 魔法陣に光りが満たされる。光の中から徐々に人影が露わになり……、


「……」

 光が晴れた時、俺は言葉を失った。そこに居たのはショッキングピンクのドレスを纏ったゴリマッチョなオッサン。俺は送還ボタンに手をかけ──

「あらぁん、ひさしぶりねぇん」

 オカマは野太い声で俺に声をかけた。


「……、え? どちらさまですか?」

 オカマの知り合いは居ない。召喚前も召喚後もだ。


「やぁねぇ、忘れたの? アタシよ、アタシ。エリックって言えばわかるかしら?」

 エリック? エリック誰だっけ? なんか聞いた覚えがあるが……。

「もぅ、まだわかんないの? エリィ、ショックぅぅぅ~」

 どう反応していいかわからん。とりあえず送還したらいいかな……。


「しょうがないわねぇ……、」

 そう言うとオカマの表情が急に変わり、キリッとした雰囲気になる。

「我が名は閃光のエリック!! ……、これでどうかしら?」

「っ!!」

 え、マジ!? あの話聞かないオッサン!? なぜこうなった!? 何があったらオカマになるんだ!?


「やっと思い出したみたいね。今度忘れたら、めっ だからね」

 ……、やっぱ送還しようかな……。


「んで、外のアレ、とっちめるんだったわよね? いいわ、エリィがんばっちゃう!」

 そう言いながら全身をパンプアップ、ショッキングピンクのドレスがギチギチとはち切れそうだ。やべぇ、キャストオフしたら完全にテロ行為だぞ!? でもナイスバルク!


 エリィは「ふんっ!!」という掛け声と共にジャンプ! あっという間に塀の向こうへと消えていった。

「あれ、そういえば……」

 エリィを見送りつつ、俺はふと気になって周囲を見渡す。


「マリア、逃げやがった!!」




 その日、「オホホホホホホッ!」という奇声と共に、何かの潰れる生々しい音が一日響き続けていた。

 フィクションにおいてオカマは強キャラらしい……。戦果は昨日のジュン君並みだった。


【世界の異形率91.5%】

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