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ヨルムン、命名する

「あ〜 そういえばドラゴンには自己修復能力があるとか言っておったのう」


 喉を貫いたのが小石だったから貫通した傷もすぐさま塞がったんじゃろうな。死なないのではないかと心配したではないか。


「となるとさらにでかいやつか」


 周りを見渡し手頃なサイズの岩を探すと我より大きな岩を見つけるとそちらに向かい歩いて行く。

 途中、我を獲物と勘違いしたらしいドラゴンが口を開けて空から急降下してきたわけじゃがそいつらにはもれなく顎へと拳をぶち込んでやった。

 じゃが、さすがはドラゴン。

 我の本気ではない拳とはいえ顔面が吹き飛ぶなんてことはないようじゃな。何本か牙は折れてはいるようじゃが。


「ふぅむ、岩までたどり着いたはいいがのぅ」


 岩までたどり着いた段階でぶっ飛ばしたドラゴンの数は四匹。もしかしたらこの岩の上に座っているだけでドラゴンが襲ってくるならばこの岩を投げるよりはるかに効率よくドラゴンを狩ることができるじゃろうな。


「お、そういえばスキルの実験がまだだったのう」


 とりあえずは岩を投げることは止め、以前試したが発動しなかったスキル形態変化を再び試すことにする。


「以前は腕を変化さそうとして失敗したわけじゃがなんでじゃろうか?」


 形態変化と念じなら腕を突き出したにもかかわらず腕は全く変化しなかったからのう。それでルーの奴に服とかをズタズタに切り裂かれたわけじゃし。


「あ、もしかして具体的にイメージせんとダメなのか?」


 確かに我は形態変化と念じたわけなんじゃが具体的にどうかとイメージしたわけではなかったからのう。

 それでは確かに変化のしようがないのかもしれん。


「となると具体的なイメージか」


 そうなると我の元の体がイメージしやすいわけなんじゃが我の元の体には手や足などなかったからのう。

 あったのは尻尾くらいじゃし。

 尻尾、尻尾か。


 今の体にはない部分であるが以前の体に合ったものゆえにイメージはしやすい。

 頭の中に以前の体に備わっていた黒くゆらゆらと揺れる尻尾をイメージする。


「形態変化」


 具体的イメージを頭に浮かべたってままの状態でそう唱える。すると尻の辺りから今までになかった感覚が生まれる。それは我のイメージ通りに動き、その感覚のまま軽く下へと叩きつけると我が乗っていた巨岩を轟音とともに軽々と砕け散らす。


「む、うまく言ったようじゃな」


 我が視線を横へと向けると黒く艶やかな尻尾が目に入りおる。さすがに我の元の体のサイズの尻尾ではないんじゃが今の我の体のサイズに合った尻尾がゆらゆらと揺れておった。

 それに満足した我は空を我が物顔で飛ぶドラゴン達へと眼を向ける。


「では久々に尻尾(これ)を使って戦ってみるかのぅ」


 体を大きく動かし尻尾を投擲するようにして動かす。そして尻尾はやはり予想通りに伸びよる!

 矢の如く放たれた我の尻尾は悠々と空を飛んでいたドラゴンの胸へと易々と突き刺さり貫通。そのまま剣を振り下ろすように尻尾を操ると胸から下へと容易く切り裂きドラゴンの開きを作り上げよった。


「おお、これは使い良いのぅ」


 ドラゴンの血を撒き散らしなが宙を舞う我の尻尾を見て我は機嫌よく告げる。次いで尻尾を操り、今度は並んで飛んでおるドラゴン三体に向けて横薙ぎに払うように尻尾を仕向ける。

 まるで振り回される紐のように飛来した我の尻尾を大して警戒していないドラゴンどもは避けようともせずに空を我が物顔で飛んでおったわけなんじゃがその顔三つに尻尾が接触した瞬間に上下に分かれて地上に血と肉の雨を降らしよった。


「我の尻尾、強いのぅ」


 尻尾を軽く振るい纏わり付いた血を払うと我は尻尾を元の長さへと戻す。

 なんじゃか昔の我の尻尾より使い勝手が良いようじゃな。


 何体かのドラゴンが同胞のドラゴンを我が屠ったことに気づいたようで敵討ちのつもりかどうかはしらんが咆哮を上げながら我に向かい突撃をしてきよる。か、


「たった今命名! 切り裂けヨルムンテェェェェイル!」


 再び振るわれる我が尻尾ことヨルムンテイル。

 まるで尻尾が意志を持つかのように嬉々として手近なドラゴンの頭へと突き刺さりあっさりと命を奪うとそこから鋭角に曲がると横にいたドラゴンの片足を切り裂く。

 足を切り裂かれたドラゴンが悲鳴をあげている間にさらに動き回る尻尾は瞬きをする間に立て続けにドラゴン共の体に突き刺さっていき死神の如く命を刈り取っていきよる。


「我! 無敵!」


 血みどろの屠殺場の中で我はポーズを決めるわけではあるがそれは誰にも目撃されることはなく、只々、ドラゴンの死体を増産していくのじゃった。

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