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贄の村  作者: マママ
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しばらくして雨が降ってきた。やっぱりあのどんよりした空気は雨雲のせいだった。はじめは小粒の雨が少量降ってくる程度だったか、少しずつ雨は強くなってくる。

雨に濡れ風邪をひいては堪らないので僕らは、まだカナの家よりは近い僕の家に向かう事にした。


家の中に入り僕はタオルで体を拭く。すっかりびしょ濡れになってしまったのでカナには先にシャワーを浴びてもらう事にした。


「修。覗いたら殺す。」


はっきりいってカナの裸には興味はない。小さい頃からずっと一緒なのだから、僕にとっては姉のような存在だ。今更姉の裸を見てもなんとも思いはしない。


カナにバスタオルを渡し浴室へ連れていった後僕は服を着替えようと自室へと向かった。

お気に入りのジャージに着替えて鞄を机にかけようとしたとき違和感を感じた。

朝、あるはずのなかったものが、僕の机においてある。

赤い封筒。

真っ赤というよりは赤紫に近い色だけど、何故か余計に不安になる。

僕の記憶では朝学校に向かう時にはこんな物絶対なかったはずだ。


留守の間に?


誰が?


なぜ?


こんなものを置いていったのだ。

考えても分かる訳はなく僕はその赤色の封筒をそっと持ち上げた。

爆発等はしないようだ。

不審物なのだからそれにしてもワザワザ見る必要もないのだか。


何故か見なければいけない。

見なければ終わってしまう。


僕の頭の中で何かがそう囁く。

僕は封筒の中身をそっと取り出した。



至って普通の手紙のようだ。



ただ、内容は普通では、なかった。




「今年の贄が決まった。

今年の贄は春日 ユリである。

贄に選ばれた者に拒否権はない。


今から3日後にお迎えが来る。

身を清め、待つ事也。」


そう手紙には記してあったのだ。最後に天神。の一文字を残して。

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