第二章 〜エーマ、驚愕の本性〜
「…だぁぁぁぁぁぁ……はぁぁぁぁ………」
ボクは今、疲労困憊中である。
それは、突然のことで…………
―昨日の夜。
「ここだよ!」
「………………。」
うん?
返事がない。
「エーマ?」
「…なに?ここ………」
「え?ボクの部屋…」
「この、汚い部屋は何やねんって聞いてんのや…」
…なんか、ヤバイ感じがするのはボクだけでショウカ…?
「あ、ぁぁ…いや、汚いけどいいところ…っ!!」
突然、エーマの手がボクの目の前へ迫ってきた。
いや…何となく予想はついてた…かもっ!?
バッシィィィ!!!
「そ・う・じ!!!!!!」
「はいぃぃっ!!」
―本当に、突然だった。
人が変わったみたいに…。(天使だけど)
エーマは表裏があるのだろう…。
それも、強烈に、だ。
それからボクはと言うと、朝まで掃除していた。
そして、今!やっと!エーマからOKが出たのだ。
「…はぁ、もう助けるのやめよっかなぁ…」
「ダメよ。」
ビクッ!?
エーマはボクの目の前に、
ある紙を突き出してきた。
「あんた、忘れてないでしょうね?
ちゃんとあの時、契約書も書いてもらったんだからね!!」
そうだった。
助けてもいい。と言ったとき、
「じゃっ、これにサインして!」
と言われ、何気なしにサインしたのだ。
何となく疑問に思っていたところもあったが…
まさかのまさか…だった。
「ウフフ…これがある限り…
あんたは私のも・の、なんだから。」
エーマはニヤニヤしている。
まるで、悪魔の微笑み。(天使だけど×2)
まぁ天使助けになるのなら、いっか。
ボクはエーマを見ていると、そう思ってしまった。
「ところでさぁ…いつになれば、ボクの名を呼んでくれるのさ?」
エーマはボクを睨んで言った。
「はぁぁ?呼ぶわけないじゃん!!
何言っちゃってんの!?…あ…もしかしてあんた…」
「?」
「そういうプレイがしたいわけ…?」
「どういうプレイだよっ!?」
「…引くわぁ…」
「いや、だから!!プレイって何さあぁぁぁぁあ!!!!」
…ほんとにボクはやっていけるのだろうか…
もう既に、逃げ出したいボクだった。
「―とにかく今日は巡回するわよ。」
「?」
「見回りよ!み・ま・わ・り!!誰かが襲われてないか見てくるのよ。」
はぁ…
「何よ!!そのため息!!そんなに何回もしてると、幸せが逃げていくわよ。」
「あ~い…」
「なによ!その気の抜けた返事は!?」
……まぁ、そんなこんなでボクたちは家を出た。
―果たしてこれから先、こんな彼女と仲睦まじくやっていくことは…ってもういいな。
「こんな彼女ってなんや、てめぇ…文句あんねんやったらはっきり言えや。」
「イエ…ナンデモゴザイマセン…デス。」
―不安すぎる。