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33枚目 グワッパ戦 テムステル湖にて

皆様ありがとうございます。

20000PV突破しました、感謝です。

「くぅ〜……」

うずくまっている琴花を中心にメンバーが集結した。


「コイロちゃん大丈夫」

「いいところまでいってたぞコイロっち」

「さっきも見た気がするぞ、この光景」

まんま同じ光景だ。けして手抜きではない。なってしまったのだから仕方ない。

「そ、それは言わないでッ! あいたた……」

目に涙を溜めながらノイッシュに抗議する琴花。


語れば長く……いや、そんなに長くはならないので聞いて欲しい。

彼女こと琴花の勇姿を……。






時は少し遡る。

「やあぁぁぁぁ」

琴花がグワッパに立ち向かっていく。

グワッパも琴花を外敵と判断したようで、両翼を拡げて威嚇行動に移る。

大きさ的には100cmほど。

琴花が知ってるアヒルの大きさより少しばかり大きい。通常は50〜80cmと言われている。見た目は普通のアヒルだ。

頭に皿が乗っている以外は普通のアヒルだ。


ウリエルの加護のかかったウリエルのナイフを突き出す。

グワッパはそれを翼で弾いていく。

だが、琴花も負けじとナイフを振るっていく。

一合、二合とナイフと翼が交じり合う。

一旦琴花は後方へとジャンプする。

グワッパが迫ってくる。

クチバシを突き出しながら。

突つかれないように琴花はナイフで弾いていく。余裕はないが、今のところうまくできている。


「おーやるじゃねぇかコイロっち」

「頑張れ〜コイロちゃーん」


グワッパが高く飛び上がり、アヒルキックをダダダっと放つが、どうにか防いでいく。

異世界に降り立った頃と比べると、琴花も成長している。

防がれたグワッパが「グワッパァー」と鳴き声をあげながら両翼を振るう。

琴花はそれをナイフで捌いていく。


「今だッ!」

翼を弾いていくことでボディーに隙ができた。そこを狙って琴花はナイフを突き出した。

刺されたグワッパの胴体から血が吹き出した。

「いける……かも」

刺された痛みにグワッパが鳴き声をあげながら転がっていく。


ジャンピンと比べると素早さも凶暴さをはるかに劣っていると琴花は実感する。

「ジャンピンと比べたら、グワッパは弱い」

琴花はウリエルのナイフを構える。

勝てる、これなら勝てる。

琴花はそう自己暗示する。


「いけるわよコイロちゃん」

エルがエールを送ってくる。

「トドメだコイロっち」

「皿割らずに済んだようだな。いけぇー」

レイとノイッシュも琴花の勝利を確信して声を上げる。

みんなの応援を背中に受けて、琴花は頷く。


「トドメぇー」

琴花が駆け出す。

痛みに悶え苦しむグワッパに向かって。


勝利は目の前だった。

コインの力なしで初めて魔物相手に勝利をもぎ取ることができる。

応援しているエル達も、そして琴花も勝利を確信した。


トドメを刺そうと琴花がナイフを振るう。

だが、グワッパはそれを回避する。

回避し、そのまま低姿勢となって駆け出した。そして琴花とすれ違うの同時に足元を翼でバチーンと叩いた。


「ぐ……」

次の瞬間、激痛が走った。

激痛の場所は言わずものかな、脛である。

先程、ハクビーにやられた箇所をピンポイントで叩かれた。

翼程度大したダメージではないと思われるが、グワッパの翼は水気を含んでいる。

水をたっぷりと含んだタオルで叩くとバチーンといい音が鳴る。それと同時にかなりの痛みを伴う。

脛に痛みを感じ、体制を崩して琴花は倒れた。グワッパは振り返り、倒れた琴花に向かって飛び上がった。

アヒルキックを放つつもりだ。

だが、そうはさせなかった。

エルが素早く踏み込み、グワッパの首をナイフで斬りつけた。

頸動脈をズバっと斬り裂き、グワッパは絶命した。それが少し前の出来事だった。

琴花は結構頑張ったのだ。

褒めてやって欲しい。

弁慶の泣き所さえ叩かれなければ勝っていたのだ。



「やはり油断したな、コイロっち。グワッパの種族スキルに」

「グワッパの種族…….スキルって何?」

そういえばグワッパのスキルについて聞いていなかったことを思い出して、エルに視線を向けた。

「あ……れ、言ってなかったかしら?」

「はい、聞いてないです」

「ということは知らないで戦ってたってことかしら」

エルは言ったつもりでいたらしい。

それに琴花がスキルについて聞いてこなかったので知っていると思っていたようだ。

「グワッパの種族スキルは、ハニーボーンっていうの」

「ハニーボーンってどこかで聞いたことがあるような……」

琴花は頭を働かせるも思い出せなかった。日本に住んでいた時に聞いたような気がするが、何の意味か分からない。

「あいつらは急所を叩くのが得意なんだよ。脛とか肘とか神経が浅いところを狙うから刺激が強いんだ」

ノイッシュが言った発言の「肘とか神経が浅いところ」というキーワードで琴花は思い出した。




神経が浅いところを通っているため刺激が伝わりやすく、ぶつけるとジーンとシビれるヒジの部分のことをファニーボーンということを……。






「それってファニーボーンのこと……じゃ」

「ん? 発音が違うぞコイロ。ファニーじゃねぇよハニーだ」

ノイッシュが訂正する。

何はともあれ、琴花は無事にグワッパと出会うことができたのであった。

ご愛読ありがとうございます。

感想などありましたらお願いしますね。

10月ももう終わりですね。

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