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25枚目 オクジェイト村の攻防戦 魔人が激おこぷんぷん丸

寒くなってきましたね。

風邪にご注意ください。


ダブルミートパラダイスアタック……ではなく、おかげさまでコイン磨きの聖女様が、

11500PV突破、そして3500ユニークPV突破しました。あとブックマークが29。

皆さん、ありがとうございます。感謝です。


加筆や修正をしました。

2014.11.09

魔人が咆哮した。

身体から湯気が溢れているように見えた。

激おこぷんぷん丸だ。


「イイカゲンニシロ サッキカラ ドレダケ マタセルノダ。ヒトヲバカニスルノモ、タイガイニシロヨ」

さすがに我慢の限界に達したらしい。


【短気は損気じゃ。あやつ長生きできぬな】

むしろ、今まで律儀に待っていてくれたほうだ。

「くっそ、さすがに怒らせてしまったかッ! 魔力をビンビンと感じるぜ」

ノイッシュが舌打ちをする。


そして合図もなく、魔人がシュパーッと駆け出した。戦闘開始だ。


「まずいわ、みんなでコイロちゃんを守るわよ」

今、琴花がやられるわけにはいかない。

エルの号令で、レイとノイッシュが琴花の前に躍り出る。

勝利条件 魔人の撃破、敗北条件 琴花の死亡といったところか。


「ジャマヲスルナァァァァァァァァァァァ」

「どりぇぇやぁぁぁぁぁぁぁ」

レイが大剣を振るう。

魔人はそれを右腕で防ぐ。

その隙にノイッシュが横薙ぎに剣を振るうも、それは左足で蹴り返すことで弾く。

そこにエルが何本かのナイフを投げるも、魔人には通用しない。

物理攻撃無効化である。


「ムダダ、ソンナモノハ キカナイ」

「効かなくてもやらなくちゃいけないときがあるのよ」

盗賊のエル。

足の速さには自信があった。素早く魔人の背後に迫り、細い足で強烈な蹴りを背中に放つ。

レイとノイッシュも負けじと各々の武器を振るう。だが、ダメージを与えるまではいかない。


【1対3にも関わらず、優勢なのは奴の固有スキルのせいじゃな】

腕を組んで頷くウリエルの説明に、琴花は首を傾げた。

「えっと……魔人は種族スキルじゃないの? あれは魔物でしょ?」

魔人という種族がいるのかと思っていた琴花は固有スキルというキーワードに反応した。

分からないことはすぐに聞くのが賢明だ。

【ふむ、魔人というのはかつて人間だったものが何かしらの変化によってなったものじゃ。いわば人の黒い感情、過度の嫉妬や怒り、妬みにより変異したものじゃ。ちなみに魔神、神の方も同じじゃ。だから種族ではなく、各個人として扱うのが正しい】

「人なら元に戻すことはできないの?」

【残念じゃが、条件としては一度死ぬというのも含まれておる。琴花の世界だと怨念というのかのぅ〜】

死んでいる者は女神のコインの対象外。

仮にできたと仮定しても、生き返らせるで1枚。元に戻すのに1枚必要となる。

ウリエル召喚のときと同じ原理。

1枚のコインでできるのは、奇跡を起こす力1回だけ。


「なら倒すしかないんだね」

【ふむ、そうなる。琴花よ、どうする願いは一つだけじゃ。何を願うか、よく考えるのじゃ】

そうやって会話している間も、魔人との戦闘は激しくなっていく。


「くそ、いい加減に倒れろよ。畜生ッ!」

どれだけ攻撃してもビクともしない。

体力(スタミナ)も徐々になくなっていく。

「イイカゲンニ ネテロ」

魔人はノイッシュの胸倉を掴み、そのまま畑に叩きつけた。

「オマエモ ネテロ」

すぐさまレイの顔や腹に拳を叩き込み、最後に蹴り飛ばす。

一気に2人が畑に倒れていく。

まだ息はある。

死んではいない。


「ノイ、レイ」

魔人の攻撃を巧みに回避していたエル。

「ヒトノシンパイシテルバアイカ」

エルの視線が、魔人から倒れた二人にシフトチェンジしたのを魔人は見逃さなかった。

魔人は隙をついてエルを掴んで投げた。

数メートル先に転がるように倒れた。


「サア マタセタナ」

魔人がニヤリと笑う。

首や指をコキコキと鳴らして気合充分だ。

一方対戦相手である琴花はというと、いやいや、待ってません待ってませんと首を横に振るのみ。


【早く願いを決めるのじゃ琴花ッ!】

ウリエルが急かす。

絶体絶命。

「うぅ……」

琴花は必死に頭を回転させた。


魔人には物理攻撃が通用しない。

攻撃と防御そして回避、どれをするにも体力(スタミナ)が関係してくる。

防御に特化している分、わずかに魔人が優勢。


「ぐっ……にゃろぉ〜」

大剣を杖にして立ち上がるレイとよろよろと立ち上がるエルの姿が見えた。

ノイッシュはダメージが深かったのか、まだ立ち上がる気配はない。

3人とも、琴花のところへ駆け寄るほどの体力(スタミナは残っていない。

長期戦はジリ貧だ。


「なら、これしかないよね」

物理攻撃が効かないのなら、効くようにすればいい。

パンがなければ、バター入りのクッキーを食べればいいのだ。

魔人が駆け出した。

それと同時に琴花はコインを握りしめる。


だが、その刹那。

魔人の身体に特大の炎がぶつけられた。

「グォォォォォォォ」

魔人が身悶えた。

この炎は相当効いている。

「え……?」

【おぉ効いておるぞ。まだ武士(もののふ)がおったようじゃのぅ~】

強力な炎に感心するウリエル。


「ふっ……余所見とは感心しませんね」

「グゥゥ オ、オノレ」

魔人が炎が飛んできた方向を見ると、槍を持った女戦士の肩を借りて、立ち上がるオルガンの姿がそこにあった。


オルガン戦線復帰。

まだまだ琴花の出番はなさそうだ。



女神様のコイン

残数 1

ご愛読ありがとうございます。

感想や罵倒などお待ちしております。


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