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19枚目 オクジェイト村の攻防戦 冒険者ノイッシュ

昼間は暑いけど、夜は冷えますね。

風邪に気をつけてください。

では本編です。


大幅な加筆や修正をしました。

2014.11.05

2014.12.19

「おっとと大量じゃねぇかよ」

村の奥に位置する作物畑。

レイ、サーシャそしてオルガンの3名は、次の戦場に到着していた。

作物畑には、複数のジャンピン達が好き勝手に畑を荒らしている。

まだ、ここに冒険者(ランカー)達の姿はない。

村で暴れている魔物達とまだ戦っているのだろう。

「おっしゃ一番乗りだぜぇ〜」

レイがウキウキしながら、大剣を構える。

さっきのサーボクライミと戦えなかった鬱憤をここで晴らすつもりらしい。

ジャンピン達が、畑に現れたレイ達に気づく。

収穫作業を中断し、レイ達に襲いかかる。

「ひゃっほぉぉぉぉ〜い」

レイは大剣を振り回し、片っ端からジャンピンを、水を得た魚のように畑に沈めていく。

「はりきってますねレイ。こちらも負けてはいられませんね」

ニヤリとダークな笑みを浮かべて、オルガンも駆け出す。さっそく目の前にいるジャンピンを炎の拳で蹴散らしていく。

「さぁーサーシャ行きますよ」

「あ……はい」

残されたサーシャも遅れながらも、ジャンピン討伐に身を投じた。


「私はエル、この子はコイロちゃんよ。よろしくね」

「俺はノイッシュだ。さっきはその……すまなかった」

エルと少年は握手を交わした。

先程までの争いはこれでチャラである。

「ところでエルさんよ、一つだけ聞きたいんだが、あんた男なのか? それとも女なのか?」

ノイッシュは素朴な疑問をエルにぶつけた。

「うふ、そういうのは答えないようにしてるのよ」

エルは片目でウィンクした。

「く、性別不明か……」

「うふ、ミステリアスでしょ?」

悪戯じみた笑みを見せるエルに、少年冒険者ノイッシュはため息をついて、琴花に視線を向けた。

「ところで、コイロだっけか? なぜあんたにウリエルが?」

「うーん……気づくと目の前にいたって感じ」

ウリエルの事はともかく、さすがに異世界から来ましたとは説明できないので、そこは伏せておくしかない。

「なるほど、取り憑いてしまったと……」

【こんのシャイニング馬鹿小僧がッ! 女神を取り憑いてる等と吐かすとは、罰当たりな奴じゃ。神罰を与えてくれるわッ! そこになおれ、修正してくれるわッ!】

ウリエルが指をポキポキと鳴らした。

いつでも喧嘩できる状態だ。

ハチマキをいつ巻いたのか……。

闘魂と書かれている。

ビンタでもするのだろうか……。

【この罰当たりな若ハゲ造に説教してくれるわッ! 琴花よ通訳せぃッ!】

通訳はともかく、耳元で怒鳴るのは勘弁して欲しかった。

「ちょっと黙っててウリエル」

琴花は眼鏡をはめた。

これでウリエルの姿や声を認識できなくなる。話もスムーズに進むってものだ。

まだ左耳がキーンとしている。

「お、おいウリエルが何やらギャンギャン吠えてるけどいいのか?」

ウリエルの姿が見えているノイッシュは、何やら同情している。

だが、見えない琴花にとっては知ったことではない。

「今は邪魔だから……一旦退場」

「お前、結構罰当たりな女なんだな。仮にも女神に向かって邪魔とか退場とか……」

ノイッシュは呆れた。


「ねぇねぇ本当にウリエル様がいるの? コイロちゃん」

エルが目を輝かせながら琴花に迫ってくる。

その迫り具合に琴花は一歩下がった。

エルの顔は、まるでお宝を見つけた子供のように

キラキラしていた。

「エルには見えてないかもしれないけど、そこにいます」

「いやコイロ、そこに女神(ウリエル)はいねぇぞ」

ノイッシュが琴花が示した方向と違う方向に視線を向けている。

琴花が示した方向に女神はいないようだ。

「ウリエル勝手に動かないでよッ!」

それは無茶なお願いである。

相手にしてもらえないと分かったら、誰だってフラフラする。それは女神でも例外ではない。

「無茶言うなよ。なんだ? まさか見えてないのか?」

「眼鏡をかけると見えなくなるし、声も聞こえなくなる」

「意外と不便な関係なんだな、お前等……」

「なんで、私には見えないのかな〜」

エルが肩を落とした。


会話に入れないのが寂しいのだろう。

そんなにウリエル様が見たいのだろうか。

琴花には全く理解できない。

あれは、ただのうるさいだけの女神である。コインがなければ、力を使うことすらできない女神(ウリエル)

穀潰し女神という称号を与えたい。

「仕方ないだろう、エルさんよ。あんたには神の眼の固有スキルがねぇんだからよ」

「なら片方だけ私にくれないかしら?」

「お、おい無茶言うなッ! 怖ぇな」

「うふふ、冗談よ。でもコイロちゃんには見えるんでしょ? なんか不公平」

頬を膨らませて抗議するエル。

女性と分かった今となっては、その仕草は可愛く見えた。


「肖像画とあまり変わらんぞ」

ノイッシュはポリポリと頬をかいた。

琴花は肖像画を見たことないので、どんな感じなのか分からない。

「肖像画通りならとびきりの美少女ね、ウリエル様は」

「あー、今満面の笑みで頷いている。ただ何を言ってるのか分かんねぇけど」

今現在、琴花はウリエルの姿は見えないが、ノイッシュの表情を見る限り、何か余計なことをしているように感じられた。

「だいぶ、魔物の数は減ったみたいね」

先程より剣撃の音や、魔物の声が聞こえなくなってきている。村での戦闘もそろそろ終わりを迎えそうだ。

「そろそろ沈静化すると思……」

その時、大地が大きくドーンと音を立てて揺れた。

ご愛読ありがとうございます。


モンスターやスキル名とか相変わらず募集中です。



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