15枚目 オクジェイト村の攻防戦 ギルド前広場と新人冒険者
皆様のおかげで連載始めて三週間で5000PV突破できました。
ありがとうございます。
感謝です( ^ω^ )
大幅な加筆や修正をしました
2014.10.31
2014.12.19
★
広場にたくさんいるジャンピン、これでしばらく食糧には困りませんね。
☆
「おほぉーたくさんいるじゃねぇかよ」
レイは大剣を肩で担ぎながらニカっと笑った。
手首や首をコキコキと鳴らしながらテンションを上げていくレイ。
様々な毛色や、多種多様の武器(主に人参メイン)をもったジャンピン達がゾロゾロとやって来た。
団体様ご案内だ。
「さすが収穫期だけあって、奴さんらもフェロモンムンムンだぜぃッ!まぁ熟女や遊女のフェロモンにゃーはるかに及ばねぇがな。ガハハハハハハ」
「はぁ〜下品な発言ですね、レディーが近くにいることをお忘れなく」
ジャンピンが集団で村を攻めてくる理由は、収穫期で作物がたくさんあることを知っているからである。
食べる用と武器用のために調達しに来るのだ。
「こ、こんなにたくさん……」
初戦闘がまさか、こんな集団戦になるとは思っていなかったサーシャの槍を持つ手が震えていた。
他の冒険者達の攻撃を掻い潜った、またはうまいこと冒険者に遭遇しなかったジャンピン達が、今このギルド前の噴水広場にやって来ている。
選ばれしジャンピン達が集結している。
作物の畑に行くには、ここを通っていかないとならないので、自然とここが激戦区となる。
いわばボーダーライン。
「これはこれはなかなか骨が折れますね」
ギルド店員のオルガンは、首や指をパキパキと鳴らす。
「あ、あのオルガンさん武器は?」
と青ざめた顔をしたサーシャ。
他人の心配をしている場合ではないのだが、サーシャは隣にいるギルド店員に声をかけた。
「いりませんよ。これで十分」
オルガンは迫ってくるジャンピンを蹴りで薙ぎ払う。
普通の蹴りではジャンピンに致命的なダメージは与えられない。
いや、部位によっては一撃で沈めることはできる。
だがオルガンには他の冒険者とは違う技がある。
それが炎を纏った蹴りだ。
蹴られたジャンピンは一瞬にして黒焦げになっていく。破壊力は言うまでもない。
これがギルド店員オルガンの実力。
「す、すごい」
「相変わらずクールなくせに熱い攻撃をしやがるぜぇい。さすが冒険者rank Bだぜぃ」
大剣でジャンピンを数体斬り伏せていくレイ。攻撃しながらも周囲に目を配る余裕があるのは、長年冒険者としてやってきた経験から為せる技だ。
サーシャみたいな新人冒険者にできるものではない。
「オルガっちの固有スキルは、たしか炎の担い手だっけか?」
「はぁ〜レイ、人のスキルを勝手に言うもんじゃないですよ。プライバシーの侵害ですよ。あとrankは準Bですよ」
「悪りぃ悪りぃ。だがそんなに珍しいスキルでもねぇだろう。新人への教育の一貫だ。見逃せッ! ガハハ」
全く悪いと思っていないレイは、オルガンの肩をポンと叩き、次の獲物を大剣で薙ぎ払う。
固有スキルは個人情報の一つとなる。
だから無闇やたらに言いふらすものではない。スキルの中には特殊なものが存在する。
そのせいで、過去に誘拐や人体実験などの悲劇を招いている。
「ほれ。ボサッとすんなサーシャっち。生き残りたければ戦え戦え」
「は、はい」
サーシャは深呼吸をし、手近な白いジャンピンと対峙する。
持っている武器は人参ではない。
だから種族スキルである一閃の発動はない。
槍で一突きし、ジャンピンを倒す。
そのまま流れに乗って、近くのジャンピンを槍でなぎ倒して行く。
「ほほぉ〜、技は荒いが適格に急所をついてるじゃねぇか」
「当たり前ですよ。優秀な新人じゃなければ、わざわざこの僕が面倒見ませんよ」
レイとオルガンは喋りながらも、敵のかずを確実に減らしていく。
「童顔でオッパイがあるだけで選んだわけじゃねぇんだな」
「馬鹿なことを言うものじゃありませんよ」
「いやぁー同じチームでいた時が懐かしいねぇい。まぁお前さんの場合、オッパイだけじゃないだろう。成績が優秀じゃなければ面倒見ねぇよな?」
「当たり前ですよ。そんなオッパイとかでいちいち考えてはいられませんよ。ちゃーんと面倒は見ますよ。ただダメな奴や、やる気のない奴は聞きに来るまで何も答える気はありません」
炎を纏った拳を数発ジャンピンに叩きつけるオルガン。
「まぁオッパイだけじゃねぇが、てか差別すんなや」
「それとこれとは別ですよ。お気に入りや優秀な新人と、子憎たらしい冒険者なら、どちらを取りますか? 」
「もちろんオッ……じゃなくて、その面倒を見るのがてめぇらギルド店員の仕事だろうがよ」
屋根から飛び出してきたジャンピンをレイは大剣で叩きつける。
「ちょっとオッパイオッパイ言わないでくださいッ! 恥ずかしいじゃないですかッ!
サーシャが顔を真っ赤にして叫びながら、胸元を隠す。だが手で抑えても巨乳は隠し切れていない。
「ガハハ、悪い悪い」
「今は戦闘に集中しなさい、油断するとやられますよ」
この二人に緊張感は全くない。
純粋に戦闘を楽しんでいる。
ギルド前広場には、たくさんのジャンピンと他の種類の魔物で満員御礼状態だ。
「こんだけいりゃー食糧問題解決すんのになぁ〜」
「まぁ食料には困らないですが、この数は困ったものですよ」
サーシャの近くに戻ってくるレイとオルガン。
サーシャは決して弱くはないが、まだ戦闘経験の少なさもあり、視界が狭い。
だから、サーシャの背後から迫ってくるジャンピンや、頭上から来るジャンピンはレイやオルガンの担当となっている。
それは事前に打ち合わせたわけではない。
サーシャの戦いぶりを観察していたレイとオルガンの身体が勝手に動いただけに過ぎない。
「サーシャっちは、目の前の敵に集中しなッ! 頭上や側面のフォローはしてやっからよ」
「は、はい」
「レイ、これはやばいことになってきましたよ」
ジャンピンを2体ほど消し炭にした後に、オルガンは苦痛な表情で呟く。
「なんでぇーい? 数が多いとか、まさか弱音を吐くんじゃねぇだろうな? らしくねぇぜインテリクール野郎がッ! 準B rankの免許取り消しやがれぃ」
「数とかそんな次元の低い話じゃありませんよ。屋根の上をよく見てから物を考えてもらいたい」
「あ? 屋根だぁ〜?」
レイがオルガンの言われるまま、屋根に視線を向ける。
屋根の上に全身を包帯でコーティングしている何者かがいた。
風で包帯の切れ端がなびく。
「おいおい、なんであんなのがいるんでぇい」
レイが声を張り上げた。
「おかしいですね。通常種のジャンピンは群れて行動します。
が……他の魔物とは決して徒党を組まない」
「あ……あの、それはどういうことですか?」
サーシャが会話に加わる。
周りにいるジャンピンを大方倒したので、会話に加わわる余裕が出てきたようだ。
「どうやら、この村の襲撃は誰かが仕組んだ罠の可能性がありますね」
オルガンは舌打ちをする。
手に炎を灯らせて、屋根にいる魔物に向かって炎を飛ばした。
だが、包帯の魔物はそれに気づき回避。
屋根の上から飛び降りてくる。
「新人のフォロー頼みますよ」
「あぁッ! 抜け駆けかよッ! 仕方ねぇな、あいつと殺りあうつもりだったんだが。くそッあとで一杯奢れよ」
オルガンは頼れる冒険者に新人を任せて、魔物に向かって駆け出した。
ご愛読ありがとうございました。
感謝です。
あ、あとユニークな魔物の名前やスキル名など募集してます……。
ネーミングセンスはないんです。オイラ(・・;)