最終話
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「真琴にこの人殺されたって…。」
「えっ?」
何をいってるんだ?俺はこの女の人を知らないんだぞ。健?
「何か言ってよ…。」
えっ?何を言えばいいんだ?
「俺はなにもやってない。」
そうだよ!俺はなにもやってない。人なんて殺すはずがない。
「嘘つくな!!お前に殺された。」
「真琴はたぶんわからないと思う。だから話せば…。」
健?俺を信じないのか?友達なのに…。
「お前らのクラスに不登校の女子がいただろう?」
女子?あ!そういえばいじめられて自殺した子だ。忘れていた。
「その母親だ!!」
母親?どうして?もしかして母親も自殺?そんなわけ…。
「お前がいじめのリーダーと聞いた。歩から。そのせいで歩は死ぬことになった。」
「真琴?」
「俺は悪くない。全部小林歩のせいだ。」
そうだ!悪くない。全部!全部!あいつがいけない。
「追いつめられ自殺した。私はお前のせいで!」
なぜだ?悪いのはあいつなのに…。
「うるさい!俺はしらない!!」
「真琴…。」
なんなんだよ健まで…。俺が悪いみたいに。たしかにいじめた。小林を俺はいじめた。あいつが間抜けで足が遅くて運動ができないのに頭がいい。そんなやつにみんなムカついていた!悪いのは小林歩なんだ。
「真琴?大丈夫か?」
なんで…。
「俺はどうしたらいいんだよ。」
「殺す。」
どうしよう。健は?健ならきっと…。
「健はどう思ってる?」
「あっ俺は…。」
頼む俺を信じてくれよ!友達!サッカーよくしてたじゃんかよ…。
「元の世界にもどりたい?」
あ!そうだ。鏡の中にいたことを忘れていた。
「戻りたいにきまってんじゃんかよ!な!健?」
「あっああ戻りたい。」
どうやったらいいんだ?はやく帰して欲しいと焦っていた。
「この男を殺したらね…。健くんかな…。どうする?大切な友達を失うか自分が助かるか…。」
「健!」
「考えさせて…。」
えっ…。答えはすぐでるかと思っていたからだんだん恐くなってきた。ほんとうにしんじゃうのか…。
「罪の重さは感じたかな?」
この女は一体…。いじめたのが原因か…。
「真琴と一緒にはでられないかな?」
いつのまにか泣いていた…。
「健…。ありがとう。」
「友達だもん…。」
信じてくれたことに嬉しさと色々な感情が顔に出た。どうしたら…。
「…。」
あれ?いつのまにかいない。足がすくみ動けない。
「真琴平気か?」
「あっああ。」
「ありがとう。助けにきてくれて。」
ばかと言いたくなったがやめた。
「戻ろうか。」
おばけが本当にいるんだと知り恐くなった。今日はきっと忘れられない日になると思う。
次の日。
「真琴おはよう。」
いつもの朝がきた。学校へ向かう。1人でかって?いいや…。
「健!おはよう。」
昨日あったことは2人だけの秘密にした。