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未成年

少しずつ、服から血がにじみ始めた。


「お願いだから…やめてくれ。お前の言うとおり、おれが悪かった」


あら、これくらいの血であっさり認めた…


まだ、5ミリも突き刺してないよ。


ほんと、バカなやつ。


と、思ったとき頭がクラってした。


彼女の意識が戻り始めてる。


もう、時間があまりない…



わたしはフラフラになりながら、


携帯を手にとり、警察に電話する。


「助けて。こ、殺される…」


彼の顔は強ばっていた。


まるで悪夢を見てるようだっただろう。


でも、今からすべてが現実ってわかるから、


安心して。



ライターについてるのは…


あなたの指紋だけ。


しかも…


自宅の包丁が彼女に刺さった。


そして、警察に通報された。


自分で刺したから狂言になるって?


彼女の意識は今もない。


気がついたら、包丁があって…


自分の体から血が流れている。


普通は、刺されたって考えるよね。


殺人未遂も決まり…


これで、やつの人生は終わり。


今日から…


未成年じゃないんだから。


明日のニュースに名前でちゃうよ。


以前、交際していた女性を焼き殺し、

交際中の女性も刺そうとして、逮捕。

三角関係のもつれが原因か、って…


あー、見たかったな、その映像を。


ま、いっか。


生きて、苦しんでいってくれたら、


それでいいよ。


殺しやしないからな。



パトカーのサイレンが遠く聞こえてきた。


すべて、終わりだね。


彼女の意識が戻ったよう…


わたしの魂が押し出されていく。


彼女が、痛いっ、痛いっ、


叫び声をあげる。


ごめんね、でも致命傷じゃないから。


あなたの人生を悪魔から


切り離してあげたよ。


今度は…


いい人を見つけて幸せになってね。



彼女から抜け出した、わたし。


その前に、光が差し込む。


あの世につながる道か…


わたしは、そこに導かれていった。


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