通り雨
そんなわたしのことなんて関係なく
あいつは大学生活を、のうのうと生きてる。
楽しそうに笑いながら
あのときみたいに彼女を何人か
そばにキープして…
汚いけど、悲しまない賢い生き方。
でも、わたしはそんな生き方するのも、
するやつを見るのも嫌。
歯がゆいだけ。
なのに…
まだ、その笑顔を覚えてる。
消してしまいたいけど
思えば余計に、消えていかない。
よくある事件みたいに
あいつを殺したら
満足するんだろうか?
いや、
そのままあっさり死んでも
わたしは納得しない。
同じくらい苦しんでくれないとダメ。
どうしたらいいの?
わたしが死ねば、さすがに苦しむ?
いや、
きっと、わたしが死んでも、
あいつには一時的な悲しみ。
通り雨みたいなもん。
それどころか、
あいつなら気づかないで、
そのまま歩きすぎるかも…
苦しむことさえなく、ね。
それで、終わり。
それじゃ何も変わらない。
わたしも納得できない。
自分の意のまま生きつづける
あいつの高笑いが聞こえてくる。
考えるだけで、いかりがこみ上げ、
わたしの両拳に力がはいる。
ほんとに、神様がいるのなら
あいつを消して…
わたしの中からも、
この世からも、
存在自体をなかったことにして欲しい。
それができないなら、天罰を与えて…
生きたまま、一生ずっと苦しむような罰を。
でも、
神様なんかいないか。
だから、今の狂ったわたしがいるんだよね。
夜中になって、ひっそりコンビニにいく。
近所の人に見られないように。
みんな知ってる。
噂してる。
わたしが、おかしくなったって。
周りは敵ばかり…
レジの店員がわたしを見て
ふふっ、て笑った気がした。
気のせい?
でも、視線が凶器のように
わたしの心をえぐる。




