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二本目「ペプシって発ガン作用があるんだよ!?」

真っ青な空の下。ペプシの国はお腹が空いていました。


「お父さん。これ辛すぎだよぅ」

「我慢して飲みなさい。確かに舌がっ・・・ゲホッ!バリバリするけどっ!」


そうです。現在のペプシ国は三ヶ月前のジンジ国との3日に渡る戦争に惨敗。隣国のコカ国の管理下に置かれています。

ジンジ国とは、ジンジャーエールを主食としている国です。

ペプシ国は太古よりペプシコーラしか食べない(飲まない)習慣が付いているのでとても固形物やその他の飲み物は飲めないようです。

今、なぜペプシが飲めないかというとジンジ国との戦争に敗れた時、不良素質のあるジンジ国の国王がペプシ国にあるペプシを全て没収してしまったのと同時に製造機も破壊されてしまったのでここ3日間は全くペプシを飲んでいない状態。

作者にとって3日間紅茶を飲んでないのと同じモンですよ!マッタク酷い状態です。


「早くペプシが飲みたいよぉ、これマズイよぉ」


こんなとこです。

ところでコカコーラを豊富に支給してくれるコカ国には全くの悪気は無いのですが、コカ国の国王は少し鈍感。コカコーラが飲めないという事に気づいてないのです。

3日間なんとか我慢してきたペプシ国のイイ人たちですがもうそろそろ我慢の限界。今度は嫌ながらもコカ国と戦争してしちゃいそうです。


「あはは!あはははははっ!」


ついにコカコーラの飲みすぎで狂い始めた人もいたようです。

このままじゃ本当に危ない。 なんとかしなくては!!頑張れボス!そしてノリオ!





二本目「ペプシって発ガン作用があるんだよ!?」


みなさんこんにちは。まだ中学一年生だけどちょっと毒舌で、それでもピュアでナイーブなハートの持ち主の坂井ノリオです。

前回は唐突極まる登場を重ねみなさんを混乱させてしまったかもしれないですね。

そんなわけで今日はおっとりと始めていきたいです・・・・。

そう思っていたのですが!が!

こいつがソレをさせてくれそうにもありません。なぜなら今、僕は急降下中だからです。

「イヤァァァァァァァッ!!!」

なんでこうなるのでしょう!?もっと優しい国への入り方っぽいのは無いので!?

「アァァァァァァァ!!・・・・・・っ!底あるじゃ・・・・!!」

《ドキャッ!!》

僕はそのままマンホールの底へ不時着。ここはペプシの国への入り口ではないのでしょうかぁ!?

まず最初に来たのは不条理や怒りという感情では無く痛みという感覚でした。

「イタァァァァッァ!」

どこか折れたかも。ていうか砕けたかも。

「お、オイッ!!なんてことしやがんだ!ここただのマンホーゴバッ!!」

僕の悲痛の訴えは背中からの衝撃のよって断ち切られました。

「あーっ!!頭から落ちてやーんの!!」

どうやら背中からの衝撃はこの小僧が落ちてきたからなんでしょう。このヤロウ、俺をクッションにしやがった!

「『おちてやーんの!!』じゃねーよっ!!落とされたんだよ!テメェによ!」

僕は背中に乗っている小僧を片手で払いのけて痛む全身を押さえます。

「でも無事に着いて良かったねぇ!」

「何が『無事に』だよ!全然無事じゃねーよ!その上ここただのマンホールだろうが!着いてねぇよ!」

本当です。無残に落下した上にここはタダのマンホールだったとは。どうせこの小僧が間違えたに違いありません!

「さぁどうしてくれんだよ!?さっさと本当のペプシ国に行くんじゃねぇの!?」

するとその言葉を聞いたボスは不思議そうな表情をして、

「何言ってんの??ここがペプシ国だよ? あ!そうか!忘れてたよ!『ペプシ国へようこそっ!』」

そう言ってボスはどこから取り出したのか造花のリングを首に掛けてきます。

「いやいや!ここハワイじゃないよ!ってかここがペプシ国!?ただのマンホールの底じゃん!」

「そうだよっ!ペプシ国の地下のマンホールだよ!」

「は?地下の?ってことはここはペプシ国?」

「そうっ!『ようこそっ!ペプシ国へ!』」

また花。

「いやいや!花はもういらないよ!それより本当にペプシ国?ずいぶん僕のいた世界と違う感じだし何より『違う世界へ!!』って感じじゃなかった!」

確かにそうです。僕はではいきなり草原に異次元空間へのホールみたいのが出てきてそこから僕たちが出現!的な登場を期待・・・したかったのです!

「これがペプシ流!」

でもよく考えてみればそうかもしれません。マンホールは上を見上げても光はまったく見えてこないのです。それにホンモノのマンホールから頭着地したらいろんなモノをぶちまけてしまうでしょう。

ボスはよく分からない事をほざいていますがここがペプシ国だという事は本当なのかもしれません。でも外を見てみないことには何も分かりません。

「じゃぁ・・・とりあえず外に出ようよ。ここなんかペプシの匂いがキツイヨ?」

「そりゃだってみんなの排泄・・・」

「言わなくていい!・・・とりあえず外への道は?」




「ようこそっ!ペプシ国へっ!」

「花はいらんっ!」

あれから10分ほど歩いて外への梯子を発見。僕たちは外へと出ることが出来たのです。

しかしここはどこなのでしょう。なんだか内装がものすごく派手です。写真で見るような王宮のようで・・・

「ノリオーっ!こっちこっちー!!」

気づくとボスはもう向う側の壁まで走って行ってました。どうやら僕たちはこの王宮みたいな建物の内部に出てしまったようです。

「待ってよー!」

僕はボスを追いかけて走り出します。なんだかペプシの甘い香りが強くなってきました。

ホントに存在したんですね・・・・ペプシ国。


「ゼェッ!待って・・・!ボス!」

僕は未だ解明されてないほどのスピードで走っていったボスを追いかけるのに必死になってました。それにしてもなんて大きな建物でしょう。もうゼェハァです。

だけど次の瞬間、僕の視界に突然何かが現れ、

「待てっ!!」

《ビューッ!》

「オギャァァァッァァァァ!!」

「どうしたの!?ノリオ!」

突然なにか目にかけられました。めっちゃシミます!

「なんかいるっ!僕襲われたぁぁぁぁ!」

僕はシミテ充血した目を手で押さえながらボスを呼びます。

「たたんじゃって!君の馬鹿力でダンボールみたいにたたんじゃって!!!」

「え・・・・?なんで?」

目は見えませんがボスが首をかしげているのがなんとなく分かります。いったいナニ行ってんだ、このガキャァ!  

「え!?なんで!?こいつ敵じゃないのっ!?目が一生充血してそうな痛みだよー!」

「はっ!すいません!王子様のお連れの方でしたか!」

するとどこからともなく別の声。

「ううん、いいの。ボクの連れだから」

どうやら僕の見えないところでコトが進んでいるようです。

「ノリオ・・・大丈夫?」

「痛いけど・・・・もう開けてもいい?」

「いいよ?」

「もう何かけたんだよ・・・・」

そう言って僕はまだしみる目を開けました。

そこにはボスと・・・もう一人鎧のようなものを来た男が水鉄砲のような物をもってもうしわけなさそうな表情をしていました。

「ゴメンネ。この人この宮殿の護衛兵。目に入ったのはペプシだから大丈夫」

そう言ってボスは説明します。

「そう・・・それを聞いて安心・・・しねぇよ!!そこの人っ!水鉄砲に炭酸入れちゃだめって説明書きに書いてあるでしょ!?」

でもボスはまったく気にとめていない様子。

「ペプシは案外微炭酸だよ?」




「王子様のーおなーりー!!」

そう言って目の前の二回建ての家くらいある扉が開きました。

《ゴゴゴゴゴゴ!》


僕はあのあと兵士らしき人に洗面台に入った水をもらって目を洗って回復。 ペプシは目に入れないでください。

「ってかボスって王子様だったの・・・!?」

僕は声をひそめながらボスに聞きます。

「まぁねっ!ビックリ!?ビックリした!?」

ボスが嬉しそうに反応します。

「声でけぇよ!僕がひそひそで話した意味ねぇじゃん!」

そうしてボスが止まった目の前にはでかい椅子に座った・・・おそらく王様。

「・・・ってこれペプシマンじゃん!!」

なんと正面の以上に大きい玉座に座っていたのはかのテレビにも出てきた鈍光を放つ暗銀色のペプシマン!胸には円形のシンボルでその中は赤と青を区切る白い波線。まさにペプシマン。

やはり王様だからでしょうか。のっぺらぼーのはずの顔には茶色の髭がしっかりとした形で生えています。はっきり言ってアンバランスです。

でも僕の言葉に周りが一瞬ビクッっとします。

そして視界の端で水鉄砲を構える兵士。

《ビューーー!!》

「オガァァァァァァァァ!!」



「ノリオっ!王様には礼儀正しくっ!常識だよっ!?」

「う・・・うん、ごめん」

そりゃビックリもしますさ。王様がピッチピチの銀色ボディのペプシマンだとはね。

そしてボスが姿勢を正して幼い声を響かせて言いました。

「王様っ!只今帰ってきました!」

そうボスが王様に言うと王様は満足そうに、

ヒュッ!<腕を上に上げて席を立つ>

バッ!<両腕を変身ッ!のポーズに>

シュッ!<両腕を引く>


「王様はすごく嬉しいんだって!」

「わかんねぇよ!全部ジェスチャーな上に何を言いたいのかマジで分からんっ!マトモに話せねぇのかよこのオッサン!」

すると視界の端に水鉄砲を構える兵士が7人。

《ビビビビー!》

「オグワァァァァァァァッ!!!ってか今回のなんか多くなかった!?めちゃくちゃ痛い!」


「ノリオっ!!」

「う、うん・・・ゴメン!」

礼儀は大切かもしれません。

それでこの王様はいったい何をしたいんでしょう。さっきから変なジェスチャーばっかしてます。でも僕の他の人は頷いたり笑ったり泣いたり怒ったりしてます。もしかしてこれがペプシ語ってやつかな。

シュバッ!シュバッ!<腕を前に伸ばしたりひっこめたり>

するとボスはひそひそ声で話してきます。

「ヒントはっ・・・『心の声を聞く』だよっ!」

「わかんねーよっ!ってかやっぱお前らも勘で読み取ってたのかよ!それこそ王様に失礼ジャン!」

僕も声を殺して言います。その間にも王様は手話には程遠いジェスチャーを何十回かやって、

ヒュボッ!<ライダーキックで退場>

『ワァァァァァァァ!!』<周りにいた人たちの歓声>

まったくをもってこの国の人々はワケがわかりません。




《ガコォォォン・・・》

僕たちもあの後偉そうな人たちに色々と説明されて退場。

「・・・結局僕どうなるの?」

どうやらボスが僕の家で言っていたことは本当のようです。僕はペプシ国を救うためにここに連れてこられたようです。

さっきの人たちの話によると僕がなぜそんな重役に推薦されたかというと、どうやら僕のペプシに対する愛情は人一倍強く、町内にある自販機でペプシを買った回数が僕がトップだからだそうです。

そして拉致するために警察を留守電にしたり親たちを出かけさせたり・・・まったくペプシ国の力は計り知れません。

もう僕は逃げられないようです。どうしよう。

「あのね・・・ボス。僕はさ、学校ってもんがあるのよ」

「学校?」

ボスがテクテク歩きながら言います。

「学校って今日の朝ノリオがストーカーをしてまで行こうとしていたトコ?」

「ストーカーってなんだよ!?誰をストーカーしてんだよ!俺ぁ!」

「バス停にいた女の子」

「ちげーっ!!!ていうかそんな人いたっけ!?」

「またまた照れちゃって!」




〜その頃のジンジ国〜


ジンジ国は全てが金色で統一された帝国です。空も金、地面も金、建物も人も全て金色でできています。

そんな全てが金色で覆われた国の中心地にある『ジンジャー宮殿』では、

「帝王様、ペプシ国が人間の戦闘員を雇ったようですが」

宮殿の内部は何もかも金でできていました。相当な趣味です。

「奴ら・・・この私にまだ楯突こうとしているのか・・・?」

「ですがその心配はありません。奴らがこの国に来るにはヌーダ砂漠を越えなくてはなりませぬ」

玉座に座っている、帝王は無表情のまま答えます。

「だが・・・人間はあなどれん。斥候を出して様子を探れ。危険なようなら・・・殺しても構わん・・・!」




〜その頃のペプシ国〜


「イ〜ヤ〜〜〜〜!!」

宮殿の半分は僕の声で埋めつくされました。

「ゆうこときいて〜!!王様もお風呂に入って汗を流せって言ってたじゃん〜!」

「知らネェよぉ!!ってか見てよこのお風呂!!ナニこの少し泡だってて甘い匂いがしててっ・・・!もしかして・・!」

ボスは半分裸になった僕を引きずってお風呂に連れて行こうと頑張っています。

「そうだよっ!?せっかくノリオ君のためにペプッシ風呂を入れてあげたのにぃぃぃっ!」

「やめてやめてっ!そんなの汗流せないよ!ベタベタして気持ち悪そう!!しかも炭酸のお風呂ってスキンに悪そうっ!」

「おませさんっ〜〜〜!!」

ボスは僕の足を持って風呂場でジャイアントスゥイング!

「どぎゃめて〜〜!!」

そして手を離して、

「アァアァアアアァァァァァァァァあ!」

《ドッボーン!!シュワシュワシュワッ・・・・》





そうやら冒険が始まるのはまだ後のようですね。

でもそれはまたの次回に・・・。

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