蝸蝸頭(まいまいかしら)
あとがきに、簡単な解説(のような物)ありです。
六月の夕立で
斑模様の虫が群がる
紫陽花の観賞に邪魔
「お前の目玉は何処にある?」
お天気よりも、梅雨が大好き
人と違う感性かしら?
角出して、槍出した
そんな私は歪かしら?
六月の大雨で
斑模様が心蝕む
難病の療養の邪魔
「私の頭は何処にある?」
唇よりも、液が大好き
少し卑しい感性かしら?
融けだして、化膿気味
そんな私は歪かしら?
紫陽花よりも、梅が大好き
特効薬は完成かしら?
融けだして、目玉出す
そんな私は蝸蝸頭
重い性病に苦しむ女性。
その病は難病の為、
治療薬はなかった。
季節は紫陽花の綺麗な季節になり、
寝室から眺めようとする彼女。
しかし、嫌いな蝸牛が無数に群がっていて、
憂鬱な気分になる。
憂鬱の中、
彼女は病の原因となった行為を思い出す。
快楽に依存し、多くの異性と夜を過ごした。
病に身も心も蝕まれながらも、
行為を欲する己を嫌悪し、
また、憂鬱になるのだった。