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66 てんやわんやですよ!(ほたての煮物編)

 先週水曜日に

、盲導犬の合宿訓練を終えて自宅に戻ってきた。

金曜の午前中に全課程を修了し、

僕はめでたく盲導犬ユーザーとしてデビューしたのである。


 出足早々に軽いうつ状態に入った。

なぜって?ウンチを全然してくれなかったからである。

お料理レシピ目的で覗いてる方はゴメンナサイ。

盲導犬所有の最初の試練は、「ワンツー」に尽きるのである。


 盲導犬は「していいよ♪」という命令があるまでおトイレを勝手にしない。

だから、遅ければ漏らしてしまうし、

タイミングが合わなければ出してくれない。

均等に時間ではかって出るものでもない。

ましてや、長年暮らした訓練所から、

うちのアパートへ越してきたばかりだから、

緊張の連続で、おトイレリズムはメチャクチャ、なんである。

 

 「ワンツー」とはコマンド名みたいなもので、

ワンツーワンツー!と声の合図で、

腰に巻いたビニール袋のなかに排泄する仕組みである。

朝の7時に庭先で、

近所のご迷惑にならないような掛け声で、

僕たちの朝は始まるんである。


 金曜日は朝と夜、きっちり出してくれた。

僕は最初の試練を乗り越えたのだ!とはしゃいだ。

しかし一点、翌土曜は、全くでなかった。

夜に出かける用事があり、

どうしても19時までには出て欲しかったのだが、

当事者は「ドコフクカゼ」であった。


 僕は沈思黙考した。今日はキャンセルしようかな・・・

様々な想いがよぎって、情けなくなった。

会社を一ヶ月も休んでまでしてこれかい!とか、

もう一回トライしたらでるんじゃないか、とか、

つべこべ考えているうちにタイムアップになり、

支度をして駅へと向かった。


 相棒は、便秘?どころかウキウキノリノリ♪で、

颯爽と街を抜け、

電車に乗り、

渋谷系ギャルに勝手に写メを撮られ、

おばあさんに「おりこうなのねえ、涙がでちゃうワぁ」とかいわれつつ、

結局何ら問題なく22時過ぎに自宅へ戻ったのであった。


 戻って直ぐ庭先で「ワンツーワンツー!」とやったら、

ちょい時間がかかったが、プリプリとやってくれた。


 あーースバラシキカナ、ジンセイ☆☆☆

心の中は満天の星空であった。



 そんなこんなで、手料理など全く余裕がなかったが、

今日から仕事に復帰したこともあり、

節目をつけたくて、簡単なものを作った。


 加熱用のホタテを薄めためんつゆで煮込む。

あわせるのは木綿豆腐とブロッコリ。

10分弱ほたてと豆腐を炊く。

最後に、一口大のブロッコリをほうりこみ、

ふたをして火を止め、蒸らす。完成!


 炊き立てのご飯にやさしい味わいの煮物。

白菜とあぶらあげの味噌汁、レタスとトマトだけのサラダ。

余裕のない一ヶ月間を終わりにする、

新しいスタートの記念すべき、控えめな献立。


僕の新生活は、こうして始まったのである。


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