62 ポークカレー
晩秋。朝、空は真っ青だった。
ここ何年かで、すっかり色についてわからなくなってしまったけど、この青空は、どうして青だと、判るのだろう。青だ!と思い込んでるからじゃなかろうか。
近頃全く海に行っていないので、海がどう見えるのかはわからない。信号機の赤でさえ、わからない今日この頃だから、この空の青さを感じることができるのは嬉しい。
とはいえ、見える、見えない、ということに最近拘らなくなってきている。PCなんて特にそうだ。音声ソフトに慣れてしまったら、画面を苦労して眺めているより、見ないほうが断然ラクだ。携帯の画面もそう。らくらくホンにしてからは、画面なぞ全くみないし、見る必要もない。
見えるとか、見えないとかに一喜一憂していたことも大事だし、どうでもいいや、と次に進むのも大事だ。全てを経験し、苦悩し乗り越え、突き抜ける。そうして少しずつ強くなる。
そして今日、僕はポークカレーを作っている。
踏み切り前の肉屋さんで豚肩ロースをブロックで500グラム手に入れ、八百屋で玉ねぎを物色。八百屋のおかあさんが、「いい肉持ってんなあ!惚れ惚れするわ、ははは!」
「だろう?きょうはカレーだぜ!本格インド式!ははは!」
おやじさんが、「なんだよいいなあ、泊まってけよ!ははは!」
「あっそう?じゃ寝巻き持ってくるわ!わっはっは!」
僕はこのご夫婦が大好きなんである。
玉ねぎをじっくり炒める。
カルダモン、クミン、コリアンダーをこさじ1ずつ、ゴリゴリとすりこぎでつぶす。肩ロースを豪快にぶつぎり、バターと一緒に鍋へ。すりつぶしたスパイスと塩コショウ、ガラムマサラを加えて更に炒め、スープを投入。今煮込んでいる最中である。
一時間くらいでかなり肉が柔らかくなる。ここでカレールーを加えて更に30分。今日はこれで終わり。冷蔵庫で一日寝かせる。もっとも、明日ちょいと飲むので、正確には二晩寝かせるだろう。
盲導犬の訓練が始まるので、暫く料理ができなくなるから、ストックを沢山作っておこう。冷凍庫はジップロックのコンテナだらけ!今月末にはいくらの醤油漬けもつくんなくちゃな。これはプレゼント用である。みんなとても喜んでくれる。
こうして今年もあっちゅうまに暮れていく。




