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52 角煮

 木曜日。仕事帰りのゴールボール練習日だ。


 再来週の東に本大会に向けて超ハードな練習。

参加してくれた大学生のおねえちゃん二人組みが、

今時珍しい体育会系で、スパルタであった。


 おかげでビールがうまかった。調子こいてジョッキをすったおしてしまい、

一杯損しちまったぜ。まぁいいか。ギョウザとタンタンメンでがっつりであった。

 自宅に着いたあとも気持ちが高ぶって眠れず、

ウォッカをオレンジジュースとソーダで割り、レモンを搾ってがぶ飲み。

村上龍の「テニスボーイの憂鬱」をデイジーで聴く。


 金曜日。二日酔いと筋肉痛のダブルパンチ。最悪の体調だったが、気分は何故か良かった。

肉やで豚のバラ肉をブロックで1キロ買い、シーザーサラダを作ってシャンパンを飲んだ。


 土曜日。つまり今日だ。

気分のいい朝だった。すっきりと空気が澄んでいた。

洗濯を2回し、掃除機をかけ、床にワックスをかけた。

今日は点字図書館の売店でブラインドテニスの公式球を買わねばならぬ。

折角だから図書館近くのタイ料理屋で昼メシにしようっと。


 昼前にはギラギラの太陽が照り付けていた。高田馬場に着いた時には汗だくであった。

点字図書館手前のタイ料理屋でグリーンカレーのランチと生春巻き、生ビール。

この店は気取ってないし、場所柄僕らのような視覚障害者にも親切だ。

いい気分になり、生をおかわりしそうになったが、おいおい用事が済んでないぜ、とガマン。


 点字図書館の売店で、いつものごとくあーじゃないこーじゃないと理屈をこねまくって、

売店のおばさんたちを困らせているオッサが二人ほど居た。

どうしてここはいつもこんなオッサンが多いのか・・・ワシの買い物ができんじゃろが。

あと30秒続いたら怒鳴りつけてやろうと思っていたが、

さすがの売店員さんが「お待ちのお客様が沢山いらっしゃるので」と、

オッサンたちを端によせた。オッサン、怒鳴られなくてよかったのう。


 自宅に戻ると洗濯物はパリッパリに乾いて、太陽の匂いをぷんぷんさせていた。

僕は、角煮をつくることにした。


 5センチ角くらいの大きさに豚バラ肉をカットし、10分茹でたら一度煮汁を捨てる。汚れや血を落とし、脂をまず抜く。

 鍋に戻してもう一度煮込むが、大事なのは鍋をちゃんと洗うことだ。これは必ずやらねばならぬ。


 もう直ぐ2時間が経とうとしている。かなり柔らかくなっているはずだ。このあともう一度煮汁と肉を分ける。肉はくずれやすいのでそっと優しく作業せねばならぬ。勿論、鍋をきちんと洗う。煮汁は冷蔵庫で冷やし、肉は新しい水をひたひたにし、もう一度煮始める。ここで初めて味をつける。醤油、酒、砂糖、オイスターソース、みりん。そして五香粉。あと1時間で完成だ。冷蔵庫の煮汁は明日、上に固まったラードを取り除き、鍋に戻す。ゆでたまごをここで一緒に煮込む。これで完全なる完成。つまり今日は食べられないのである。別に食べてもいいのだけど。


 明日はベリーダンスを横浜へ観に行く。ムッフッフ♪見えないのに何故か嬉しいから不思議である。会社でパーテー所ん一枚隔てたお隣が、日本屈指のベリーダンサーなんである。僕はトコトン幸せなオトコである。


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