4 たけのこご飯
4 たけのこご飯
「昨日、たけのこ買おうと思ったら、ぬかが30円!とかになってて、
えーお金とんの!!って思っちゃった」
と、しまり屋というかしっかり者女子が憤っていた。
いつもの昼休み。会社のカフェテリアで。
たけのこか・・・ちょっくらチャレンジしてみっかな」と、
近所の八百屋のおかあさんに、
「おかあさん、たけのこある?」と訊いたら、
「あるよ!きのううちのおとうさんが炊いたやつ。柔らかくてうまいよ」
そうか。茹でてあるなら楽チンだ。一本もらおうじゃないの。
さて、ずっと前、チューボーですよかなんかでやっていたのを、
頭の片隅から引っ張り出す。
伊勢屋さんで買った油揚げ、を拍子義ぎり。
たけのこはさきっちょから真ん中あたりの柔らかい部分を縦に、
底の硬い部分は横に、代替3ミリくらいの半月ぎりに薄くスライス。
面倒だから、ひたひたのこんぶつゆに砂糖大さじ2くらい足して、
10分くらい炊く。ちょい味濃い目。
ご飯は2カップ。半カップをもち米にする。おこわっぽくなるかな、と。
ここでまたまた「塩コンブ」登場!大さじ2くらい、
炊飯器にそのまま投入!
ご飯が炊き上がったら、
汁けをきったたけのこたちを合わせて、
しゃもじでよく混ぜる。完成じゃ。意外と簡単。
うん・・・いいね。もっちり、さっくり。ちょいほろ苦い春の味。
翌日お弁当に詰めていったら、冷めてもまたおいしい。
おにぎりにしてくる女の子もいた。カフェテリアは春真っ盛り、だ。
渋谷、17:45。
すこし肌寒いが、気持ちのいい夕暮れ。
渋谷駅から宮益坂を上って青山通りへ。
表参道から神宮前まで、白杖ふりふり気分よく歩いた。
いつのまにか、日が長くなっていた。
こうして歩くと、いろんな人が声を掛けてくる。
「どこまで行くんですか?ご一緒しましようか?」
いい匂いのする素敵な女の子にこんな風にいわれると、
かえってビビリが入って「ダイジョブですっ」とかいっちまう。
春はそこまで来ている。なかなか来るようで来ないけど。
すっかり様変わりした表参道を下った頃、
薄墨いろの夜が訪れ、車のテールランプが赤い帯を引き始めた。
一杯飲んで帰りたくなったが、
飲むと止まらないから帰ろう・・・。
ラフォーレ原宿の前から、地下鉄の階段をゆっくり下りた。




