39 とりがゆ (なんちゃってサムゲタン)
39 とりがゆ (なんちゃってサムゲタン)
金曜夜。
地下鉄に乗ってたら突然の悪寒。みるみるうちに節々が痛くなり、吐き気が襲った。風邪をひいたんである。
週末の予定を全てキャンセルし、風邪薬を飲んで横になった。こいつはやばい。やばいタイプの風邪である。こんな時、バツイチ一人暮らしは切ない。最悪の状況だぜ。
何とか夜を乗り切り、這うように近所の八百屋へ。
「おかあさん、しょうが頂戴」
「どしたんだい?死にそうな顔してさ」
「風邪引いたよまいったぜ」
「そう、おかあさん行ってあげようか?」
「オヤジさんにやきもちやかせるから遠慮しとくぜ。フフフ」
とりのもも肉を塊のまま皮目から鍋へおとし、焼く。余分な脂を落としてクッキングペーパーでふきとり、ねぎとしょうがのぶつぎりを投入。ごま油で炒める。とりにさっと火が通ったら、鍋に芽一杯水を。塩をこさじ1。沸騰したら弱火にする。
布団に戻って寝る。タイマーを2時間かける。寝ている間にとりは煮込まれる・・・
タイマーが鳴って起きる。なべからしょうがとねぎを取り出し、洗ったもち米を1カップ投入。もう30分煮込む。
塩味はごくごく薄くていい。僕はキムチと一緒に食べる。みるみるうちに汗が噴出す。ヒタイから頬を伝ってあごから滴り落ちる。
ごま油の香りが、食欲のイマイチな気分を叩きなおしてくれる。とりもも肉は触っただけで崩れるほど柔らかくなっている。
僕は土曜日の昼から今日の夜まで、このなんちゃってサムゲタンを食べた。些か飽きたが、身体はなんとかぎりぎり復調したようだ。
紅茶のティーバックをミルクパンに3つほどぶちこみ、水とミルク、グラニュー糖で煮込み、しょうがの絞り汁とシナモンパウダーを落としてチャイをつくる。こいつもがばっと汗をかく。しょうが様様である。
折角の週末を棒にふっちまった。ゴールボールの講習会があったのに無念である。
夏に勝て、オレ。夏は始まったばかり、だ。




