日常「犯人を探せ!」前編
「キャアーーーーー!!!!」
突然、叫び声が響き渡る。
その声は琴葉であった。
「もう琴葉、どうしたのよこんな朝から〜」
あくびをしながら寝癖がついている髪をかく莉奈。
それでも軍人か!っと、思わず突っ込みたくなるほど堕落し無防備な姿だ。
「わ、わわわ……私のプレ◯テがない!!」
「え?」
なんだそんなことか……っというような顔で莉奈は琴葉を見つめる。
「せっかく……せっかくお金貯めて買ったのに!!家の家宝だったのに〜〜!!」
「そ、そんなの知りま……」
「返して!返してよ私のプレ◯テ!!」
いいかけている莉奈に耳も向けず琴葉は莉奈の肩をつかみ訴える。
◯
「っということで、今回君たちに集まってもらったのは他でもない……そう!私のプレ◯テが盗まれた!!犯人はこの中にいる!」
伊達メガネをクイッっと上げる。
集められた者達はしょうもないっといいたげな顔で見つめる。
「か、艦長〜そんなことで艦長命令使わないで貰えるかな??」
航海長大森 澪。
「澪君……これは大事件なのだよ!何故か、それはもう元の世界に帰るまで買えないから!っというか高いし私の給料じゃもう買えない」
「いや聞いてないし」
「でも、本当にこの中に犯人がいるんですか?今のところ誰も疑わしい人なんて居ないですけど」
莉奈が言った。
「それは確実だよ!だって昨日夜1時くらいに目が覚めたらなんかゴソゴソって艦長室が漁られている音聞こえてたもん!」
「いや、鍵しましょうよ……ってかなんでその時何も言わなかったんですか?」
「だって、私寝起き弱いし。鍵なんて誰でも忘れるでしょ」
「そう言う問題じゃないですよね」
「ともかく!プレ◯テがなくなったことに関しては本ッッッ当に許せないからね!一人づつ昨日の夜何してたか聞いてくよ!まずは澪ちゃん!」
「え、えっと……昨日七時に艦長に許可をもらいに行ったのは覚えてますよね?」
「うん。なんか甲板使わせてみたいなこと言ってたね」
「そうです。で、そこから消灯時間の9時までずっと自己訓練してました。そこからは普通に消灯と同時に寝てましたね」
「なるほどなるほど。よし!それじゃあ次は莉奈!」
「えっと……私は昨日7時から10時くらいまでこの世界のことにつ関して資料としてまとめてました。そこから花摘みに行って、普通に寝ました」
「なるほど。よし、次!」
琴葉は軍医長宮下 日鞠を指さす。
「え、わ、私もですか!?え、えっと……えっと……」
汗ダラダラで答えを必死に探す。
「き、昨日7時に薬品整理をしてて……8時に頭痛を訴えてきた乗員がいたので、その方に薬を私て、その後薬品整理をやって……消灯時間には寝まし……た」
「うんうんなるほどなるほど?よし、次!」
工作長河田 陽菜。
「私は、えっとですね、普通に寝ました!」
「うむ!よろしい」
元気よくハッキリとした答えをだした陽菜は、琴葉に何故か……何故か見逃された。
「何がよろしんだか……っというか、予備用の安い防犯のチェーンしか鍵してなかったんですから、盗まれて当たり前です」
「そっか……しょうがない。そろそろ晩ごはんだし、解散!!」
「「「「え〜明日もやるの〜?」」」」
「え〜明日もやるんですか〜??」
「しょうがないでしょ!犯人見つかるまでやるからね!!」