BADEND?
テストの内容は十人の中にいるターゲットを探して殺す、というもの。
そしてターゲットはその他の全員を殺す、か。
少なくとも僕がターゲットではないことは確かだ。
「どう探すか、だな。」
このテスト、ターゲットを先に当てられたら実力関係なしに負けてしまう。
まあでも、
「負けたら、そん時はそん時か。」
そう呟いた。
その日は何もなくその当日、テストが始まった。
僕は情報を集めることにした。情報をつかめばつかむほどこの勝負有利になる。
でも、悲劇はそこで起こった。
マリアが殺された。マリーを抜いた他の七人が最強のマリアがターゲットの可能性が少しでもあるならと、同盟を組んで奇襲したのだ。
マリアは僕の目的に必要だった。
必要不可欠な存在だった。彼女こそ僕がこの学園に来た理由そのものだった。
僕は主人公だ。
ある日僕は自分が主人公だということに気づいた。それもこの能力のおかげ。
いや、気づかない方が幸せだったんだ。
友達が僕にはいた。元来、そいつが主人公だった。でも、そいつがある能力者に殺されてそいつの存在が消されてしまった。
それで僕が偽物の主人公になってしまったんだ。
そう、僕は偽物なんだ。
その能力者は勿論僕が殺した。
この時僕は最強に成った。
そんな理由があって僕はマリアが必要だった。
マリアの生死を操る能力が。
だからこそ僕はこの怒りを抑えきれなかった。
そして、そして、
私はその光景を見てしまった。
彼が、生徒全員を殺していたその姿を。
彼は返り血で服が真っ赤に染まっていた。怖かった。
彼はそんなことする人だったか?
いや、私は彼のことを知らない。
よく考えたら名前すらも知らないのだ。そんな私が彼の何を理解しているというのだ。
ああ、あいつを殺した時もこんな感じだったか。
僕の唯一の親友を殺されて我を失ってしまったあの時。今も忘れない。
落ち着け、落ち着くんだ。
最後の力を振り絞れ。
こいつらを殺すのにひどく体力を浪費した。能力は使えば使うほど体力を使う。
だから、最後の体力をすべて使う。
「大丈夫なの!?」
そう背後からマリーに聞かれた。その問いの僕は、
「ごめんマリー、過去でまた会おう。」
そう言った直後、その世界線は幕を閉じるのだった。