最強に立ち向かう
その言葉の後、そいつの笑い声が背後から聞こえてきた。
「ありゃりゃ、やっぱ最強はすることが規格外だな。」
そう僕が言った後僕は屋上のフェンスに向かって吹っ飛ばされていた。
僕が何事もなかったかのように立ち上がると、
「あら、頑丈なのね。」
そんなことを言ってくる。
「まぁ、昔から体は丈夫なんだよ。」
だから、とそう僕は付け加えて、
「お前のそんな攻撃で勝てると思ってんのか?やるなら本気でやれよ?」
僕が煽ると、
「口は達者なのね。少しだけいたぶろうと思っていたけれど、すぐにあの世に行かせてあげるわ。」
またもや後ろから攻撃が飛んできた。
その攻撃をまるで分っていたかのように僕は受け流し、そいつの腹目掛けてパンチを放った。
そのパンチは見事に刺さり、そいつの体は数メートル吹っ飛んだ。
「そろそろ使えよ、能力をさぁ?」
すると、
「え、ええ。そこまで言うなら使ってあげるわよ。私が最強を言われる由縁の能力をね。」
その言葉を告げたその刹那、僕は自分の命の火が消えていく感覚を覚えた。
「まずい!?」
僕は条件反射で能力を発動する。
僕は驚きの表情から笑みを作って、
「危ねぇ危ねぇ、危うく死ぬところだったよ。お前の能力、生死を操る能力ってところか?」
あの感覚でわかった。
僕のその言葉を聞いてそいつは驚きながらも、
「私の能力はわかっていても対処が出来ないの。だから貴方は今ここで殺す。」
そいつは多分最大出力で攻撃を放ってくるだろう。
私は最大出力で能力を発動した。どんな能力をもってしてもこの能力の最大出力はかき消せない。
それを今までの強者との戦いでわかっているから。
彼らはこの能力に抵抗できず死んでいった。
だから、彼もそうなると思っていた。だから私はその光景に瞠目したんだ。
「な、なんで貴方生きてるのよ!?」
簡単なことだ、同じ能力なんだったら出力を上げてもこっちも出力を上げれば相殺できる。
たとえそれが生死を操る能力でも、な。
まぁきっと、能力について一番理解しているのは僕だ。だから僕の能力に出力で勝てるやつは存在しない。
だからこそ僕はそいつに告げる、
「お前は出力を上げすぎて立つのがやっとなんじゃないのか?」
その言葉にマリアは、
「ええ、その通りよ。殺すのだったら早く殺しなさい。」
僕はその言葉の意味が分からなかった。何故って、
「何で殺さなきゃいけないんだ?僕は最初から殺すつもりなんてないぞ?何なら、僕と友達にならないか?」
そう聞いた。でもマリアは意味が分からないといった感じで、
「な、何で。私は貴方を殺そうとしたのよ?」
そんなことを言うマリアにぼくは、
「僕がいいって言ってるんだからいいだろ?」
そう優しくいった。
こいつとは是非とも仲良くなりたい。
その理由は、まぁ、今はどうでもいいか。
そうやって僕とマリアは友達になった。さて、次はどんな事が起こるのやら、だな。