最底辺
その後、残った僕はその場所に集まっていた。
今度は普通くらいの教室だ。
そして入って早々、
「あなたたちはこの学園の最底辺のクラスです。」
そんなことを言われた。
別に僕は何も気にしていないが他のやつはどうも納得いかないらしい。
何で僕が、だの納得いかないだのたくさん文句をぶつけている。
だがそこにいる教師は冷たく、
「他より優れた実力を私たちに見せれなかったからこそこのクラスに案内されたんでしょう?」
するとその言葉に全員黙り込んでしまった。
さっきまで威勢が無くなってしまうほどこの教師はオーラがすごい。
あの後、いろいろな説明をされた。
この学園ではどうやら、殺しは許されているとのこと。
最初のテストでは無駄な死を防ぐためにダメだったらしい。
そして、この学園にはありえないほどの監視カメラが設置されている。
「厄介だな。」
僕はそう吐き捨てる。
そんなことを考えながら歩いているとマリーが見えた。
「お前はやっぱり一番上のクラスのSクラスか?」
そう聞くと自信満々に、
「当たり前じゃん!私は期待の超新星だよ?」
そんなことを言ってきた。
「そんなの耳に胼胝ができるほど聞いたっての。」
僕はあきれながら言った。
「そういえばお前の能力なんだっけ。」
ダメもとで聞いてみるが、
「私の能力はー、って言うワケないじゃん!」
と言われてしまった。
くそ、聞けると思ったのにな。
「てゆうかさ、貴方はクラスどこなの?」
その質問に僕は、
「ん?最底辺のDクラスだぞ?」
とそれが当たり前と言わんばかりに言った。
「え!?」
とそいつは驚いた。
「逆にどんくらいだと思ってたんだ?」
僕はあんま強くないんだけどな。
「僕はテストでもぎりぎり一人倒せたんだ。上のクラスに行けるワケが無いだろ?」
そいつは明らかにがっかりして、
「そうなんだ、まあ別にいいけど。じゃあ貴方とはライバルにならなさそうだから能力教えてあげるよ。」
そう言ってそいつは、
「私の能力は、自然を操る能力だよ。」
自然、か。恐ろしい能力だな。
「へーめっちゃ強い能力持ってんのな。」
やっぱりこいつは危険だな。敵じゃなくてよかった。
僕は安堵した。
そしてそんな雑談をした後僕はマリーと離れて学園の屋上を歩いていた。
すると屋上のドアが開いた。
僕はお話をと思い挨拶してみることにした。
「こんにちわそこの君。で、なんでそんな殺気がダダ漏れなんだ?」
疑問になったことを聞いてみる。
するとそいつは、
「俺はこの学園でいち早く卒業するためにこうやって全員殺すことにしてるんだ。」
そんなワケのわからないことを言ってくる。
そしてそいつは人間と思えないくらいのスピードで俺に近寄ってきた。
そして大きく拳を振りかぶって、そのとてつもない威力のパンチを俺に放ってきた。
だがそのパンチが俺に刺さることはなかった。
何ならそいつはさっきの位置に戻っていた。
ワケのわからないといった表情をしていた。
そう、僕は能力を発動していたのだ。
僕は、
「身体能力強化の能力、ね。能力が分かったからもういいよ。」
そう僕が言葉を発したその刹那、そいつは倒れた。
そいつが息をすることは二度としてなかった。
そして時が経ち、そいつの噂が耳に入った。
どうやらマリーのいるクラスより一個下のAクラスらしい。
Aクラスでも上位に入る実力、か。
「これでこの学園の底が知れたな。」
と、僕は誰にも聞こえないくらいの声量で呟いた。
そしうてある日、教師から報告があった。
「テストが行われます。それもクラス対抗戦です。」
か。
楽しみだな。
実力に差がありすぎてSクラスが圧勝するらしいので種目は、鬼ごっこらしい。
こんなので対抗戦するのか。
順位がそのままクラスになる、か。
一位ならS、二位ならA、そんな感じらしい。
さて、どうなるか楽しみだな。
僕は誰もいない廊下でそんな独り言をこぼすのだった。