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私は小学3年生だった時の同じクラスの上野さんの記憶がほとんどない!

作者: 七瀬







私は小学3年生だった時の同じクラスの上野君の記憶がほとんどない!

当時同じクラスだった子達にも、“上野君の事を訊いてみたが、、、?”

ほとんど上野君との思い出話をする子は一人も居なかった。

ただ、“同じクラスに上野君という男の子が居た事だけは皆憶えている!”




『なあ、上野ってどんな奴だっけ?』

『大人しい子だったんじゃないの!』

『いや? よく笑ってたと思うけどな。』

『後ろの方で隠れて一人で笑うってやつか?』

『“そうそう、上野君って一人で居る事が多かったよね!”』

『あぁ! でもさ、上野の顔とか憶えてるか?』

『・・・い、いや? 誰かクラス写真とか持ってないの?』

『あるよ、家の倉庫にあったと思う!』

『“みんなで探してみるか?”』

【オーウ!】





 ・

 ・

 ・



『でもさ? 大人になってクラス写真とか探すのって! なんかいいな~!』

『確かに、なんかワクワクするわー!』

『随分、昔とはみんな違うだろうしね!』

『今より絶対! あの時の方が髪がフサフサ!』

『俺だって、こんなに剝げると思ってなかったんだよ! まだ俺、30歳だぜ!

“若剥げってやつか? 育毛しないとな。”』

『実はオレも、少してっぺんが剝げかけてんだよねぇ~』

『何よ! 剝げの話なんてしないでよね! まだピチピチなんだから~』

『そう考えると? 女はいろいろ大変だよな~!』

『なにがよ!』

『結婚、出産、家庭って、仕事もそうだろうけどさ~!』

『そんなの知らないわよ、まだ私は独身なんだから!』

『わり~わり~ 早くいい男、見つけろよ!』

『アンタに言われなくても、“いい男見つけるわよ!”』

『そう考えるとさ、みいちゃんは“玉の輿に乗ったからいいよな!”』

『まあ、別に狙った訳じゃないけどね! たまたまよ。』

『俺なんて、給料も上がらないし! ボーナスもなくなってさ、

本当に最悪だよ!』

『無駄話しないで! クラス写真探して!』

『あいよ~分かったよ。』

『みんなも協力してね!』

【チース!】







・・・10分後。




『あったーーーーーーあああ!』

『どれどれ? 見せてよ。』

『みんな若いな~オイ! 佐倉井、やっぱり髪の毛フサフサ。』

『みんな幼いな~』

『懐かしんでないで! 上野君探しなよ!』

『そうだそうだ! 上野、上野、、、あぁ! これじゃない?』

『思い出した! “コイツが上野だ!』












・・・この時、何か奇妙な感じを受けた!

みんな気づいていたけど? “暗黙の了解”なのか?

みんな知らないフリをして、そのまま元の場所に戻り“家飲み”を再開する!




『俺の職場に、変なおじさんが居るんだよね?』

『どんな人だよ、その人!』

『汗が尋常じゃなくかくらしく! 塩もふいて凄いんだよねぇ~』

『それ? 体質じゃねぇ~! なあ、“上野!”』

『うん! 僕の職場にも変なおじさん居るよ!』

『どんな奴だよ、上野! 俺たちにも聞かせてくよ!』

『“その前にさ、皆! 小学3年生だった時の同じクラスの岡本さんって

知ってる?』

『えぇ!? その人、誰?』

『“岡本さんって、女の子なんて居たっけ?”』

『えぇ!? 全然覚えてないよ。』

『・・・い、いや? “先までココに居たじゃん!”』

『一緒にココで飲んでてさ、おい “なんで? ココに上野が居るんだよ!”』



【バレちゃった?】

【キャー―――アアア!!!】



『しかも? 岡本、何処へやったんだよ!』

『“僕の代わりにあっちに言ってもらったよ!” もう直ぐ皆の記憶から

岡本さんが消えて、僕の記憶とすり替わるんだ!』

【えぇ!?】

『“3つ数えたら? すり替わるからね! 1、3おしまい。”』





 ・

 ・

 ・




『“上野君って? よく同じクラスの女の子と遊んでたよね!』

『そうだね!』

『おい、上野! 飲めよ!』

『あぁ、今日は皆で飲もうーよ!』

『あぁ、賛成! みんなで朝まで飲むぞー!』

【オーウ!】


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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