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・ニール:「回収業者」の青年。やや焼けた肌と一つに結った長めの黒髪、黒のタンクトップに海洋迷彩色のミリタリーパンツ、首には赤いスカーフを巻いている。年齢は二五歳くらいで、身長は181cm、体重は約80kg。比較的がっちりした体格で、性格は獰猛な野心家と言った感じ。この道ではかなりのベテランで格闘術の心得があるのはもちろんのこと、軽機関銃や擲弾砲

含め銃器全般を器用に扱うことができ、船や飛行機も操縦できる。卓越した身体能力と頭の回転の速さが持ち味で、何度も死地をくぐり抜けてきた。「こんなところで死んでたまるか」が口癖。戦争と海面上昇で故郷を失っている。「回収業者」で大成し安定した暮らしと自分だけの家が欲しいと思っている。


・ネモ:生体コンピューターの少女。ロボではない。身長は150cm、体重90kg(太っているわけではない)。白く美しい長髪と肌を持つ。無垢な性格で、競泳水着のような見た目の黒いボディスーツを身に着けている。脱ぐと全裸。

 宇宙戦争の次世代戦力として開発されたのち破棄され、「地上からの砲撃によって宇宙機の軌道をこの場所に誘導する」という命令のみを課された「失敗作の生体コンピューター」。その実は、「第二衛星」で次世代型開発のための実験が終わり、廃棄扱いとなって溶解処理されそうだったところを地球の工作員が爆発事故に見せかけて検体を強奪したというもの。

 地球陣営本部でのデータ収集を終え、現在は到達不能極「ポイント・ネモ」において廃棄・退役宇宙機の再突入支援を行っている。また、攻撃してくる「第二衛星」と「月」の勢力からこの地点を防衛するようにも司令を受けている。(他の場所に宇宙機が落下したりすると、復興の妨げになりかねないため。)

人間を超越した身体能力・戦闘能力を持ち、生体コンピューターというだけあって計算力・記憶力も申し分ない。しかし、ニールが行う「意味のない行動」に関しては疑問を持つ。

ニールと出会い、生活をともにするうちに、「人間的な考え方」の側面を持ち始める。


・ネモの銃:90mm砲弾を使用する巨大な対空・体物狙撃砲。作動方式は電磁式で、動力は砲弾後部のバッテリーによって充電して発射する。弾種は徹甲弾で、タングステン合金の弾芯と炸薬からなる。

 発射プロセスは、装填→照準→充電→安全装置解除→臨界→誤差修正→発射→誘導、といった感じ。通常は発射後直ちに排熱・排莢(空バッテリー)・砲身冷却を行うが、冷却を行わなくても数発は連射が可能。宇宙戦闘機程度であれば一発の命中で破壊が可能なため、連射することはあまり無い。


・ネモが「失敗作」と評される理由:生体コンピューターとは、「人間程度の大きさながら優れた演算能力を持ち、意思を持たず命令に従順、かつ人間用の兵器を問題なく扱うことが出来る」ということを目標に開発されていた。ネモが「失敗作」と評されているのは、演算能力を高い水準で持たせた偶発的な弊害で、「意思」が発現してしまったことによる。

 これは、「戦闘用で命令に従順なもの」として考えれば不安要素がついた失敗作となるが、現場における臨機応変な判断や撹乱・陽動を認識・また相手の行動パターンを予測して裏をかく、という「人間らしい」戦術・戦略の捉え方であればその能力は「意思のない成功作」を

凌駕しうることになる。

・ユーリイ:回収業者「アンカー」幹部の青年。年齢は二一歳くらい。明るくお調子者で、

金を無駄遣いする傾向にある。射撃が得意なことを知ったニールがスカウトした。頭は良くないが欲望に忠実なため、回収業者のような危険な仕事も平気でこなす。

 ニールと最も付き合いが長く、兄弟のような関係。


・リサ:回収業者「アンカー」幹部の少女。年齢は一四歳くらい。ニールやユーリイに比べると幼いが、頭がよく機転が利く。機械いじりが好きで当初はおとなしかったが、アンカーのメンバーに心を開いてよく喋るようになった。幼少期、故郷が第二衛星の襲撃を受け、両親を目の前で失った過去がある。ユーリイに比べると欲深くはなく、むしろ慎重派。

 ニールのリーダーシップや野心に憧れており、兄のように慕っている。


・地球軍人:地球は地球連合軍による覇権主義的な統治が行われており、独裁状態に近い。

 戦争により国家は権力を保持できないほど弱体化し、政治基盤が弱い軍は現在の体制崩壊を

恐れ、反乱分子に対して過敏になってしまっている。

・宇宙戦争:月・第二衛星・地球の間で起こっている経済対立。四度の世界大戦の後、戦勝国たちの間で月の領有権主張で争いがあり、分割領有ののちに統一されて一国家「月」となった。

第二衛星は月の領有権を得られなかった一部の国が作った巨大なスペースコロニー。

地球は両勢力と対立する姿勢ではあるが、技術的格差により劣勢を強いられている。


・月:世界大戦後、宇宙での領有権が曖昧な時期、領有権を主張した複数国家によって実効支配され、その後統一された独立国家。

 住環境構築と資源採掘や生命維持が課題となったこともあり、宇宙土木技術、建築・資源開発技術は突出しているが、地政学的優位性もあり、軍事力に関しては他に遅れを取っている。


・第二衛星:月の領有権を得られなかった一部の戦勝国が建設したスペースコロニー。

 技術者を好待遇で受け入れており、宇宙軍事力では月を凌駕している。しかし資源の調達

は地球から略奪に頼るしかなく、多量の補給物資を必要とする月へは攻めあぐねている。


・プラットフォーム:「地球」は技術水準で停滞が起き、他勢力に大きく遅れを取っている。老朽化で大戦前に運用停止となった軌道上研究プラットフォームを再生させて技術研究を行っているが、第二衛星からの攻撃をしばしば受けては破損している。


・月の宇宙戦艦:月が保有する侵攻用新兵器。主砲として、岩盤すらたやすく砕く高出力の

レーザー砲を搭載している。これらは兵器として開発されたわけではなく、本来の用途は月面開発のための掘削や工事に使用するための建設機械だった。しかし建設機械としての頑丈さは健在で、軽量・高速・高機動の対空ミサイルが命中した程度ではダメージを与えられず、高威力・低機動の対艦ミサイルなどは到達前に撃ち落とされてしまう。

 機関は核融合炉一機で、推進方式は原子力熱核ロケット推進。補助動力として液体ロケットが一六機と、船体各部に姿勢制御用のスラスターが複数搭載されている。大気圏内・惑星重力圏内から離脱するために船体中央部に巨大なリフトジェットが搭載されている。これを破壊することが出来れば推力減衰によって地上まで叩き落とすことが出来るが、前述の理由から船体中央までミサイルを到達させるのは難しい。

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