表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

「第4回下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ大賞」参加作品シリーズ

ポーカーフェイスな女神

掲載日:2022/12/30


「ああ……どうしよう……」


 震えながら呆然と立ち尽くす女の子。


「どうしたの?」


 声をかけたのは女子高生風の少女。無表情で冷たい印象はあるものの、声は優しくやわらかい。 


「あのねお姉ちゃん、おみくじ引いたんだけど、大凶だったの」  


 小さな手に乗せられた細長い紙には、たしかに朱文字で大凶と書かれていた。


「気にすること無いよ。これ以上悪いことはない、今が底っていうことだから」


「お父さんがね……お正月に帰って来れますようにってお願いしたの……だから……」


 泣き出してしまう女の子。


「もしかして……お父さんは軍人さん?」


 こくりと頷く女の子。


「わかった。私は夕那(ゆな)、お姉さんに任せて」


 そう言っておみくじを引く夕那。



「くっ……大凶!? どうなっているのこの神社は」


「凶!!」


「末吉!!」


「吉!!」


「中吉!! ふふふ、この流れ……来たわね」



「大凶!! なんでやねん!!」


 おみくじを叩きつける夕那。


「お、お姉ちゃん……ありがとう。もう良いよ?」 


「駄目、諦めたらそこで終わりだよ。未来は自分の力と意志で掴み取るものなんだから」





「はい、これ。交換してあげる」


 おみくじの山を燃やしながら、ようやく出た大吉を手渡す夕那。 


「あ、ありがとう夕那お姉ちゃん」


 ようやく笑顔が戻った女の子に夕那のポーカーフェイスも崩れる。


「うん。きっとお父さんお正月に帰ってくるよ。あ、そうだ名前聞いても良い?」


七星未来(ななほしみく)。じゃあね夕那お姉ちゃん」


 手を振りながら駆けてゆく未来。



「さて……年末大掃除といきますか」




『夕那、わかったぞ。よりにもよって新潟連隊所属……戦況を考えたら正月は無理じゃないか?』


「普通ならね。でも私たちなら……行くよエリマッキー」


『マジか……温泉楽しみにしていたのに』


 エリマッキーは、最新鋭AI搭載のマフラー型人工生命体識別名『MF109』、夕那の首に巻きつくと、翼のように広がり超音速で新潟へと飛び立つ。



 

「え? 正月、家に帰れるんですか?」


 思わぬ知らせに新潟連隊は歓喜に沸く。


「なんでも『灰色神』が降臨したらしい」


「え……? 『灰色神』ってあの? なんでまたここに?」


 『灰色神』は防衛省が誇る最強の秘密兵器、女子高生型戦闘アンドロイド識別番号『YU-NA1107』通称『夕那』、灰色髪の守護神であり破壊の女神。


「さあな? お前も小さい娘が待っているんだろ? さっさと帰る準備するぞ」


「はい!」





「ねえ、せっかくだし温泉入っていこうか」


『信じていたぞ、夕那』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ∀・)何気ない日常とSFの世界観とが楽しく繋がってますね。「エリマッキー」みたいなネーミングセンスとか「正月だから還る」とかいうひだねこさんならではのユニークなフレーズがドンドンでてきて楽…
[良い点] 未来ちゃんのお父さんが無事に帰還出来るよう、夕那さんは新潟連隊を援護したのですね。 未来は自分の力と意志で掴み取る。 未来ちゃんに語った信念を行動でキッチリ示す夕那さんは、「有言実行」とい…
[一言]  温泉の良さが解るAIとアンドロイド。  戦争が背景なのになんだかほのぼのとしますね。  灰色神なんて呼ばれていて、めちゃカッコいいです❗  ゜+.゜(´▽`人)゜+.゜  この作品はシリー…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ