みーちゃんのリスさん
「みー、あの大きなリスさんが ほしい!」
お下げが かわいい みーちゃんが、ぬいぐるみやさんで みーちゃんと おなじ 大きさの リスのぬいぐるみをギューと して、おとうさんに いいます。
「しかたがないな。 みーちゃんの たんじょうびが ちかいし、プレゼントにしよう。 てんいんさん、このぬいぐるみを ください」
「おかいあげ くださり ありがとうございます。 このぬいぐるみは 大きすぎて、ずっと うれのこっていたのですよ」
「やったあ!」
みーちゃんのおとうさんは、みーちゃんにメロメロです。
こうして 大きなリスのぬいぐるみは、みーちゃんの かぞくに なりました。
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「かわいい!」
「だいすき!」
「ギュー!」
もちかえった リスさんは みーちゃんの おへやで、みーちゃんに たくさん たくさん ギューっとされて、たいせつに されました。
いままで おみせで ギューと してくれるのは いちどだけ。 おみせにきた おきゃくさんが、ひとり いっかい していくだけ。
にかいめが なくて とても さびしかったのです。
でも、みーちゃんは たくさん してくれるのです。
それが 大きなリスのぬいぐるみは とても とても 大きな しあわせです。
でも、それをいやだと おもうぬいぐるみたちが いました。
《大きなリスが きてから、ぼくたちを みーちゃんが ギューと してくれなくなった! 大きなリスばかり ずるい!》
大きなリスの ぬいぐるみより まえから みーちゃんに たくさんギューと されていた ぬいぐるみたちです。
《なんで おまえばっかり!》
《ずるいずるい!》
《ぼくたちは おまえが きてから、あいてに されてない! みーちゃんに きらわれちゃった!》
ぬいぐるみたちが、大きなリスの ぬいぐるみに もんくを いいます。
《そんな……》
こまる大きなリスのぬいぐるみ。
だって、ギューとしてくれる みーちゃんが はなしていた から。
「ぬいぐるみさんは みんなだいすき!」
「みんなだいすき だから、ぬいぐるみの みんな おなじかず ギューって するの!」
「だから、いちばんギューが すくない 大きなリスさんに いっぱいギューするの!」
みーちゃんとの たくさんのギューは いまだけだって。
「はやく ぬいぐるみの みんなと ギューしたいなあ」
みーちゃんも、ぬいぐるみの みんなとギューしたいって きいてるから。
大きなリスも だれにも あいてにされない かなしさを しっています。
でも、みーちゃんが みーちゃんから いうと いっていたので、だまっていました。
しかし あんまり いわないでいるのも ぬいぐるみたちが かなしくなると 大きな《リス》りすは おもったのです。
大きなリスが みーちゃんとの ことを、みんなに つたえようと おもったとき。
「みんなおまたせ! みんな いっぱい ギューするよ!」
みーちゃんが、みーちゃんの おへやに 《ニッコリ》にっこりニコニコして もどってきました。