【良き相棒】
「お疲れ様です」
「・・・有難う・・・御座います」
半日ワンと組み手をしてみました、解った事は自分の体が現実の半分以下しか動かない事に、ゲームの12時間は現実の1時間で、スキルは行動によって選択肢が増えること。
初期spは5ポイントでスキルは1ポイントで交換出来ると・・・後は・・・疲れない事。
また魔力眼でMPを消費してワンに与える事が出来ること・・・まぁ自分が取得出来るスキルに制限がかかりますが。
後は・・・簡易ステータスではなく詳細ステータスが存在していたこと。
ちなみにワンのステータスは
ーーワンーー
所属:人形の森
加護:深緑の人形
職業:アシスタント
種族:人形
クラス:サポートドール
レベル:1
HP:100
MP:200
ーースキルーー
深緑コア 看破 受け流し 自動回復
同化(素材環境) 同調 武器(拳) 武術(拳)
足さばき
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に成りました、クラスは職業を変更出来たので変更した時にクラスも同時に変更されました。
選択肢はいっぱい有ったんですがね・・・消去法です。
門番ドールとか・・・門が無いし・・・
同時に憲兵ドールとか兵隊ドールとか・・・武器無いし・・・
いっぱい有ったんですよ・・・木こりドールとか、錬金術ドールとか、裁縫ドールとか、農業ドールとか・・・
取り敢えず専門のドールは道具が有りません、同時に汎用ドールも道具が有りません、道具が要らなかったドールも施設が無かったので・・・
汎用のサポートドール一択でした。
選択だけは出来るんですよ。そう・・・
出来るだけ、条件が有って門番ドールなら槍と出入口が必要で・・・
ウキウキしながら龍騎士ドールを選択して〈ドラゴンと武器とレベルが足りません〉っていうレッドテープで決定が封印されている悲しみ。
おとなしく[職業選択に戻る]を選択しました。
因みに私のステータスは・・・
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名前:【ヌル】
所属:人形の森
庇護:深緑の人形
職業:支配者
種族:魔人形
クラス:木人
レベル:1
HP:100
MP:200
SP:1
ースキルー
感知Ⅲ(緑・青・黒) 感応Ⅲ(緑・青・黒) 看破 武器(拳) 魔力眼(緑・青・黒) 一部状態異常無効 武術(拳)
足さばき 受け流し 不可視の一撃
ー特殊スキルー
クロワトコア 部位変更 樹木魔法 水魔法
闇魔法 深森魔法 深水魔法 同化(素材環境)
自動回復 同調
黒木の頭部:無し
素材:木材
黒木の胴体:無し
素材:木材
黒木の右手:無し
素材:木材
黒木の左手:無し
素材:木材
黒木の右足:無し
素材:木材
黒木の左足:無し
素材:木材
ー称号ー
三色
三つの色を手にいれた
魔なる者
闇に属する複合色を手にいれた
原初の魔人
ゲーム内で初めて魔に属した
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樹木魔法
植林
対象の場所に木を生やす
松 杉 竹 MP10
ダークウッド MP60
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水魔法
湧水
対象の場所に湧き水を出す(水脈がある場合)
消費MPで水量が変化 MP10~
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闇魔法
ダーク
暗くする
消費MPで明度が変化 MP10~
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深森魔法
吸植
対象またはエリアの植物の生命力を吸収する。
吸収は自分のMPまたは魔力が最大になるまで
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深水魔法
吸水
対象またはエリアの水の生命力を吸収する。
吸収は自分の魔力が最大になるか対象の生命力または魔力が無くなるまで。
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に成りました・・・
不可視の一撃は、同化を解除するためにワンにデコピンした時に選択可能に成りました、代償はHP10・・・
武術と足さばきはワンに私の流派の型を教えているとき選択可能になり、物覚えの良かったワンと軽く組み手した時に受け流しが選択出来るように成りました。
自動回復と同調は種族スキルのリストで良さそうなのを選びました。
同調は同じ所属の配下で、同調を持っている者に乗り移るようなスキルです、まぁレベルが低いので視覚のみですが。
自動回復は強そうでしょ?・・・
まぁ実際は、デコピンしたワンのHPが時間で回復せず、初心者ポーションを使おうとしたら〈使用不可〉の四文字が有ったので取りました。
言い訳させてください・・・他に選択肢が無かったんです。
ポーションも使えない、魔法も回復出来ない、更に周りは森で大自然以外何もない・・・
軽く詰んでませんかねぇ・・・
「マスターマスター・・・マ・ス・ター~」
「ハイハイ・・・どうしました?」
「HPが危険なのでセーフティエリアで回復しても良いですか?」
HPは・・・10か・・・ん?
「セーフティエリアって回復出来るのですか?」
「セーフティエリア内ですと戦闘スキルの選択肢が増える事は有りませんが、時間でHPとSPが回復します」
ホウホウ・・・
「良いですよ。私はちょっと実験したいので」
「有り難うございますマスター」
ワンは私から許可を取ると樹の穴の中に直立して目を閉じました。
先ずは、植林で松を選択して・・・目の前に小さな盆栽くらいの松が出来ました。
そして魔力眼を発動して成長させます、3秒くらいで二メートルですか、そしてダークで周囲200メートルの明度を全力で落とします。
薄暗いくらいに成りましたね、MPはゼロなので先ほど成長させた松に吸植を使用します、100まで回復しましたね、悪くないですねぇ
目の前にある松は葉っぱを散らし枯木に成りました。
おっと・・・私の感知が突然反応しました、正面300メートルくらい先かでしょうか、人と言うのは解ります此方に向かってきますね・・・
裸なんですがねぇ私、まぁ木人なんで少し黒いマネキンですからなんとも言えませんが、むしろ此に興奮するなら逆に危ない人なのでは?
私のお母さんの半径50メートルほどは木が無いので不意打ちは無いと考えるか、感知が初期の状態で300メートルほど有るから攻撃手段が有ると考えるか。
後者ですかね、取り敢えず同化しておきますか、もう200メートル圏内ですし。
「ワン・・・同化をしておいてください」
「かしこまりました」
ほう・・・ワンが消えましたね、同化優秀ですねぇ。
「興味深いな・・・消えた・・・のか?」
目の前の木の影からフードを被った明らかに怪しげな人が現れました。
「生体感知は働いている・・・周囲には居ると・・・」
怪しいより、危ない人なのでは?背中を汗?樹液?が伝います・・・甘いんですかね?
「モンスターか・・・プレイヤーか・・・プレイヤーなら当たりなんだがな・・・エリアサーチ」
おや?・・・あの方の足元から円形に光が拡大して行きます・・・サーチ?探索系?まぁ同化してますから大丈夫でしょう。
「反応は2つか・・・ッシ」
物凄く鮮やかの手際でローブの中からナイフが飛んできました。
同化は?見えてませんよね?真っ直ぐ私にナイフが飛んでくる・・・肩口を引き半身でやり過ごします。
「プレイヤーかねぇ・・・ふむ」
何か考えてますね、プレイヤーネームはシンさんと、看破してみますかね・・・
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名前:シン
種族:人
クラス:冒険者
レベル:11
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テッターイ・・・
私レベル1ですからね、無理ですからね。ステータスの差が有るでしょう、安直ですがスキルもいっぱい有るでしょうし、戦力10倍は不可能。
「すまない・・・攻撃は謝ろうプレイヤーなら出て来て貰えないかな?PVPの趣味はない、ただ話がしたい」
答えるべきか・・・
「位置や場所は分かっている、その上でもう一度言おう、話がしたい」
ハッタリ?では無いですね・・・こっちをしっかり見てますし。答えておくべきか・・・
「解りました、応じましょう・・・ただ少し恥ずかしいのでこのままお願いします。」
「ありがたい・・・早速だが自己紹介と行こう、僕の名前はシンだ認識出来ないから名前すら解らないので名前からお願いするよ」
「私の名前はヌルです、プレイヤーですが初心者のレベル1です、レベルの高いシンさんに私が教えられる事など無さそうですが」
シンさんは右手を顎に添えて少し考えるようにこちらを見て、納得したように顎から手を引くと私の疑問に答えてくれました。
「初心者は理解したよ、先ず前提で僕は君のその隠密系スキルが解らない、その時点で教えて貰いたいことでも有る、そもそもヌルさん?声的に女性だと思うけど・・・貴女の種族が解らない、更にサービス開始直後のワールドアナウンスの現場に居るプレイヤーだから高確率であのワールドアナウンスの当事者の可能性が高い・・・僕からしたら疑問と興味の塊だが」
「・・・言われたらそうですね・・・でも教えたら私にデメリットしか無いですよね?」
「そうだね、だから無理に聞く気は無いよあくまでも話がしたいだけだからね、勿論見返りを望むなら用意しよう・・・できる範囲だけどね」
「そこまでして知りたいのですか?」
「僕は変人なんだよね、疑問を解消すると満足感が得られる、ワールドアナウンスの後このエリアの適正レベルまで最速で来た、眠気なんて感じないほどだ」
寝てないのですか、良い意味での変態ですね・・・これは色々当たりなのでは?
「それではお願いを一つ、防具と斧に初級木工セットを要求します」
「何か街に行けない理由が有るんだね、そして姿を見せれない、防具は人型の僕に頼むから人型だね、じゃぁ僕からのお願いだ」
チロンと言う音と共にフレンド申請が飛んできました。
「僕は防具とか買いにここを離れるし、距離的問題でゲーム内で戻って来るのは明日だから現実だとお昼でしょ?そうなると食事でログアウトする可能性が有るからね、その為の連絡用だよ」
色々慣れてますね、まぁイエスですね・・・拒否する理由がない。
「有り難う、じゃぁ僕は行ってくるね、初心者ってのは本当みたいだね。スキルを開示ってのは人によったら問答無用で首を飛ばしてくるし、何らかのレアアイテムを要求するものだよ」
「そうなんですか?」
「そうだね、キャラクターの有利性が失われるからね。例えばヌルさんの今消えているスキルとか・・・こんな森の中だと知らなければ不意打ちしたい放題じゃないか」
「なるほど・・・確かにそうですね、然しシンさんの使用したエリアサーチを使えば関係ないと思いますが」
「エリアサーチは範囲がスキルレベルに依存しているし、再使用までのクールタイムも長い、更に使用した時の情報しか解らないんだよね・・・つまり今向いている方向はヌルさんをサーチした時の位置を向いているだけで、サーチ後に移動されたらもう解らないんだよね」
!!ブラフでしたか・・・いやまぁ相手の方が格上ですし、悔しくは有りませんよ・・・
悔しく無いったら無い・・・
なので私は此処から動かず睨み付けてやります。
「ハハハ・・・取り敢えず行くね、一応コールは来る前に入れるけど繋がらなかったら伝言板に入れておくね」
そう言うとシンさんは懐から短剣を取り出し足元に投げました。
「バイバ~イ」
手を振りながら足元から消えていきました。リターン系でしょうか?
取り敢えず、思わぬ出会いで光明が射しましたね、時間を確認すると現実ではもう11時前ですねお昼から約束が有るのでログアウトしましょう。