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free  作者: 操り人形
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【ログイン 三崎 勇也】


 『落ち着くのかな?』


 自分でも不思議な感じだと思う。

 自分の事なのに・・・他人事

 このAI世界「初めての年越し」家族以外とすごす新年と思うと凄く「喜んいる自分」目の前の椅子に見慣れた少し横に広い学習机。

 ゆっくりとマーカーに示された椅子が2つ。


 『一人なんだけどな』


 苦笑しながらも利き手側の椅子を引き、ゆっくりと座る「はやる気持ちを押さえれない自分」


 座ると同時に机の反対側に楕円形の姿鏡が現れた、表面は少し中心から波打っているようだ、その中心からゆっくりと角が出てくる


 『角!?』


 びっくりしている自分と「観察している自分」角は1本のようで、真っ白な髪にこちらを見つめる赤黒い顔と燃えるような赤い瞳、肩胸足と鏡の中から滑るように赤い着物を着た女性が出てきた、目を引く真っ黒い刀・・・5本?左右に2本の脇差し肩口から覗く長太刀。


 『ようこそfreeに、管理AIの紫じゃ』


 目の前の女性はfreeの何らかの管理を任される最上級AIなのだろう、入学してから幼馴染のココに連れられて結構ゲームをしたがだいたいキャラクリの時はまともに会話した記憶が少ない。

 現状だけ見ても最高峰だろう、記憶の中の最低のキャラクリはウインドウだけってのもザラだった。


 『さっそくじゃが、キャラクタークリエイトをしてもらおうかの』


 そう言うと彼女がごく自然な動作で机の上を指差すと指先から紫色の人魂のような物が机の中心に移動してきて自分のリアルアバターを形作って行く。

 目の前に赤い壁!


 『うわ!』


 とっさに赤い壁に手を突っ張るとするりとすり抜ける。


 『すまぬ儂は元々軍事戦闘AIだってのぅ・・』


 軍事AI?何でゲームの管理なんか・・・


 『こう言う事は苦手なんじゃ・・』


 『わ・・解りました、ビックリしただけですので・・・』


 赤い壁はスクリーンのようで、沢山のスクロールバーが並んでいる。


 『使い方は普通のスクリーンと同じですか?』


 『操作は変わらん。何か質問はあるかのう?』


 スクリーンじたいは赤いだけで今まで見たことのあるゲームの操作パネルと中身は一緒のようだ。


 『とりあえず操作しながらやるので大丈夫ですよ』


 『あい解った、キャラクターが出来たら鏡に向かって呼び掛けておくれ』


 そう言うと彼女は出た時と同じく頭から滑るように鏡に吸い込まれて行った。


 さて・・・触るって言うてもな・・・正直髪だけなんだよな・・今までやったゲームと同じで良いかな?

 バーを操作して耳が隠れるくらいに伸ばして、前髪も眉にかからない程度にする。

 不意にアナウンスが入る


 『ビックリさせたお詫びに一部課金項目を入れておくのぅ』


 すると一番下に「メッシュ」と項目が追加された、流石最上位AIだなと感心する自分をよそに「ウキウキした自分」が赤いメッシュを白銀の前髪に入れる。


 鏡に向かって『終わりました』 と呼び掛けると出て来たときと同じように先ほどの女性が現れる。


 『よきかな・・さてと・・種族じゃな?』


 一瞬「大丈夫かな?」と言う不安が過るが高性能な軍事AIだったと思い直し言葉を飲み込む。


 『慣れぬ事でな・・要らぬ心配をかけてすまぬな、お詫びついでに少し良い事を教えよう・・・』


 そう言うと驚愕の事実が彼女の口から語られた。


 『人と基本6種の人形に6種と人の・・間の子・・・さしずめハーフの6種に人形6種同士のハーフ30種で「基本6種はその人の体格等のデータから適合したものが選ばれる」のと異形・・狼とかの「動物系統400の内から10種」の合わせて53種が共通で選べる種族・・・そして・・・「プレイヤーの現実と仮想現実のデータに照らし会わされた無数の隠し種族から8種」の総計6Ⅰ種からリストが生成されるのじゃ』

 

 『・・・・・・・・・』


 『皆まで言わずとも良いの・・・でわ、ごゆるりと』


 そう言うと彼女は来たときと同じように「二対の腕組みをした背中」を見せ鏡の中に消えていった。


 赤いと少し落ち着かないな、と思いながらリストに目をやる。


 一番上には人種族だが・・・平均と言う書き方にピンと来た対人系のゲームで良くある書き方でプレイヤーの現実の能力そのままと言う事だ、例えば次のジャイアントの「筋力が高く」と言う事はSTRなり腕力なりゲーム無いのパラメーター的なものにプラス補正がかかり「敏捷が低い」と言う事は移動速度なりにマイナス補正がかけられると言う事だろう。


 ざっと見る限り少し特殊なのを除き妥当過ぎるくらい現実世界をベースにされている印象だ、まぁ動物になれるのは夢が有るが・・・会話出来ないとかは流石にゲームだから何とかしてくれても良いのでは?と思うところでは有るが、一番の問題は「街では警戒対象」と言う事だろうか他のプレイヤーが故意に狩ろうが街では犯罪と見られないと言う事だろうし害獣扱いで街に門番とかいても「会話不可能」と言う事はプレイヤーではなく害獣として処理されるのだろう。


 さてはて・・・悩ましいな・・・蜘蛛人種か・・・

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