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free  作者: 操り人形
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【頭打ち】



 「レベル20に成りましたね」

 「ヌルは実質30だがな」

 「表示は20ですよ」


 レベル10でクラスチェンジ・・・

 このゲームと私の種族だと進化ですね。


 進化は一定レベルになるとレベルが一段階リセットされて上位のクラスに成れると言う人型の以外のクラスルールです、こう見ると人型が不利に見えるかも知れませんがシンの話では人型の利点はクラスを変更して補正値を変えることが出来ることらしいです。


 魔物型の利点は進化によるSPと魔物型の多彩なスキルでの

個人戦、人型の利点はクラス変更による多才性と万能性で集団戦が得意みたいです。


 勿論例外は居るらしくシンが知る限り数名でその内一人が私らしく彼いわく『魔神型』だそうです。


 「他に呼び方無いだろうが・・・そもそも魔人型は人や人型の生物が変化した状態なんだ、そして非魔物型の動物型が変化すると魔物型になるってのが基本だからな、魔物種から魔物種だからな・・・俺のスキルでヌルの種族も探ったが・・・」

 

 そう言えば聞いていませんね、クラスは木人からドールに種族は人形種から魔人形種に変わってます。


 そもそも種族が変わるのは本来魔物種以外の種族が魔族種に成った場合行われる処理ですから魔物なら種族変更は無いとシンに教わりました、然し私は最初から魔物型専用のコアと言うシステム を持っていたのでそれはおかしいと抗議したら『ちょっと調べてくる』って言ってゲーム内で2日街に消えたのはビックリしました。


 「仮説の域を出ないんだが、そもそも人形種は人工種族で人形種は文字どうり人形に他者の感情や自然エネルギーが憑依して自我を獲得した種族らしく、種族としては中途半端で未完成な種族って感じだったんだ・・・ゲーム的な扱いだと半々って感じなんだよな取・・・り敢えずの結論だけど」


 「中途半端ですか・・・」


 「どちらの強いところも持ってるが、どちらの弱いところも持っている」


 「強い所はさんざん教えてもらいましたが、弱いところは教わっていませんね」


 強い所はさんざん言われました、人型の武器を自由に使える万能性能に魔物型の豊富なSPによる潤沢なスキル構成に、群れる種族ならではの統率能力と戦闘種族ならではの戦闘能力と・・・上げたらきりがないらしいです。


 「まぁ今から大事だからね、そもそも弱点は強みの反転なんだよね」

 「成る・・・程?」

 「解って無いみたいだから説明するね」


 宜しくお願いしますシン先生、因みにゲーム開始直後に見ていたあの考察の無駄に長いブログの運営者らしいです。


 「先ずは基本として種族特性としての弱点」

 「それは解りますね、私は樹木系統で灼熱系統四倍って事ですかね」

 「半分正解かな、街で情報収集した結果人形種は素材による弱点と存在による弱点が有る」

 「存在ですか?人形と言う存在と言われてもピント来ませんね」

 「そうだね、僕も軽く見ていたがこの世界では人形とは二種類有るんだ」

 「男と女みたいな感じですか?」

 「おおむね当たりかな・・・うん、つまるところカオスドール系統とホーリードール系統で生まれ方で分かれる」

 「私はドールツリーと言う樹から産まれました」

 「そうなるとカオスドール系統に属するね、そしてドールツリーとはこの世界では闇に属している植物になるそうだ・・・」

 「すみません、長くなりそうなので先ずはドールツリーから教えて貰えますか?」

 「ごめんごめん・・んー悪い癖だな・・・そうだね先ずはそれが良いかな、簡単に言うとドールツリーは周囲の魔力と怨念を集め種子を形成してその怨念を核とした人形で自分を守る樹なんだよ」

 「それは解りやすいですね、つまり私は怨念で動く悪霊って事ですね」

 「そうそう、有名所だとチャッキーとかかな」

 「成る程、理解しましたがそれが何故私の弱点に成るのですか?」

 「人形だけなら問題ないんだけど、悪霊ってなるとこの世界の聖職者が使う浄化魔法と言われる神聖系統に物凄い弱いんだ」

 「あぁ・・・言われたらそうですねぇ盲点でした・・・然しステータスにはそんな表記有りませんよ?」

 「そうだね・・・全く・・・まさしく落とし穴」


 ちょっとオーバーアクション気味に腕を広げて困った顔をしていますね、気になるので早く教えてほしい。


 「端的に言うとヌルの赤4倍ってのは実質8倍って事なんだよ、基本として樹は火で燃えるって事だろうね」

 「つまり表示されていない基本弱点として緑は赤2倍が有ると・・・」

 「呑み込みが早いね、正解だよ・・・そして悪霊系統と怨念系統が有って悪霊系統はさしずめスペクターとかの実体を持たないタイプで怨念系統はスケルトンみたいな実体を持つタイプ、ざっくり言うとプレイヤーの神聖系統はそれらのアンデット系統に特効4倍が着く」

 「つまり私も相手が持つアンデット特効に引っ掛かると」

 「街で集めた話を整理してまとめた結果だと僕はそうなると言う結論に成ったね」

 「厄介ですね、全く想像出来ませんでした」

 「まぁ僕もヌルと知り合って調べたから解るだけでこんな落とし穴が有るとは思わなかったさ」

 「落とし穴ですか・・・」

 「正しく落とし穴さ、知らずにホーリースマイトって神聖系統の技を食らうと悪ければ即死だよ」

 「悪ければですか?痛そうですが・・・」

 「実はコレも弱点なんだよ、人形種族のコアは胸の中心に有ってそこに神聖系統を叩き込まれたら問答無用で死亡なんだよ・・・例えHPが残っていてもシステムで『浄化された』判定になるんだよ」

 「ちょっと!なにシレっと重大情報を」

 「だから最悪って言ったでしょ・・・腕とか足なら『部位破損』ですむからね、落とし穴は胴体に食らうと『部位破損』でコアが機能しなくなるから実質outってね」

 「嫌・・・実質って言うか、もろにアウトですよね?」

 「エスケープスキルとか修復系で治せば大丈夫だよ、体は動かなくなるけどスキルや魔法は使えるからね」

 「体が動かない時点で死亡だと思いますが・・・」


 貫通系統でコアを撃ち抜かれたら終わりですか、確かに明確な弱点ですね。

 しかもスキル構成的に近接戦闘特化ですからね、近くに寄れないとまともに戦えない。


 「まぁまとめると・・・ヌルは遠距離で貫通性能の神聖攻撃連打したら一方的に殺れると」

 「見も蓋もない・・・」

 「更に四肢が装備判定だから武器破壊とか物体破壊スキルにめっぽう弱い」

 「アララ・・・」

 「更に更に・・・体自体が素材判定だから木材判定の今は斧で強制クリティカル」

 「ちょっと?」

 「まぁ取り敢えず弱点だね」

 「多く無いですか?」

 「魔物型の損だね、レベルアップが多くステータスが高くSPが多い反面弱点も多い」


 コレは地味に魔物型は地雷なのでは?前提としての基本を理解せずにスキルを取得したら最悪何も役にたたないキャラに成るのでは・・・


 「想像出来るかと思うけど・・・部位を鉱石系統に変更したら拳の殴り合いなんてとても出来ないよ、ガードしたら耐久値減るからね」


 「・・・・・・」


 「レベルも20だからアプデでレベル解放されないともうスキルも成長しないし弱点は理解しておこうね」


 そうなんですよね、このゲームのスキルはレベルアップと同時にスキルの更新チェックが入るので一度のレベルアップで複数上がる事は有ってもレベルアップしない限りスキルも更新されないので上がらないんですよね、つまり現状レベルカンストなのでスキルの取得は出来てもスキルレベルは1のままと。


 「現状の理解は出来たみたいだし来週の第1回イベントは大丈夫でしょ」

 「軽く言いますが内容の公開されていませんよね?楽観視出来ないのですが・・・」

 「個人的にはPVPだとは思うけど・・・」

 「その心は?」

 「基本イベントは競う物だからね、一番目に見えて順位も付けやすいってのが理由だね」

 「採取系とか生産系とか・・・討伐系とかも有り得ませんか?」

 「討伐系以外は無いかな、華が無いし」


 それは理解できますね、然しPVPだと生産系の方々は面白く無さそうですが・・・


 「生産職も上位のプレイヤーの装備を作成したって成ったら名前が売れるだろうし」

 「成る程・・・確かに」

 「まぁ内容が不明だから出来る事はやっておこうね・・・お互い」

 

 思い浮かばないですね・・・頂点スキルと言うスキルも持っていますし、支配スキルも持っていますし


 「そうだね・・・例えば質の良いアイテムや装備を揃えるとか?」

 「このエリアから出たこと無いのですがねぇ」

 「購入って言う選択肢も・・・」

 「街に行ったこと無いですね・・・」

 「・・・」

 「やはり思い浮かびませんね・・・」

 

 俗に言う頭打ちですね、キャラの強化に必要なSPはレベルが上がらないと意味がない、同時にレベルが上げれないのでステータスも伸びない。

 装備に関しては私の場合意味がない・・・正確には頂点スキルのせいで多数の武器を集めないといけないので次の週末までに学校と鍛練しながらでは間に合わない・・・


 「一つでも強い武器持っておいた方が有利だろ?」

 「その武器に目が行って思考が凝り固まるくらいなら要らないですね」

 「防具は?流石に格闘家の初期装備の胴着ってのは無しだろ・・・」

 

 胴着を馬鹿にしましたね・・・動きやすいのですよ、私としたら正装です。


 「ハハハ・・・睨まないでね」


 睨んではいませんよ、ただちょっとイラっとしただけです。

 然しもっともな意見ですね、まともな胴着を購入してきてもらいましょうか・・・


 「考えてる事丸解りなんだよな・・・そもそも胴着だろ生産者が居るのかどうかすら解らねぇよ」

 「武器系統に十文字槍とか薙刀とか有ったから有りそうですね」

 「武器系統はヌルがゲーム内で多分一番だろうから有るって言うなら有るんだろうな」

 「因みに弓系統の二次は和弓と洋弓でしたよ」

 「それは即出だな」

 「まぁ武器系統だけでも和風なのが有るので装備も居ると思いますよ、胴着だけでなく道着に袴も欲しいですね・・・正直胴着だけと言うのも寂しいですからね」

 「俺は少し色気が出て良いと思うんだがな・・・」


 この目は・・・邪な目では無いのですね、残念です・・・裸シャツみたいなものですよ?少しは欲情しても良いのでは?

 いや・・・今の私は木で出来た人形ですからねマネキンに発情されたら引きますね・・・

 いや・・・でも顔が有りますし等身大のラブドールと言う物も有るそうなのでそう考えると成人男性としては異常?


 「何か変な事考えてない?」


 失礼な・・・そもそも花の女子高生が裸シャツで目の前に居るのに発情しないって事はまさか・・・・・・


 「ちょっと・・・恐ろしい事考えて無いよね?」

 「何の事ですかね」

 「まぁ良いよ・・・取り敢えず防具だけでも買ってこようか?」

 「そうですね、では防具だけお願いします。」

 「条件は動きやすいやつで良いんだな?」

 「そうですね、基本は布装備でお願いしますね」

 「然し武器も大事だと思うんだがな」

 「木で大丈夫でしょ?補正値が有りますし」

 「武器無しで負けた俺が説明するのは罰ゲームじゃないか」


 そう言えば頂点スキルの検証で戦闘しましたねぇ・・・


 「人種はパラメーターの振り分けが出来るからステータスが解るんだよな」

 「ほう・・・それが装備と何故繋がるんですか?」

 「人種族のパラメーターは一律15だった」

 「高いのか低いのか解りませんね」

 「レベルアップで一律1ポイントの上昇と5ポイントの振り分けポイント、で5の倍数にボーナスが有って一律2ポイントの上昇と10ポイントの振り分けって感じだな」

 「私なら攻撃と速さに振りますね」

 「ヌルらしよ・・・」


 何か脳筋の扱いされました・・・


 「取り敢えず装備の話しに戻るね、初期装備の初心者シリーズって補正値が全体に10なんだよね」

 「10レベル分だと思えば大きいですが・・・」

 「初心者シリーズの次はドロップとか生産なんだが俺が確認している最大値は100だからな・・・」

 「え・・・ん?」

 「単純計算だが、ヌルの攻撃力を初期15としてレベルアップ29回ぶんとボーナス6回で最小値50で今ある初心者シリーズを装備しても60と・・・」

 「抜けませんね・・・まぁスキルで・・・」

 「頂点スキルは偉大だが相手が防御に振っていて装備で更に補強していたら・・・」

 「私が50だと仮定しますと4アクションで200ですねぇ」


 私の頂点スキルはアクション依存系なんですよね、最初の一撃は補正無しでアクションを重ねる度に基礎攻撃力がプラスされていきます。

 

 「それじゃぁ低すぎるね・・・軽装の俺でも装備込みの防御は341だ」

 「ん?でも私PVPでシンに勝ってますよ?」

 「そう言えばそうだな・・・」

 「私は自分の攻撃力知りませんからね」


 魔物型のSPはスキルポイント、人型のSPはステータスポイント。

 人型のスキルは購入とか師事とかで増やせれるみたいです、SPは使わないが魔物のような特殊スキルも無くスキルも魔物と比べると5倍くらい獲得しにくいようです。


 「そう言えばそうだね、明日でも確認するかな・・・もう23時だし明日学校だろ?」

 「後2時間くらい大丈夫ですよ」

 「ゲーム内時間で3日・・・現実時間だと6時間くらいは用意するのにかかるんだが?」

 「あれ?シンが体を張って調べてくれるのでは?」

 「絶対しない」

 「でも一番はやそうですよ?」

 「知ってるか?痛みってちゃんと感じるんだぞ」

 「知ってますよ」

 「・・・・・・」

 「何か言いたそうですね」

 「最後に痛みを感じたのは?」

 「先週末に調子こいてソロ狩りしてたときですかね」


 あれは痛かった・・・同化で消えて敵溜めて・・・ちょっと考え事してたら周り一杯の敵・・・ビックリして急に立ち上がったらちょうど上にスパイダードールが居て頭突きしてしまって・・・

 後は地獄でした見渡す限りの敵・・・まぁお陰で頂点スキルを獲得出来ましたが。


 「あれは・・・地獄だろ・・・俺は無理だ・・・」

 「悪夢でしたね、途中両足も両腕も砕けましたし武器も防具も修繕しながら使い回ししていましたが全部壊れてしまいましたからね」

 「因みに壊したパーツ数は?」

 「腕が20個と足が50個くらいですかね、ギリギリの戦いでした」

 「・・・楽しかった?」

 「勿論ですね♪」

 「やっぱりお前は異常だよ!もう寝なさい!明日用意しておくから寝なさい、いや・・・もう寝てください」


 そんなに嫌ですか・・・残念です


 「仕方無いですね、お休みなさい」

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