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free  作者: 操り人形
11/14

【】



 こんにちはマイエリア・・・ワンは何をしているのですか?嫌、そんな不思議そうな顔をされましても・・・まぁ草を抜いてるのは解るのですが・・・


 「お仕事がないんです・・・私達サポートドールはマスターのお手伝いが主な仕事なのですが、指示が無いと掃除しか出来ませんので・・・現状草抜きだけなのです」


 なるほど、良く言えば都合の良いお手伝いさん、悪く言えば指示待ち人形・・・何もないとルンバになると。


 「そう言えば今更なんですが・・・時間帯的に今この世界は夕方ですよね、然しここは薄暗い森の中って感じで昼も夜も無いですよね?この世界は昼夜の概念が無いのですか?」

 「それは此処が人形の森エリアだからです、マスターがマザードールツリーのセーフティエリアで設定をさわらない限りずっとこのままです」


 ふざけ半分でお母さんとか呼んでいましたが、まさか正真正銘の母だとは・・・然し気になる情報が有りましたね、一人しか入れないあのスペースにそんな効果が有りましたか。


 草抜き頑張ってください、私は個室に行ってきます、そんな残念そうな顔しないで下さい他に仕事も思い浮かびません。


 個室は・・・一畳くらいですね座りますか、高さは3メートルくらいですね入口は私が少しかがまないといけないので150くらいでしょう。

 取り敢えずメニューを開きますか、何やら伝言の文字が点滅してますね。

 [言われたものが準備できた、周囲でレベル上げしているからインしたらショートなり伝言なり固定なり入れてくれ]

 差出人はシンさんですね、使い方解らないのですよね・・・返信ボタンが有りますね、取り敢えずインしましたと返しておきましょう。

 同化も発動しまして、一応ワンも同化させておきましょう、モンスターと間違われて攻撃される可能性も有りますしね。

 さてと・・・本題ですね・・・メニューの中に有るのでしょうか?あぁこれですかね?マイエリアっと。


 設定は・・・外周エリアと中周エリアと中心エリアですか、中心以外は湧き有りですか・・・設定では5分と、シンさんがレベル上げて居るみたいですから30秒にしましょう、回転率速い方が良いでしょう。

 明度も有りますね、今現在困って居ないのでスルーです、中心エリアの項目は多いですね。

 

 地面の設定が有りますね現在はデフォルトと、石畳にしましょう、樹の周囲30センチくらいの所から100メートルくらい先迄が石畳に成りました、何か寂しそうなため息が聞こえましたが気のせいでしょう、草抜きから解放されるのですよ?むしろ喜んで欲しい、私なら万歳します。


 他は?壁と、茨の一択ですか・・・壁?考えたら負けですね、取り敢えず選択すると100メートルくらいに先の石畳の切れ目の所に2メートルくらいの緑の壁?が現れましたね。

 うわぁって声が聞こえますが失礼ですね、仕事が出来ましたよ、生垣の手入れです・・・茨の生垣でハサミは無いですが。

 

 

 今の情報も見れますね、無しって文字と0って数字が並んでます、住人だけ1ですね。

 一番下にレベルアップって文字が有りますね、要求はお金ですか30万マニー・・・私のお財布にはゲーム初級の3000マニーしか持っていません。

 現状コレが最大ですね、まぁ壁が有っても何を防ぐ壁か解りませんが。


 おや?正面の壁の切れ目から誰か飛び込んで来ましたね、ローブ姿でボロボロです。


 「ヌル!居るんだろ、君から返信が有った直後リポップが突然早くなった、何かしたのか?出来れば説明してくれないか嫌、むしろ死にかけたから説明を求める」

 「すみません、良かれと思って・・・」

 「よしOK何かはしたんだな、怒らないから教えてくれないか?」

 「エリアの設定で湧き設定が有ったので5分から30秒に変えました」

 

 こいつマジかって顔をしています

 ダメでした?敵イッパイの方がレベル速く上がるでしょ?


 「なるほど・・・因みに理由を聞いても?」

 「敵イッパイの方が経験値イッパイでしょ?」

 「OK良く解った、このゲームの初心者じゃなくてそもそもこう言うフルダイブ式MMOが初めてなんだな」

 「失礼な・・・オンラインの信○の野望はやりましたよ」

 「そう言う意味じゃないんだけどな・・・」

 「そんなにダメでした?」

 「そうだね、先ず此処の適正レベルが10って言うのはリポップ・・・モンスターの湧き時間ね、それが5分ってのが前提なんだよ僕もそれなりにレベルを上げて今12だけど、ここのモンスター1体倒すのにだいたい2分かかるんだよね、でだ・・・

 「・・・・・・あ」

1体倒すのに2分かかる状況で湧きが30秒になったら想像しやすくないかな?」

 「すみませんでした」


 全力土下座案件ですね相手からは見えませんが。


 「取り敢えず理解して貰えたみたいだから良いけどね」

 「多いイコール良いでは無いのですね」

 「何事も過剰は毒だよ、早速だけどアイテムを送るよ本題だからね」


 画面端に⇔マークが付きました、メニューを表示して確認するとトレードの欄にビックリマークが付いてますね、なるほど此方の枠は空白ですねお金くらい提示されると思ってましたが・・・まぁスキルを教えるのでそれで相殺ですかね、許可と。

 シンさんはっと・・・普通に立ってますね。

 さてと、装備品は初心者シリーズですか、インナー付き!スバラ

 おっと待たせてますからね、姿の確認は後でするとして流石に待たせてますので、装備してから外でマザーにデコp・・・流石に申し訳ないので地面にしましょう、私に10ダメージ来たのですが?


 「取り敢えず姿を見るのは初めてなので初めましてと言わせてもらうよ、然し・・・何をしているんだい?」


 これは呆れられてますね、まぁ突然目の前に初心者防具の新人がしゃがみこんで地面に人差し指くっつけて現れたら普通の反応でしょうね。


 「すみません、こうしないと解除できないんですよね・・・」

 「マスター・・・任意で解除できます」


 シンさんの横にワンがスーと現れました、その残念な者を見る目は確実に主に向ける目では無いですよね?

 

 「おっともう一人居たのか・・・ワンさん初めまして」

 「初めましてシンさん、サポートドールのワンです」

 「君もプレイヤーかな?」

 「イイエ私はマスターに製造されたAIです、外の人が来てくれて本当に嬉しいです」

 「・・・・・・何か凄く苦労してそうだね」

 「あのーソロソロ本題ですが、何のスキルを教えたら良いですかね?」

 「そうだね・・・もし選べれるのならスキルを限定公開して貰えると嬉しいかな」

 「限定公開ですか?」

 「そう」

 「遣り方が解りません」

 「・・・・・・」



 その後シンさんに限定公開の遣り方を教わりまた、ついでにセクシャルガードの設定とその他伝言板や個人通話の遣り方等を教わりました。


 「なるほど、スキルリストだけ送って貰ったけど興味深いスキルばかりだね」

 「そうなんですか?」

 「先ず種族スキルに魔法があるんだよね、現在魔法は色魔法が共用スキルに有るだけなんだよ。またコアも初めて見るコアだしね、そもそもコアスキルは種族名が入るんだよ・・・スライムコアとか」

 「成る程」

 「それに同化ってスキルで隠蔽していたんだろうけどゴーレムだと岩化だしスライムだと同じ同化でも看破で発見出来るんだよね、ヌルさんの場合看破で発見すら出来なかったからね」

 「同名で効果が違うのですか?」

 「そもそも別スキルじゃないかな、スライムは同化だけでヌルさんの場合(素材環境)ってあるからね」

 「ややこしいですね・・・」

 「そもそもヌルさんに看破しても頭以外はパーツの状態しか表示されないんだよねぇ」

 「状態ですか?」

 「何て言うかな・・・耐久値とか有るから一番装備品に近いかもしれないかな」

 「確かに近そうですね」

 「あくまでも仮定なんだけど、スキルリストを見てのイメージでは隠密とか暗殺とかアサシン系統って感じだね~性能の良い姿隠しに不意打ち系統の不可視の一撃って流れは完全に暗殺者」

 「使う場所が有ればなんですがね」

 「ん?有るじゃん・・・」

 「え?私、レベル1ですよ」

 「・・・」

 「そもそも出れませんよ・・・この周囲のモンスターと戦っても勝てるイメージが出来ません」

 「・・・・・・」

 「レベル差10倍ですからね単純に、流石に初心者でもそれは無謀だと思います」

 「OKヌルさん・・・もう十分だ・・・RPG初心者と今僕は理解した」

 「失礼な・・・アプリで落としたFFシリーズは私の御気に入りです」

 「君が今をときめく中高校生だと理解した、確かレトロゲーが流行ってるんだっけ」

 「一度購入すると空き時間に楽しめれますし昨今の仮想ゲームに比べて内容も軽いですし何より外出先でも出来るのが良いですね」

 「あー確かに言われたらそうだね、VRゲームはメット型とカプセル型の二種類だけど持ち運びは出来ないからね」

 「そうなんですよリアルタイム型のストラテジーやっていた時に外出先でもインしたいのに出来ないジレンマ」

 「意外と話が合うねぇ僕も同感だよ」

 「ハード会社の協定が出来て新しいハードは期待できませんしね」

 「仕方ないよVRは自分の頭の中を公開するようなものだからね、法律とか難しい大人の事情とか有るしね」

 「理解はしているのですが、やっぱり期待してしまうじゃないですか?」

 「確かにVRハード以外は年々新しいの出てるけど画質とか頭打ち感がするしね」

 「ナノチップ型の奴は端末に入れられるのですが画面でやるのならコントローラーの感触が有るレトロゲームの方が好きですね」

 「時代は巡るって言うが実際聞くと実感できるね」

 「そうなんですか?」

 「僕の学生時代はAI参入期最前線だからね思考入力最上位だし、高位AIが導入された最初の世代でも有るしね」

 「へー」

 「反応薄いね~当時は大興奮したよ国からチップが発行されて、体内に埋め込む手術をして・・・勿論いっぱい批判も有ったしニュースなんて其ばかりだったからね」

 「想像出来ませんね」

 「そうだね、充電切れとかもう死語だろうね、アンテナとか表示すらされないし」

 「アンテナですか?」

 「気になるなら調べてみなよ、まぁ当時からしたら当たり前ってのが今だと異常に見えるんだろうな」


 何か黄昏始めました、おじさん症候群ですかね?ソロソロ話題を戻しましょうかね・・・


 「ところで、話の途中でしたが・・・」

 「あぁ優秀な隠密系で森の外に行けば良いんじゃない?そうしたらレベリング出来るよね」

 「???」

 「成る程・・・重症だねそもそもここはVRなんだよ・・・見えない敵に攻撃する敵って居るのかな?」


 !!!不覚!!!確かに・・・


 「多分レトロゲームのランダムエンカしか知らないからなんだろうね・・・そもそも視覚情報に頼るモンスターは見えない時点でスルーだろうし、女性の匂いを嗅ぐのは失礼だけど種族的に植物系だから嗅覚も機能しないだろうし、音は気を付けたら大丈夫でしょ・・・熱源は流石にこんな序盤に居るとは思わないし」


 恥ずかしいですね・・・言われるまで気が付かないとか。

 取り敢えず気がついたので街に行きましょう♪みんなと合流したいですし。


 「有り難うございます、街に行ってきます」

 「うん・・・行動力は誉めるけど・・・」

 「けど?」

 「良く考えようね、見た目だけなら確かに人間だけどHPバーの外枠が赤いからヌルさんの扱いはあくまでもモンスターなんだよ」

 「でもプレイヤーですよ?」

 

 シンさんがやれやれって感じで眉間に指を添えてますね。


 「このゲームはRPGなんだよ、良くも悪くもレベルが全てなんだよ」

 「まぁ当たり前ですね、レベルが高い方がどのゲームでも有利ですもんね」

 「さぁここで問題です・・・同じレベルでも経験値が高いのは?」

 「それは簡単ですねネームドもといボスモンスターですかね」

 「はい正解・・・・・・それで何で気が付かないかね・・・」

 「何を?ですか・・・」

 「プレイヤーのモンスターは例え他のプレイヤーが討伐してもシステムではPKではなく討伐なんだよ」

 「そう・・・ですねモンスター扱いですし」

 「プレイヤーのモンスターって名前が有るからネームドなんだよね・・・」

 「まさか・・・経験値が・・・」

 「勿論高いし、遠慮の無いプレイヤーは狙って来るね」


 驚愕の事実ですね・・・プレイヤーにも経験値が設定されているとか。


 「更に不味いのは、魔物型のプレイヤーは少数で大多数が人か亜人型で人型が人型をイベントや同意無しにキルするとペナルティ・・・まぁ犯罪者に成るけど人型と魔物型は適応されないんだよね・・・モンスター型の利点は何をキルしようがペナルティは発生しないが同時にシステムにも守られない」

 「利点と言いますがそれは利点なのですか・・・法律に守られないのって最悪なのでは・・・」

 「まぁ・・・ゲームの中だけだし・・・ははは」


 確かに粘着とかセクハラとかは対応してくれるのでしょうが・・・


 「取り敢えず街に行くのは構わないんだけど僕の希望を叶えてからにして貰えないかな?」

 「あぁスキルの詳細ですね・・・どれが知りたいですか?」

 「覚えてたのね・・・実はまだ迷ってるんだよね・・・どれも気になるし知らないスキルだらけだしね」

 「どれからでも良いですよ」


 凄い勢いで頭をかき始めましたね・・・そのローブ実は蒸れるのでは?

 しばらくシンさんは頭をかいた後おもむろにローブの頭を外しました・・・赤髪で目鼻もシュっとしてて意外にイケメン?いやコレは・・・ホスト顔って感じですか爽やか系ですね髪も坊主で清潔感もします、女装も出来そう右の口下ホクロが男性だと理解しながらも何故か色気を感じさせます。


 「相談が一つ、僕も・・・いや俺も此処を拠点にしても良いかな?」

 「それは自由では?」

 「やっぱり何も理解してないね、今後俺の事はシンさんなんて呼ばず呼び捨てにしてくれ、俺もヌルと呼ぶ」

 「それは構いませんが、突然キャラ変わりすぎでは?」

 「もう遠慮しないと決めたからだよ!」

 「今まで遠慮していたのですか?」

 「当たり前だ!そもそもこんなお使いでスキルを公開するプレイヤーなんて居ないからな、それに良くて一つのスキルを知れたら良い方で普通は切り捨てられるからな」

 「あれ?切り捨てたら相手は犯罪者になるのでは?」

 「このゲームではスキルは個人情報の扱いなんだよスキルの詮索イコール敵対扱いなんだよ!喧嘩を買って返り討ちにしてもこのゲームの世界観では問題無いんだ」

 「成る程・・・然しそれだとわざわざ此処を拠点にする必要が無いのでは?私のスキルは知れる訳ですし」

 「それはな、ヌルが初心者過ぎて危険だからだ」

 「心配してくれるのですか?」

 「勘違いするなよ・・・半分はワンって言うAIが可哀想だったからだ」

 「・・・・・・」

 「そして勿体無いって思ったからだ」

 「勿体無いですか?」

 「当たり前だ、今ヌルってプレイヤーは異常な状態なんだ」

 「異常ですか?私は・・・」

 「異論は許さないよβもαも含めて最速な上始めての魔物型の魔王到達者だよ君は・・・それが異常で無いなら何が正常なんだい?魔王って王様だよ・・・」

 

 ぐうの音も出ませんね・・・正論です


 「そして僕はプロゲーマーだレベル1の君を育てて一緒に遊ぶって楽しそうじゃない?」


 あ・・・コレは逃げれませんね修行前の祖父の目です異論は許さない系・・・


 「それにヌルのためでも有るのさ、ゲームを理解せずにゲームは楽しめない」

 

 

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