22.母と息子
驚かれるほど短いです。
その数日後、カイゼル国王陛下に手を引かれ、マリアテレジア王太后陛下が牢を訪れる。
「母上、私はまだ反対です。無理をして、もし、お体に障ったら」
「しつこいですよ、カイゼル。今のお前ならわかるでしょう?
私は曾孫にまで私達の因果を負わせて……これ以上は駄目です。ましてや、もうすぐ生まれる王太子の孫にまでなんて、冗談ではありません」
「ですが、そのお身体で治癒魔法をお使いにならなくても。罪人の為に、母上がどうしてそこまでなさるのです?」
「まったく。お前は、もう少し賢い子だと思いましたけどね。いいですか?罰は罰する為だけにあるわけではないのです。悔い改めたのなら、それを認めてあげなければ罰は与えたものの罪になるのですよ」
「しかし、私はそれでも反対です」
「もうすぐ王位を息子に譲って、曾孫まで産まれようというのに、お前はまだそんな子どものようなことを」
「いいじゃないですか、幾つでも、私はあなたの子どもなのですから」
「まったく、甘えん坊は治りませんねぇ。
いいですか、カイゼル。私は治癒の魔法を持つが故に長く生きてきました。娘を失いましたが、孫を得て、曾孫までいます。アンジェリカのは無理でも、お前の曾孫、私の玄孫にはもうすぐ会えることがわかっています。
もう十分なのですよ。
最後に望むのはこれ以上、私の因果を子孫に残さない、それだけなのです」
「………………………………わかりました。
ですがそのかわり、私の為にもう少し長生きなさってください」
「本当にお前は昔から甘えん坊で……」
二人は、罪人と面会するべく、また歩み始めた。
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