表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/32

閑話 続 兄の恋

マリアが駆けていったあとの二人です



 マリアが駆けていく姿を見て、空気のように黙っていた兄のジェリスが嬉しそうに笑う。


「フフ、君もずいぶん、手厳しいね」


「あら? ジェリス様がお頼みになったはずでしてよ?」


「そうだった」


「それにマリア様は、ギールお兄様と同じなんですもの。私、ギールお兄様が大好きですの。ですから……つい力が入ってしまっただけですわ」


「そういうことか…………まぁ、それよりさ、さっきの告白はマリアにではなくて、直接、私に言って欲しかったな」


「何のお話かしら」


 先ほどまで王女然とした顔はどこへやら、その手に持つ扇がハタハタと忙しなく動く。


「“ジェリス様の元へ嫁ぐことを誇りに思いますわ” だったかな? 」


 王女の手を掴まえ、じっと彼女を見つめる。


「言葉のあやですの。マリア様を叱咤する為のあやですわ、あ・や」


「そうかい? 私としてもその方が助かるけど。

女性から先に言われるのもね」



 そう言って、王女の手を離すとジェリスが小瓶を取り出す。


「ジェリス様、それ……」


「お待たせ致しました王女殿下。

 七年前、王宮で貴女に初めてお会いした時から、私には貴女だけなのです。

 受け取っていただけますか?」


 そう言って、ようやく完成した王女の名を持つ、そのブーケの香水を差し出した。


 膝をつく彼の顔と香水瓶を、交互に見つめていた王女殿下が、年相応の笑顔と涙と共に、ジェリスの首にしがみついた。



 そんな恋人同士のやり取りをマリアは知らない。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ