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1.【改稿済】きれいな飴玉

2021.05.11現在、文章形態、内容追加、等々の改稿中です。

完結を急いだあまり、まるっと抜けているシーンがあったのと、第一部と形態がだいぶ違うなということで、全部改稿することにしました。

改稿済みの項はサブタイトルの前に【改稿済】と入れていきます。

改稿中は検索対象外にしてあります。

お読みいただいている途中の方には大変恐縮ですが、何卒、ご理解をお願いいたします。





【君には贈れない花 花公爵の懺悔】の12年後の子ども世代のお話です。

 単品で大丈夫なのかは自信がありません。


 



『───────────私誰でもいいの。

 そう言うあなたこそ、2つも歳が上なんだから、いい人早く見つけなきゃ』



 ()()()()()()

 ()()()()()()()()()()()()()()



 もう、「僕のことどう思ってる?」なんて言える勇気はなかった。




 12年も待って、まさか、あんな答えが帰ってくるなんて…………


 頭は真っ白で、まったく働かないのに体は勝手に家路を辿る。



 今でも、彼女の声と姿を思い出せるのに……


『きっれーぃ!』


 記憶の中の彼女は、僅か5センチの距離にいた。


 3歳の幼女が、若草色の瞳を煌めかせて、僕の顔を両手で挟んで押さえつけている。



『おいしそうね、あめ玉みたい。マリア、スティーのおめめがいちばんすきよ。だから───』



 たったそれだけの一言に囚われてもう12年。


 ずっと君の隣にいる為に重ねてきた努力が、虚しさの層になって僕を嗤う。



 でも、もういいんだ。

 君の未来に僕は必要ない。


 僕じゃなくていい、そう君が言ったから。



 僕は両親や彼女の親のように、愛し愛される夫婦になりたい。片方だけが愛し続けるなんて、そんな苦しい人生は嫌だ。



 だからもう、僕は君を追わない。






「サーシャ・オラクル侯爵令嬢、何をするの?」


 床に座り込んでいては、睨み付けても効果は半減かしら。


「申し訳ございません、皆様。遅刻してしまいますわね。私は普通に歩いていただけですのに、歩きながら本を読まれるような方に、言いがかりをつけられるなんて」


「何が言いがかりよ、足を出して転ばせたでしょう?」


「どなたかご覧になって?」


 取り巻き令嬢達が一斉に首を振る。


 あなたの取り巻き令嬢達が「見た」なんて言う訳ないでしょうに。


「はぁ もういいわ。時間が勿体ないもの」


 埃を払って立ち上がった私を、今度はサーシャ嬢が下から睨み付けてきた。


 あら? サーシャ嬢、意外に小さいのね

 そのせいかしら。どうもサーシャ嬢を嫌いになれないのよね。2つも年下だからかしら?


 そういえば、一応は公爵令嬢の私に、嫌がらせするなんてサーシャ様が初めてかも? 私が告げ口しちゃったら、サーシャ様のお父上が頭を下げることになってしまうのに。

 サーシャ嬢は数科目飛び級するほど優秀なはず。そんなこと、わからないはずがないわ。 それでも私に突っかかって来るのはなぜ?


 まぁ、告げ口なんてしないけど。だって、嫌がらせも大したことないし、サーシャ様、必ず、御自分だけで嫌がらせをするのだもの。


 あ、だから嫌いになれないのね。


「マリア様。今までよくも、ステファン様の婚約者の振りをしてくださったわね」


 やっぱり、下から睨まれても怖くないわ


 ん? 今、サーシャ嬢何て言ったの?


「えっと、サーシャ様、もしかしてステファンがお好きなのかしら?」


 でも、サーシャ嬢には婚約者がいたはず…………


「ま、まぁ! 何て不粋な方なの?」

「サーシャ様、行きましょう?」


 サーシャ様、真っ赤だわ。


 私を睨んだまま、取り巻きの令嬢達がサーシャ様を連れていく。



「一体、なんだったのかしら?」


 サーシャ嬢が向かった先には、ステファンがいたはずよね?

 最近、中等部でも令嬢達に囲まれているところをよく見かけるけど。

 すぐ隣にあるからって、中等部に来すぎじゃない? 何の用があるの?



 ステファン……なんだか最近、ステファンおかしいのよね。どうしてかしら?


 私とお兄様とほとんど兄弟みたいに育ってきたのに、最近、避けられている気がする。

 いいえ、気のせいよ。3人同じ『気化』と『保存』の魔法を持ってるから、幼い頃から切磋琢磨して、魔法の練習を重ねてきたのよ? 

 簡単に離れる関係ではない……はず。


 




 ステファンが婚約者を選び始めという噂を聞いた。


 そんな話が本当なら、ステファンが直接教えてくれてるはずよ


 お母様はジェスキア公爵家の養女だったから、本当は私の叔父だけど、2歳しか変わらないから、もう一人の大切なお兄様だと思ってたのに。



 噂は信じてなかったけれど、令嬢達に囲まれているステファンを見ると、自信がなくなっていく。



 きっと照れ臭くて言えなかっただけよ

 そのうち、話してくれるわ

 遠くに行くようでツラいけれど、ステファンの幸せのためだもの



 そう思ってみたものの、結局、聞こえてくる令嬢達の甲高い声に嫌気が差して、逃げてきてしまった。


 

 あのとき、足を引っ掛けられたのは、ステファンの婚約者探しに原因があるのよ。


 でも、私が婚約者のふりしてたですって?

 まったく、意味がわからないわ



 

 






しばらくは、更新が飛び飛びになるかもしれません。

こちらも完結出来るように頑張りますので、応援宜しくお願いします。





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