第11話
知春と結婚するってのも悪くないかもしれないな。私も知春も恋人はいないわけだし。知春が恋人みたいなもの?でもデートとかしたことないしなぁ。知春は本当に私のこと好きなんだろうか?
知春 「ねぇ、響華さん、今日はしない
の?」
響華 「したいの?」
知 「うん…」
響 「欲、強いね。」
知 「うん…でも……」
響 「分かってる…私を離したくないんで
しょ?遠くに行かないように…」
知 「うん…」
響 「いいよ、おいで。」
知 「響華さん…」
……はぁ、もう朝か…随分と長かったな。
知 「くぅぅ…」
響 「知春、私のことが本当に好きなの?
だったら」
ピンポーン
響 「あれ?誰?こんな早くに…」
ピンポーン
響 「はいはーい。」
?宅配便?ではないよね?誰?
瑠夏 「お久しぶりです。」
響 「お久しぶり?えっと…」
瑠 「まだここにいたんですね。会えて良
かった…」
響 「???」
瑠 「忘れました?私です。佐藤瑠夏で
す。」
響 「!?瑠夏ちゃん?!瑠夏ちゃんって
あの瑠夏ちゃん?」
瑠 「はい!」
響 「ほぇ、大きなったね。」
瑠 「10年ぶりですから。」
響 「そうだね。元気してた?」
瑠 「はい。色々とありましたけど、あ、
私こっちの大学来たんです。もしか
したら会えるかもと思って…」
響 「そう…あ、入って。お茶入れてあげ
る。」
瑠 「ありがとうございます!」
朝早く来る癖?は変わってないか。
瑠 「あれ?この人?もしかして、えっ
と?」
響 「うん、瑠夏ちゃんも会ったことある
よ。水無月知春。」
知 「うーん…」
響 「ほら、知春、起きて。」
瑠 「え…」
知 「んー…なーに、響華さん…」
瑠 「え…」
響 「瑠夏ちゃん、久しぶりに会える
よ。」
知 「瑠夏ちゃん…?私瑠夏ちゃんとはあ
んまり思い出なくて…顔もあまり覚
えてない…」
響 「その瑠夏ちゃんが来てるよ。」
知 「え?」
瑠 「おはようございます。お久しぶりで
す。」
知 「あ、お久しぶりです。」
瑠 「うわ、裸。」
あ、しまった…知春に申し訳ないことした…
響 「あ、あぁ…うん…」
瑠 「そういうこと…なんですね…」
あれ?なんか、ショック受けてる?瑠夏ちゃん?
知 「は!裸だ!響華さんにしか見せては
いけない裸なのに!」
響 「ごめん、知春。」
瑠 「……お二人は付き合ってるんです
か?」
響 「ん?それは違うよ。付き合ってはな
い。私の踏ん切りがつかないだけ
だけどね。」
瑠 「踏ん切り?」
響 「うん、知春の方からはアプローチ
されてるけどね。私がまだ決めあ
ぐねているんだ。」
瑠 「?なぜですか?」
響 「ま、色々とね。君も大人になれば
分かるよ。」
瑠 「じゃあ、付き合ってはいないんで
すか?」
響 「うん。」
瑠 「だったら、私とお付き合いしてく
れませんか?」
そういえば、まだ同性婚は認められていないんでしたっけ?いつになるんでしょうね?
時代は自由を求めている時代なので、いつかは認められるのだと思います。そのいつかが問題なんでしょうけど。