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天手力男神と神隠し(追加)

あれから何事もなく過ごせ試験も無事に終えて先輩の家で内職のバイトにはげんでいる。

「うぉーこれみろ現代の神隠しが次々と起きてるって、世界各国で興奮する」

戸波の何時もの暴走が始まり山田がつきあって淡々と論調を始める。


「この動画なんて目の前で子供が亜空間に引きずり込まれてるんだぞ」

そう言うと某有名動画サイトの動画を見せてくれる。

そこには子供を映す母親が声をかけていると突然何もない場所から黒い紐がいくつも延びて子供を絡めとると引っ張る。

母親は悲鳴と子供の名前を叫び手を伸ばすが子供は消え母親は子供がいた場所で半狂乱に手を振っていた。


「これって妖怪、それとも神様、悪霊かなデーモン閣下」

戸波が興味津々で目をクリクリさせて聞いてくるのをため息をつきながら、

「霊媒士でも坊さんでも神父でもないからわかるわけないだろ」

気にはなるが今の平穏な毎日が楽で胃を捕まれるような事が早々起きて来ないようにと思いながら内職をすべて終わらせるとバイクで小旅行に出掛けた。


国道4号線に入りバイパスを経由して宇都宮に出る。

そこからさらに進み白河で左に入って猪苗代湖の方面に走り夕方に会津若松に入ると旅館に入った。

「東京から、よういらっしゃいましたね」

旅館のおばあちゃんが出迎えてくれゆっくりする。

明日は朝イチに朝ラーメンを食べるのでと伝えて早めに寝た。


喜多方へ上がると時々行く朝ラーメンの店に行くとすでに並んでいてラーメンが好きなのか、近くに朝から開いてる店がないのかと思いながら食べると西へと奥尾瀬を目指した。

山と山との間の川沿いの道を車の流れにのって走る、奥尾瀬の手前にある村で何時ものように休憩をした。

「年々綺麗になってるなこの村、でも道端のお地蔵さんは変わらず苔むしてるな」

ほっとした気持ちになりながら食事を取って奥尾瀬経由で魚沼へ抜ける道を走る。

「相変わらず電波が届かない、事故ったら大変だ」

電波も届かない山奥のみちで車はほとんど通らず先ずは奥尾瀬の入り口に到着する。

自家用車が止まっていて尾瀬の自然を満喫するために登山客が入っていくのを横目でみながら走り続けると県境の橋に到着すると背中が震えた。


「何かあるとは思えないけど左手の山向こうか」

何かに見られているような自信過剰な気持ちになりバイクを止めると積んであったキャンプ道具を背負って分岐している小川沿いに山に向けて歩く、

なんとも言えない不思議な感じを感じながら地図を取り出して見ると山の向こうは尾瀬ヶ原であり登りながら月の輪熊が木の実を食べたあとである大きな鳥ノ巣のようなのが木ノ上に出来ていて緊張しながら登った。

木々を集めて焚き火をする。

「何だろうな、震え止まったけど」

背中の叢雲の剣はしずかにしており夕日を見ながら尾瀬の風景を眺めた。


闇が支配し満点の星空と焚き火だけが照らす。

動物の鳴き声が時々聞こえており侵入者にも敵意は見せないでいてくれるらしくそのまま寝てしまった。

何かの音で目を覚ます。

なにかが泣いているいや歌っているのか目を覚ますと眼下に白いもやが漂い青い光が周辺から集まり渦巻いていく、普通は怖いと思うはずだが暖かい感じがしておりさらに集まる。

よく見ると人や熊や鹿等の形で野を越え山を越え川を渡り集まってきており背中が暖かくなり叢雲の剣を取り出すと抜いた。


星々の光を吸収し暖かい色で光を照らし出す。

それを浴びた皆は渦巻きを巻きながら天に登っていく、哀しみもあるが色々な感情に自然と涙が流れ落ちるのを自覚しながら鞘に納めた。

「山が騒がしいと思うたらそう言うことか」

いつの間にかランタンを持った髭の老人がいつの間にか立っていて横に座ると焚き火をおこし、

「お前は息子かかわらぬな」

そう言うと黙って消えていった天を眩しそうに見ながらお茶を沸かすと黙ってコップに入れ手渡してくれた。

「この辺りは昔から静かにして欲しい者達が集まるからな、騒がしいのを好むのもおるがお遊びで呼び出したり感ずることができない者、欲に駈られた者が都会は多い寂しがるものが集まるがここは違う、昇れなかったものが集まる」

多分魂か霊のことを言っているのだと思いながら冷えた体にお茶の暖かさは染み渡りその後左手から空が紫にそして白み始めると老人は立ち上がり、

「黄昏を忘れるなと父親に言っておけ」

その老人は静かに山を降りて消えていきしばらくしてから下山した。

バイクで魚沼に出てスマホを見るとニュースで尾瀬の方面で火柱が上がるとか光の柱が等色々書いてあり見るものによって違うがこの現象が大騒ぎになり3日はテレビや新聞を飾ったがおさまりも早かった。


「そうかお前もあったか、仙人のような御老体であったろうこれでしばらくは安心とも言えぬか、黄昏、黄昏」

そう言うと行ってしまった。

先輩の家に行くと戸波はビル清掃のバイトに行っており山田は実家に戻っているらしく光一も新作ゲームで自宅から出てきてない、久しぶりに一人であの件をネットで調べると動画がアップされていておりあの色だが見ている人によって違うと言うことに気がつく、

「赤かったり緑さえなんなんだ」

自分の見たものとあまりにも解離が激しく動画さえも色が違いネットでは憶測が乱れとんでいる。

「色が違う理由、そりゃ映るか映らんかだからな」

余計わからなくなっていると戸波が帰ってきてドクターペッパーを飲みながら、

「仕事の後のドクペ、極楽極楽皆さんお元気ですか、ってほかいないんかい」

相変わらずのマイペースに力が抜けていくのを感じながら戸波が動画を横から見て、

「色が違う、邪眼のちから」

「お前が録ると桃色になりそうだな」

「いやいや、しかし心霊写真と一緒だな撮れる取れない、て言うか撮れないのも有るんじゃ」

そう言われて調べると一緒に撮ったのに全く写っていない動画もあり戸波の言うこともとさらにちからが抜ける。

「そうそう、有名人の子供ばかりだな神隠しになってるぞ」

手のひらを拳で叩く何時もの動作で言いながら横のパソコンで検索していく、

「そんなのニュースばえするのが有名人だけだろう」

「警視庁の発表、ニュースで騒いでいる有名人の数、海外もだなネラーをなめるな」

誰に言うわけでもない何時もの事で満足したらしくベットに倒れた。

「そう言えば、打ち込み今日までだぞ」

納品チェックで戸波が相変わらずなのを言うが、

「ゾンビはよみがえらず。我永遠の眠りにつく」

相変わらずの戸波に打ち込みの方が時給あたり清掃の4倍は稼げるのに気紛れさにため息をつきながら光一がいない分打ち込みがギリギリと思い始めた。

「そう言えばバイトの先輩、霊媒士のバイトもしてるんだけど色々なクライアントから依頼受けてるって神隠しもだけど」

「それって」

「本日の営業は終了いたしました。またのご来店をおまちしております」

そう言うと何時ものように電池が切れた機械のように喋らなくなり返事は帰ってこなかった。


「終わった。て言うかもう外明るいし」

戸波は全体の3割しか相変わらずしておらず半日かけて打ち込みを終えてテレビをつける。

「花に都で創作活動をしていますシンガーソングライターのMISAKIさんの一人息子が目の前から消えたとSMSでその時の状況をアップして情報を求めています」

「おっなになに」

時を同じくして起きてきた戸波はスマホでSMSを見始めうんうん言いながら何かを打ち込んでいく、

「よしと」

動画は見たいがこの時の戸波に付き合えばろくなことにならないのはわかっていたのでテレビを見続けていると目の前にスマホの画面が広がり息子を撮影しているシンガーソングライターが声をかけて子供の動きを撮っていると裂け目から腕が延び子供を引っ張る。

撮影者は何起きたのかわからないが息子の危険だけは察知して手を伸ばすが引き釣りこまれて消えてしまいその場所をいくら腕で掴もうとしても子供の腕には届いてなかった。

悲鳴と子供の名を呼ぶ母親であり自らでなければ趣味が悪いとしか言いようがない、

「すごいだろMISAKIさんの一人息子だぞ大変なんだぞ」

何を力説しているのかと思っていると、

「魔法少女ベレリクトちゃんのOPも新作の映画の主題歌もだぞ」

そこかいと思いながら朝御飯をなにしようと思っているとそのままスクロールし始める。

「息子を助けてください、お願いです。もし探していただけるならチケットも用意します」

現地の警察ではらちがあかないと言うことだろうが次の所で目が止まる。

「任せてください、私は全然ですが友人にはかなりの力を持った友人がいるので連れていきます」

戸波のアカウントで返事がされており見ている間に返事もだが見ている連中も必ず助けてくれと書き込みをしていた。

「その友人て誰の事だ」

ふりかえるとうんうん頷き肩に手をおかれて、

「任せるぞ、草薙の剣で悪をうて」

名前も違うしって、

「いやいや検討もつかない、あの現象だっていまだになのに」

「大丈夫だいじょうぶ、俺も一緒に行くし問題ないって」

どこからその自信が出てくるのかと思うが聞いてもまともな答えが出てくるはずもなく、

「あのなあパスポートお前持ってないだろ俺もだけど」

そう言うと演技の崩れ去りでひざをついて床を叩きながら、

「貧乏が憎らしいこのブルジョワめ」

どこまでが本当かわからないまま収まるまで見つめた。

「おなかがすいた、ファミレス行こうぜ」

今の話はどこ行ったと思いながらおなかがすいたのは同意して外へと出て何故か朝食をおごらされた。


「おごりのめしは美味しいな、ってそうだ」

お気楽な言葉に言いたいことも忘れてしまうが思い出したことに警戒をする。

「実はですねあの超合金が発売されることになりまして本日マニーが大変必要となります」

何時もながら無計画な思い出しに薄ら笑いしながら、

「いくら」

「誠に言いにくい3万5千円なり」

「今月のバイトの支払い先払いは全然良いけど、3万しか稼いでないよ」

しばらく考えた後手打ち、

「そんなときもあるさなのでよろしく」

黙って渡すと喜び勇んで走っていってしまった。

戻ってくるとデータを持って先輩の会社に納品に向かい帰宅した。


「この造形、この重さ素晴らしい」

戸波が子供かと言いたい表情で見ておりほっといてバイクの整備を始めているとあの画面が表れ、

「いやね、返事が来てパスポート無いですって言ったら大事になっているらしくどうしましょ」

顔をあげると超合金を持った大学生が自分がやらかしたことに何にも考えていないんだろうなと思いつつバイクに目を戻しワイヤーに油を注入していく、

「そう言うことで明日の昼にここに来いと言うので足ついでによろしく」

返事も聞かずに能天気に歩いていく戸波にため息をつきながら終わらせると自宅へと戻った。


「腹へった、もう死んでしまう」

「未だそう言えるなら問題ないでしょ」

面倒に対処するため光一に連絡を取って車出迎えに来てもらい先輩のうちに行くと有り金を全部はたいた男が冷蔵庫が空っぽに現実に耐えていたらしく第一声、しかし光一は見事にスルーでさっさと戸波を乗せるとして居場所に向かった。

「もう死ぬ、先にいってくれ」

後部座席は相変わらず騒がしく光一はため息をついて店にはいると注文をした。

「ミックスコンボ2つ」

「ビーフボウル1つ」

チェーン店の系列USAからの逆輸入でアメリカナイズされた物が食べられるが、

「うまいぞこれすばらしい」

光一も元々自宅の食事が貧素なので食べられるが戸波もかと、

「おごって食べきったのは光一と二人めだ、他は付け合わせの野菜が無理ってすごいな」

うまいと連打しておごられてうまいのか悩むところだが時間がないので急いで食べきると向かった。


「ここの駐車代高そう」

都心の一流のホテルが指定場所であり駐車代と言われて呑気な戸波に、

「お前持ちだからな、破産するぞ」

そう言うと何の脈略もなく頷き後で領収書を見せればわかって入るが気にせず入った。


「お待ちしておりました。こちらです」

何が何だかわからないが指定場所に車を止めると黒ずくめの男達が表れ囲まれると直通のエレベーターに乗せられて一番上まで上がった。

「こちらに食事の用意ができております」

食べたばっかりと言おうとしたが戸波が喜んで座り食べ始める。

「うまし、光一美味しいぞ」

空気も読まないので光一に任せて別室に入った。

「お前か」

そこには黒服の何時もの男女がおり金髪なのにかなえと言う名前を思い出す。

「ファンである腐れ縁に連れてこられただけですからあれなら帰りますよ」

「相変わらずだな、例の奥尾瀬の件も聞きたいことがあるしな」

「そうよねあんなのを見せられて惣一郎もだし」

惣一郎て言うんだと思いながら、

「あれは現場に居合わせただけですし、連れもお腹一杯で満足してるでしょうから帰ります」

そういった瞬間、奥に座っていた女性が鬼の形相で立ち上がり、

「私の大切な息子が大変なめにあっているのにその言いぐさはなんですか、ただの青年に見えますし助けはいりません」

そう言われてもっともと頷き立とうとすると、

「お待ちくださいこの者はこんな頼りなく見えますが解決の1つになると思いますので」

「こんなのだから帰ります」

惣一郎を一別して止めようとするのを振り払うと別室にいた2人を引っ張り帰宅した。


「帰る」

戸波に疲れて給料日以外はと思いながら光一に送ってもらい親父を探すが何処かに行っているのか居ずに母親も習い事で不在と言うことでバイクに乗って出掛けることにした。

バイクにまたがると後ろから叩かれ振り向くと月羽が立っており、

「何度も呼んでるのに無視とは、同窓会進んでるの」

綺麗な顔で相変わらずにらんできて怖いのだがそれを顔に出さずに、

「ヘルメットだと聞き取りづらくて、同窓会はあれからなにもしてません」

「早くみんなに会いたいんだから、そうだこれから暇だから何処かに連れていって」

そう言われてバイクの後ろと呟くと車と言われてスカイラインはあるのでおやじにメールを入れてから出発した。


「こないだ大騒ぎになったあれ絡んでるんでしょ」

そう唐突に言われてどっちだと思っていると、

「あの色々な色に」

「色々見えたんだと言うのが、見えない方が驚いたと言うか」

「そうそう、同級生が肝試しに行って大変なことになっているみたいで」

弟に続いて何でと言いたいのを飲み込み場所を聞く、

「天手力男神とか言う神様をまつっていたけど祭らなくなって廃神社になったって」

「それで肝試し、勘弁してくれないかな行かないと駄目」

検索をかけるとそれらしいにが出てきて高速で2時間は軽くかかる場所で、

「昨晩だろうし今行っても」

「いいから行くの」

その目は相変わらず怖いですと心で思いながら高速に乗る。

「良子さんはどうしてるの」

唐突に聞かれて戸惑いながらメールはしていると、

「デートもしてないの」

と微妙な顔で意気地無しと何で言われないといけないのかと思いながら高速をおりると川沿いにナビ通り進みながら昼過ぎに到着した。


「いや、無理」

到着して車を降りるように言われて思わず呟く、

「ここまで来たんだから意気地無し」

綺麗なこわい顔でにらまれたがそれを越える怒りがそこにあり長年ほっておかれたのと心霊スポットとして非礼な馬鹿者の行動に負の塊になっている。

「大きいのもだけど小さいのもそして周囲もその影響を受けていて鈍感な自分でも無理」

「無理でもこないだと変わり無いでしょ」

「比べるもない腐っても神様だし怒りが回るを苦しめてる」

精神的に感度が高いほど狂わされる状況で愚かとしか言えないしかし、

「おりなさい」

にらまれてため息をつきながら湖畔の道におりると神社に続く参道を見上げた。


「車はある」

少し先の道の脇に1台のSUVが止まっており近づいてエンジンルームをさわるが冷えており未だに上かと思いながら行きたくないが後ろから美しい顔でにらまれる恐怖ももっと怖いと仕方無しに急な階段を上ると社が見えてきた。

「神様が祭るのをやめてほっといてたから怒ってる感じがするんだけど」

うけもち様を思いだしそれに和をかけてたちの悪い感覚でこんなところに何も感じず入れる奴等を怒りたくなる。

草を掻き分けて境内に入ろうと思ったがやめると後ろから、

「ここまで来てどう煮えきらないと思われているみたいだが断じて違う、

「羽月、これ感じない」

後ろにも怖いものと言うか鈍感がと思っていると、

「わかってるこないだと同じで危険だって、でも友人が助けを求めてきたんだからいくの」

自他ともに認める頑固な幼馴染みに反論する機はなくなったが、

「その友人呼んでみて」

返事がなかったらと思い羽月の呼ぶ声に沈黙が答え顔を見合わせる。

「帰ったとか言わない車があるんだから」

境内には凝縮された人で言う感情に満ちあふれており背中も震えている。


「男でしょ」

ためらった瞬間押されて一歩踏み入れると頭痛がおこり悪意が向けられた時のと同じで歯を食い縛りながら見ると白い大蛇がこちらを見て威嚇する。

叢雲剣を抜くと頭痛はおさまり大蛇と正対し摺り足で進みながら何故か上段の構え近く、威嚇され飛びかかろうと胴体を縮めてくる。

大きく跳躍して踏み込み振り下ろす。

「あっ」

そこには何もおらず後ろからの声に振り向くと大蛇に羽月が絡み取られ苦しい表情で手を伸ばしてくる。

怒りが込み上げ切りつけようとするとあの少年が現れ首を横にふる。

「切るなと言われても」

そう言った瞬間後ろに何かがいると教えられ振り向きざま切る。

それは大きく跳躍して御堂の中に消えた。

何なんだと聞きたいけど後ろで苦しんでいる羽月がいるのでそのまま御堂へ走りより何故か光の届かぬ中へ入ろうとすると中から鎧を身に付けた手が伸びて捕まえようとする。

その腕に切りつけると、

「ギャッ」

そう叫び引っ込んでしまう、太陽の光を刀身に反射させ中を照らすが何故か届かず何かと、

「天之手力男神」

少年の言葉に光は届かないのではなくそこに岩戸が有るのかと思いながら手でさわるとそこに無いはずの何かがあり横にずらそうと思ったがびくともしないが開けなければ羽月を助けられない、

「天之手力男神を呼ぶのです。己の体に」

そう言われて心に念じると何かわからぬ衝撃と力強い声と共に動く感触が増していき開かれた。

そこには黒い鎧を身に付けた大猿と奥に誰かおり刀身で光を当てると悲鳴をあげそこらに転がっている物を次々と投げつけてきたが軽く手で払いのけ中へ入り叢雲剣ではなく素手で殴り付け大猿をぼこぼこにした。


涙目の大猿をさらにと思ったが、

「私はもう大丈夫」

そう声が聞こえ羽月が目鼻の通った怖そうだが美しい女性と入ってくる。

「その方がその猿を倒してくれたのか」

「情けないぞ双子の白龍神が、我が近くに来たから良いものの」

自分とは関係なく口が動き野太い声で言うのに驚く、

「天之手力男神感謝にたえませぬ、祭られなくなり澱んだときにこの猿が妹を捕まえ我を従わせくるしめたのです」

猿を見るとしぼんだように小さくなりおびえてこちらを見ており私の体を使い捕まえると体からひげ面の男が出てきて私に少しだけ笑うと山向こうへ去ってしまった。


「そなたに感謝と謝罪をせねばならぬな」

そう言うと姿が同じ女性が奥から出てきて妹なのか姉に抱きついて安堵する。

「友人の事を」

羽月に言われて聞いてみると、

「そちたちの話で言う神隠しじゃな、猿も長生き下等だが神の端くれに名を連ねてきた、来る人間で影響を受けやすいのを神の世界との合間にある所に迷わせ精神的にもだが肉体的にも付け入れればしたい放題」

「肉体的って」

「直接には精神の隙間に入り込む下等は特にな、そしてそこへつれていき惑わせ心あらずにすれば人形となろう」

「友人が居るんです助け出すには」

「何でそんな必要が、勝手に礼節もなく入り込んできて自業自得ではないか」

ごもっともと言いたいが羽月から何を言われるかわからず、

「行ける方法と帰る方法を」

少しだけ考え、

「行くが良いが帰るはこの時代ではない可能性が高いぞ、それでも良いのだな」

それって浦島太郎とか言う帰ったら誰も知らない時代に戻されるとリスクが大きすぎる。

「困った友人を助けるのは当たり前、それができるんだから」

頑固ですよ神様がそう言ってるのに説得は無理かと白龍神様を見ると、

「お面を、狐の面と塩そして団子を持ってこい、急がなくても中は時はたたぬ」

そう言われて言いたいのを我慢している羽月を連れて一度戻った。


「いかなくて正解だと思うが」

良子さんに会ってうけもち様に聞いてみるとやはりそう答える。

「その方簡単に言うがもしすぐに戻ってこれないときどう責任をとる」

良子の姿のうけもち様が羽月をにらみこちらを見る。

「責任は戻ってこれなかったときはそのとき考えてできる限りの責任を取ります」

できる限りの責任ってどうするんだ思いながらうけもち様が私をみて、

「人が良いのも考えものだぞ」

そう言うと狐の面を3つを渡してくれる。

「私も行くぞ」

やっぱりそうなるのかと思いながら来週末に集合と言うことになり解散した。

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