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農村(改)

あれからしばらくは静かに生活ができてほっとしながら自宅を出ると、

「同窓会進んでるの」

この声はと背中に汗を感じながら振り返り、

「忙しくて間だ連絡してない」

幼馴染みの山県月羽であり誰もが振り向く美しさだが、

「楽しみにしてるんだから早くしてね、連絡はポストに手紙入れておいて」

何時ものように言うだけ言うと行ってしまい相変わらず怖いと、小学校の同窓会は自分が幹事をしているのでため息をつきながらスマホで同級生に連絡を取った。

「お久しぶり元気、連絡と言うことは」

「です。3か月後の土曜日の夕方でいいかな」

月羽の親友である三神に先ずは女子の連絡をたのむ、

「相変わらず顎で使われてるわね、好きなのを逆手にとられてやり取りは手紙とか告白して玉砕してその扱い同情するよ」

ずけずけと物言う三神に顔をひきつらせながら男子の同級生に連絡をまわしたのだった。


光一と先輩の家に向かい何時ものように打ち込みの作業をする。

早々に終わらせた光一はゲーム機を持ってきており私が打ち込みを終えるとコントローラーを渡してきて協力プレーのゲームを始める。

3Dのゲームでお荷物でしかない私に何も言わずにどんどんクリアーしていく光一、

「酔った、はきそう」

何時もの様に画面酔いをして起きてきた山田にコントローラーを渡して床に倒れた。

「何々、生きる屍発見」

戸波がおきてくると人を何かと勘違いしているのか棒で突っつく、

「もうなんでもして気持ち悪い」

しばらくすればおさまるだろうと思ったが戸波は何かツボに入ったのかやめずに突っついていると山田がコントローラーを渡して食事の用意をした。


「帰るわ」

同窓会の件で連絡がつかない同級生に母親のネットワークで連絡をとってもらうのに自宅へ戻る。

親父が何処に居るのかわからないが母親は気にせずにマイペースで自分の趣味をしており、近所のおばちゃん達が何時もの様に集まって木彫りをしている。

「あら息子帰ってきたわよ」

次々にこえをかけられ苦笑いで用事を頼みあわてて外に出た。


「どこか気晴らしに出掛けるかな」

もう夕暮れ迫る空をみて山にでも走りにとおもっていると、

「ひま、車だしてはやく、急いでるんだから」

背筋に汗が流れるのを自覚しながら振り向くと月羽が慌てているのかこちらにやって来て綺麗な顔を近づけて鼓動が早くなる。

「車って親父が」

うちの車庫を見ると親父の好きなスカイラインが無い、

「うちのBMWでもいいから」

「ぶつけたらだし、月羽の親父さん怖いし」

「両親は旅行でいないの、ぐじぐじ腐ったように言わない」

怒りに押しきられてしまったところへ電話がなった。


「お久しぶりです」

生真面目な話し方の声は良子さんで何かと思うと、

「うけもち様が行くなと言っておられます」

何処にいくかも知っている口調で月羽に理由を聞くと、

「弟が学校の行事で農業体験に一昨日から行ってるんだけど何かあったらしく助けを求めてきてそのあと連絡がとれないの」

場所を聞くと福島の山の中でそれを伝えると、

「いかないとダメなんですね、わかりました私も行くので待っていてください」

そう言われて切れてしまい月羽の誰よと詰め寄られ、

「親父の親戚のお孫さん、色々あってべつに何かあった訳じゃないし」

何でこんな言い訳をしているんだと思いながら良子が到着した。


「G550」

ベンツかよと思いながら、

「お父様の借りてきたの、何か言いたそうだったけどおばあさまが行ってらっしゃいと」

顔的にはきつそうだがとなりの方よりは数倍優しいと言えば、気を取り直して助手席にと思っていると月羽に追い出されて後部座席に座ることになり不穏な空気になるのを恐れた。


首都高そして東北道で北へと向かう、最初はお互い探りあいだが走ってる途中で何故か意気投合したのか、

「後ろで話すから運転お願いしますね」

SAで休憩をとってから運転をしてしおりの場所をナビで走る。

「もうそろそろ到着なんだけど、コンビニもない集落だね」

地図を見ながら言うと良子は黙りこみ下を向くと、

「ここに本当に入るつもりか、命を落とすやも知れぬと言うのにか」

声の質がかわり私は、

「うけもち様気にかけていただきありがとうございます」

「途中に神社があったろう、そこにむかえ」

手前の町にそこそこ大きい神社があったのを思いだし一度戻る。

「これって」

月羽が聞いてくるので良子にはうけもち様と言う神様がおり今回の件がかなり不味いのか助けてくれると言うことを説明しながら神社に入り電気がついていた社屋を訪ねた。

「上の集落の、何やら落ち着かないと思われましたが、それと後ろの方は」

良子をみて頭を下げると、

「すまぬな、この者達を守るためのを出してくれ」

神主さんは御札をいくつか持たせてくれ礼を言うと、

「上には3つの怨念があります。気を付けてください」

話を聞きたかったが月羽の早くと言う目線に車を走らせた。


「そこのところを越えれば何があってもおかしくないぞ」

そう言うとうけもち様は引っ込み良子がもとに戻った。

「弟って何処に居るのかな、わかれて各家に泊まってるんでしょ」

「わからないなら聞けばいいでしょ」

そうなんだけど夜なので外灯もなく家も何故か明かりは見えない、

「聞けってライトを上向きしても畑と木しか見えない、と言うかなんか太鼓を叩く音聞こえないかな、あと遠吠え」

何処からともなく聞こえてきて気持ち悪さを増長させておりどうするかと思っていると、

「あそこスマートフォンの光」

月羽の示した先にLEDの鋭い光が見えたので車を向けた。


「到着、誰か出てきてもいいのにな」

正面玄関をハイビームで浮かび上がらせたが誰も出てこないので車をおりた。

「夜分ごめんください」

玄関は閉められており沈黙をしていると中から小声で、

「光を消してくれ頼む」

車のエンジンを止めてライトを消すとようやく扉が少しだけ開き中から目だけが左右に泳ぎ開かれる。

「早く入ってくれ」

私達3人が入ると扉は閉じられ暗闇の中居間に通された。


「山誰が光に引き寄せられて来るのでな」

この老人は集落の長であり説明をする。

「この先にあった集落でのこと、江戸時代から明治に入った頃に政府と幕府の戦いがありその中で功を焦った政府が関係ない村人を全て命を奪い遺体を井戸に捨てた」

「その為怨みに思う集落の者達がはいかいして近づく者を襲うことになりたまたま居合わせた修行僧に封印をしていただいたのだが学生さんが肝試しといって封印を解いてしまったのだ」

苦渋の顔をしている長に同情をする。

「途中で聞いた遠吠えと太鼓の音は」

そう言うと驚き2階へかけあがりどうやらホームステイしている生徒に聞いた。


「神社と廃屋にも別のグループが行ったけど、いいかげん部屋からでてもいいですか」

やらかした自覚がない高校生に長は絶望して怒りもせずに居間へ戻った。

「この村はおしまいじゃ、3つの祟りを」

そう言って崩れさる長に詳細を聞くと、

「神社は破れた武将の霊を慰めるために建立されましたが、騙し討ちにあい政府もですが村人も恨んでいると言うのを聞いております」

「廃屋は集落の外れにあり、そこの息子が学生さんと同じように肝試しをして慰霊の石碑を倒してしまし一家は1週間の間に狂いお互いを刺したんですが、わしらが気がつくまで生きておったのです。助けようとしたじい様連中を次々と襲い食らって、軍が内密に動いたくらいですじゃ」

「建物は板で囲い神社の神主さんに封印をしてもらったのです」


そんな話をしていると不意に悲鳴が外からあがり誰かが襲われていると、月羽が動こうとしているのを良子が、

「さっきから言っておろうお前の弟は結界を張ったからしばらくはもつと」

それで何も言わずにと言うことだったのかと納得しながらもどうするかと思っていると2階の学生が降りてくると、

「使えねえじじいどもなんか当てにできるか、俺達で助けにいく」

そう捨てぜりふを言うと止めるまもなく出ていった。

「長、道案内をしてもらえませんか、我々といれば最悪は防げると思いますから」

そう言うと長は迷ったが奥さんは良子に何かを感じたのか二つ返事で準備をしてベンツに乗り込んだ。


「先ずは弟を」

「それよりも最低限の結界をしないと塩を多量に用意してください」

良子に言われ塩なら祭事のが有ると村の倉庫へ向かう、

「ありゃなんじゃ」

ハイビームで照らされた道の先に何かがいるのが見えるが何かまではわからずにいると、

「何をしておるその方ので照らし出せよう」

良子の声ではないうけもち様の声がして天叢雲剣を指差したので車からおりてハイビームの光を背に剣を抜区と光が吸収され続けて全方位に照射される。

悲鳴と言うか金切り声があがり照らし出された場所にいた黒くうごめくものは蒸発していき、光が届かない向こう側の闇でうごめいていた。

「うじ虫どもじゃ、生を憎み引きずり込もうとする」

どのくらいがうごめいているのかわからないが見えない場所でうごめいているそれに恐れを少しだけいだいた。

私はかかげながら歩き始めその後ろを月羽が運転をしてついてくる。

「悲鳴の原因か」

目の前に高校生が現れ光に照らし出されるとその後ろでうごめくものが隠れながらけしかけるとこちらに走ってきた。

「これを」

月羽が何かを投げてきたので受けとると御札でありそれを持ち襲いかかる学生の顔に押し付けるとその後ろのが苦悶の表情で肉体から離れようとしたのを串刺しにして消滅させ学生を抱えた。


学生は白目をむいて泡を吹いているがそれどころではないので車の後ろに放り込む、

「その右の建物、鍵はポストに入っておる」

長からの言葉に頷きながら鍵を取って倉庫の中へと入った。

塩の袋を見つけて二つ担いで出ると良子であるうけもち様が車の上で周囲を見下ろしており私を見て、

「全てが御互いを狂わせからめ暴走をしておる。結界を張ってもなごうはもつまい」

「根本的に排除をしてみれば」

「もう遅い、どんどん土地が汚されておが土地の氏神も逃げ出し始めておる」

良子と共にいるうけもち様はあっさりと言うと良子に戻り塩を山のように盛って四方においた。


「人々をここに急いで集合させてください」

良子の言葉に長はあわてて広場の端にある火事などを知らせる鐘楼に登り鳴らし始めた。

「奴等も動き出したぞ、照らしたまえ」

天叢雲剣を再度かざすとこちらへ必死に逃げてくる村人や高校生が走ってきている。

「飲み込まれそうな人もいれば飲み込まれそうになり弾かれている人もいる」

闇に呑み込まれていくのにも違いがあり年寄りは呑み込まれている中を出てきたりしているのをうけもち様に聞くと、

「神仏に家族も含めどれだけ礼を尽くしているかの違いだ」

年寄りは特に毎日神社にお参りをしていたり家に神棚を祭っており氏神と言う土着の神様を祭っておりそれに助けられていると、

「七五三などは本来氏神に新たにもうけた生命を紹介すると言うもの、向こうの神様で言う洗礼と言うものみとぃじゃな」

良子の知識からの言葉なのかそう言うことなんだと納得しながら、

「しかし光を当てているはずなのに消えずに迫ってきてるような」

「当たり前であろう人工の光、その物がなければ何の意味もなさぬ」

次々と集まる人々、悲鳴も声も出せずに血の気の引いた顔で原因である高校生を見つめている。

「なんなんだよこれ」

最初に会った高校生は不思議と無事であり何故だと思うと、

「その者の祖母が神仏の祭りを欠かさず行い守護霊としてついておるだけ、本人はあれだがな」

そんなことを言っていると月羽の弟、直哉が息切れをしながら入ってくると、

「姉貴、皆が」

そう言うやいなや月羽は弟を抱きしめ無事を確認していた。


「ここからは運でしかないよ、全てを何とかしようなんぞ傲慢な人の欲だからね」

ライトから反射した光は闇に吸い込まれていき一角で悲鳴が上がる。

「塩が黒くなっていきます」

大きく盛られた白い塩が何故か変化して闇を吸い込むように徐々に黒くなりつつあった。

「闇から覗かれてる感じ」

月羽の言葉に気持ち悪さが吐き気と共に頭痛がしてきており、

「気を抜くんじゃないよ、色々なものが集まってきて中に入ろうとしているからね」

小さいときから喜怒哀楽の瞬間、頭がいたくなったのはこれなのかと思いながら天叢雲剣に意識を集中すると動物の鳴き声と共に消えていく、

「早くここから抜け出さないと」

「遅いよ、麓へ通じる道はふさがれているようだよ」

「じゃあどうすれば」

「自分達がしてきた結果、愚かな人の子、無知は罪」

そう言うと学生達は倉庫に逃げこみ扉を閉め驚いた村人が開けろと言うが怒鳴って拒否をしておりその感情がさらに周囲を悪化させていた。


「そうじゃ、竜蛇の道じゃ」

不意に長が言いさらに、

「封印していただいた氏神をお連れした古い道じゃ」

地図にも無い道であり川沿いに下る道で廃道となっていると言うので逃げてきた時乗ってきた軽トラックに人を乗せ私たちはG550で先頭を走ることとなる。

私がハンドルを握ることになり長の指示で広場を飛び出すと、薄く見えるトンネルのような状態の舗装されていない道を走る。

「この壁目がある」

トンネルではなく怨霊の塊の中を通り抜ける。

「外側のタイヤ半分しかのってない、道狭い」

軽なら幅はあるがG550はギリギリ以下であり左手は崖、右は川で右に落ちそうになりながらも速度を落とすなと良子に言われ崖に当てながら曲がり怒られるなと思い接触音を聞きながら神社の手前の道へ出ることができた。


「気をゆるめるでないぞ」

車を停めると境内に入り込み神主さんが待っており御焚きを行っており闇がかかると境内にある巨大な銀杏木が大きく震え始める。

「かかげるのだ」

うけもち様に言われて抜くと御焚きの火が大きく膨らみ参道の両脇の火に強いはずの銀杏の巨木が火柱となり襲いかかる闇を呑み込もうとしていた。

強く強烈な炎に熱いはずが暖かさも感じ村人はいつの間にか神主と祈っており気がつくと太陽は天高くなり闇は燃え尽きた銀杏の巨木と共にきえていった。


「準備していて良かったです。言い伝えで炎を銀杏の木の力を借りて退けろと」

銀杏の木に宿りし物が力を貸してくれるという言い伝えでありうけもち様が表れて神主さんは思い出したらしく総出で準備をしたと言うことだった。

「しかし、根本的に原因を何とかしないとと言うことでしょう」

村のある山の方を見上げながら厳しい顔をしていると携帯がなる。

「相変わらず無茶だな、まあ無事だったから良しとするが」

これの何処が良しだよと思いながらもおやじの声にほっとしたが、

「俺も今忙しくてな、中国地方の過疎の神社の氏神が長年放置されて暴れてな、そっちと同じで手がつけられないから適当に頼むわ」

何か有効な知恵でもと言おうとしたが直ぐに切れてしまい後は通じなくなった。

「くそじじいめ、こんな状態を」

と叫ぶ途中で良子や月羽がいる前なのでため息にかえうけもち様に聞いた。


「なんと心得るか、情けなやこの様なことで迷うとは、そもそもそんなに簡単に抜くことができたのを何と心得る」

良子の美しい顔に眉を寄せ目が狐のように細く切れあがる。

「徳が上がったとはおやじ見てると言えないし、無心でもない」

「はがゆかしきこと、守りたいと思っておるからじゃろうて、わらわに願いにくるは金もあるが大切な者を守りたい授かった者を守りたいと思うておる」

いつの間にかうけもち様は私の目の前にたち私の中を見るようにして、

「神主の様に神を祭れとは言わぬ、己れの気持ちを真っ直ぐ見て思うそうすれば道は開く」

神様ってこんなのなのか、と思ったが迷いを消して村に戻ることにした。


「何故そんな顔をする。うけもち様に関係なく一緒に行くと最初から言いましたから」

良子の言葉に感謝するが、

「この中に居てくれれば安心できるからおもいっきり戦える」

「ならついていっても問題はないのでしょう、いきますね」

口許がゆるみそうになるのを必死に押さえながら本殿ですることをして向かおうと振り向くと月羽が黙ってみているので、

「弟が助かって良かったね、安心してここにいといて」

そう言うと美しい顔が般若に一瞬見えながら黙って行ってしまった。

「ほんに知らぬは本人か」

後ろからの声にどうしたら良かったんだと思いながら本殿に上がり天叢雲剣を前に置いて祝詞を唱えると昔祖父がやっていた舞を思い出しながら行い向かうことになった。


「お腹すいてるでしょ」

炊き出しが行われおむすびが配られており月羽が私におむすびを渡し良子に気を付けてねと言うのを横目で見ながらおむすびを食べた。

「辛い、わさび漬けかこれ」

鼻につんと来る刺激に水をと思ったが目の前に差し出されておりあわてて飲み干す。

「何も考えずに食べるから良子さんをしっかり守りなさい、いいわね」

それだけ言うと背中を叩かれながら借りたWR400Fで村へと戻った。


「生きている」

村の広場にまずは到着すると倉庫から学生が出ており息はしているが、

「守られたと言いたいが精神が持たぬ」

直接はなかったが見えない恐怖に精神が壊れてしまった様でそのままにしながら元凶となった場所をまわる。

「ここにはおらぬ、どうするか」

高校生が封印を解いたあとがあるが中はもぬけの殻、あの銀杏で燃え尽きたかとも考えられずに村で一番古い旧家、長に聞いた本家の家に向かった。


茅葺きの立派な見たこともない大きな家であの感覚の他に何かどす黒い怨念のようなのが感じ取れ鳥肌がたつ、

「誰でも怖いと言うものだが逃げるとは別」

良子からの声は良子に近いがうけもち様の言葉であり危険が大きいと思いながら大きな門をくぐり母屋の前に立った。

「頭がいたい」

中の物のエネルギーをまともに受けてしまい天叢雲剣を抜き払う、

「隠して何になろうか、」

その言葉に迷いを捨て母屋へ向かうと鬼かと言う怨みの念を見る者の心臓をわしずかみするような程の圧迫を与えながら刀を抜いて襲いかかってきた。

「逃げ出したいけどそうもいかない、真剣での斬り合いなんて」

ギリギリを避け足裁きで剣先をかわしながら手首や喉そして胴を突き切り裂く、剣道や居合いはあくまで1対1の技術を昇華させたもので合戦では別のものだがこの場合は優位に働く、

「能楽者かお主は、ねすみの様に動き回りおって」

怒りで押し潰されそうになり後ろへ飛び退いて悪意を受け流し飛びかかる武将の喉に突きをいれる。

悲鳴ともにつかぬ声を一瞬あげたが沈黙してこちらを見ながら消えていく、解放された安堵なのかわからないが学生達の悪戯で呼び起こされた結果であり最後に悲しい顔をしながら消滅した

「これで終わったわけではないよね、もう朝焼けで空が明るくなって良いはずなのに」

5時過ぎており本来は紫色の空が広がるはずが嵐のように黒いもやが立ち込めている。

「大元をなんとかだがそれでも無理と言うものだ1人ではな」

うけもちさまの言葉に頷きバイクで神社まで戻った。


父親から連絡を受けたのだろうあの黒のSUVが神社の前に止まっておりあの男女が私を見てこちらに来る。

「状況は」

「武将は浄化しましたけど後の2つがもう絡み合うようにしていて手がつけられないので戻って来ました」

「封印されたものとその災いを受けた者同士のと言うわけだな」

スマホを取り出すと連絡をする。

「ええ、場所は北緯」

どうやら廃屋と封印されている神社を空爆すると言う日本ではあり得ない事を話しており親父の関係は何でこう無茶をと思っていると、

「それでも何とか出来ないならそこを先ずは破壊して全てを出させてから封印が一番だからね」

あの美しい金髪の女性が横から声をかけてきて凍りつく、

「雑魚を片付けてから大元を封印するなりと言うわけ」

色々話してたけどその色気に毒気を抜かれ月羽に足を踏みつけられるまでフリーズしていた。

きっちり2時間後ジェット機の音が聞こえ低空を2機のFー2戦闘機が頭上を通りすぎあの峠の向こうにいくつもの爆弾らしきものを投下する。

そのまま旋回して離脱した瞬間、振動が起きて爆発して終わったのかと思っていると、

「ちっ、しぶとい規模が大きすぎるんだ全体を焼き払わないと」

そう言うとスマホを取り出して連絡し始めたので、

「未だあの村には学生が」

「もう生きてはいまい、生きていても精神が崩壊してしまっている」

「しかし彼らはそこにいるんです」

舌打ちしながらスマホで連絡を取り、

「でどこなんだ」

そう言われてネットでマップを開くと村長に倉庫の場所を教えてもらい座標を知らせた。

「その座標から半径300mには落とすな、いいな絶対だ」

そう言いきり例を言うとパイロットに言えと言いながら何処かに連絡をしていた。


「今度は8機、すごいな」

きれいな編隊を組んで村へと飛び去り爆弾を落とすと戻っていった。

「ついてこい」

そう言われてSUVの後部座席に乗り込むその横に当然のように良子が座り私たちをちらりと見て発進させる。

通常の道にあの黒いのは消えており村に入っても姿が見えなかったが建物は綺麗に跡形もなく焼き払われたようで草木1本生えていない状況に驚く、

「熱と光で焼き払ったからな、倉庫の中も酸欠で意識はなくなっているだろう」

村長に聞いていた廃屋に先ずは向かう、獣道みたいなものだがこの車両はそんな事ものともせず突き進み村からさらに山に入った集落に到着した。


「かなえ頼む」

金髪なのにかなえって言う名前なんだと思いながら車からおりると鞄からかなえさんが銅鏡を取り出してかかげる。

太陽の光を収束した瞬間光が乱反射をして建物を照らすと金切声と共に猿が現れる。

「大きいけど猿にしては違和感が」

「あれはもともと人じゃな、あれを殺めた者にのりうつる厄介な者」

「それなら災いも防げよう、気を操るのじゃ線でな」

天叢雲剣をうけもち様が見て言うのでゆっくりと進み出ながら胆力に力をいれコイ口をきりながら居合いの要領で目の前を切る。

刃先から何か伸びている感覚がありそれが建物の陰にいる大猿を両断して鞘に納めた。

「流石に無理かな」

そう思っていると建物は何ともないが猿からは何かの煙が不意にこちらへ飛んでくるのを天叢雲剣を抜いて太陽を反射させると気持ち悪くなる声と共に消滅した。

「火をかけるぞ」

そう言うと読経を始め私も声に合わせて唱え終えた。

「残りは闇にうごめく者だな」

山をおりて村の反対側にある神社に到着するとその後ろの管理されて日当たりがよいはずの森が何故か暗く光を通さない、

「光を二人で当てろ」

そう言われて太陽との角度を調整してその光が闇へと到達した。


「ギャー」

悲鳴が上がり夜に照らし出された人らしきものが光に照らし出されて蒸発する。

「土地由来じゃない、神社で力を封印していたのを解いたなバカ学生が」

その闇にどれだけがうごめいているかわからず、強い光なら消滅するが少しでも弱いと移動し影に隠れようとしておりかなえさんの銅鏡も同じくでいつ終わるか知れない、

「効力射を頼む、座標は」

男の方がスマホからまた連絡をしておりかなえさんはそれを聞くとあわてて後ろに走り始め男も私もあわてて後について走った。

「ひゅ~~~~ぅ」

空を何かが飛んでくる音が近づき後ろで次々と着弾して爆風で飛ばされながら皆が隠れた岩の後ろに隠れる。

「のりとする前に一言いつもお願いしてるでしょ」

爆風で長い黒髪が絡まり合って怒りながらかなえさんが詰め寄る。

「少しでも早く処理しただけだ、すまない気を付ける」

案外素直なんだって思いながら次々と着弾して炎が広がり最後に何かが空中で爆発して息苦しさを覚えながらようやく終わった。


神社のじの字もなく焼きつくされたはずだが炎は消えており、

「最後に空中でエアゾール散布で空気を燃焼させて消化しただけだ」

それってひとつ間違えば酸欠でって言おうとすると、

「安全圏はここだ、それとあれが本体」

黒い衣が剥がれ落ち中から太って丸い男が体液のようなものを動く度に流しながら大きく吠える。

「意味嫌われた神の落ちた姿だな、何でここまで流れてきた」

「それはさっき神社で聞いた学生が知らぬ勾玉を封印から取り出したって」

「肝試しが結果を伴わないと思っているのか」

行くことも問題なのだが、その場所にある石さえ持ち帰れば影響も出るし、封印された御札を破く事がどう言う結果を生み出すのか考えてほしいと思いながら、

「いずれにせよこの土地は忌み嫌われ住むこともかなうまい」

こうして長い夜は終わったが倉庫に籠城した生徒は奇跡的に生きているものも精神が崩壊し目からは地の涙を、体の穴と言う穴から何かわからぬ液体を流し続け亡くなった方がまだ見ることができた。


「友達が」

月羽の弟がうなだれていると良子が、

「自分達のしたことの結果です。子供だろうと関係ないたまたま助かったのも人の繋がりでそれを大切にしなさい」

「友人が亡くなったんだからもう少し言い方を」

「犯した罪は法的には許されても一生ついて回るでしょう、逃げれば行き場のない袋小路に自らが入り破滅しかないのです」

「僕はどうすれば」

「神にすがりなさい、お経を唱えるでも御詣りにでも毎日かかさず友人達が許されるのを」

そう言うとはっとした顔で良子を見つめ、

「僕達は許されないことをしてしまったんですね無知で興味心から、わかりました自分にできることをします」

顔つきがかわりこすりまくった白いG550を運転してゆうつな気持ちで東京へと戻った。


「今回は国として動いてもらわなければどうにも出来なかったと言うことだ、気にするな」

帰ってくると同じように疲れた顔の親父と鉢合わせしてそう言う、

「国家って何なんだよ」

「いずれわかる。しかし虚勢をはるために心霊スポットに行く結果を考えないのも困り者だな、文明開化から先で迷信だとか言って封印を解いたりしたが増えるのだろう、まkつがんばれや」

そう言うと寝室に消えイビキが聞こえてきた。

自分も不眠不休で帰りも良子さん以外の寝息を聞きながら話をして帰ってきて別れ際に、

「今度は何もないときに電話を下さいね」

と言われ後ろからの恐ろしい視線を感じながら見送る。

「先帰ってて」

月羽が弟に言いこちらを気にしながら何度も礼を言って行ってしまう、

「なにそのデレッとした顔は、良子さんとっても良いお嬢様なんだからね変な虫がついたらお父さんも心配になるでしょ、だからわかったわね」

何がとは言えずに無言で何度も頷くと、

「今回はありがとう」

電話番号でもくれるかと淡い恋心は瞬時に消し飛び、

「同窓会さっさと開きなさいわかったわね」

「はい」

そう言って解放された。


うとうと寝ながら考える。

あの学生の中でお祖母さんが必死に守ろうとしたがかなわず、しかし毎日神仏に祈ると言うことも大切なんだなと思いながらも意識は霞んでいきました。

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