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うけもち様

「国連の承認を得た独立した組織だ」

戻ってから父親に黒いスーツの事を聞くとめんどくさそうに言う、

「こんなのをどう説明していいかも国のお偉いさん達は困ってな、国境も関係ないし」

「隣の大国でさえあの臨界がその仕業でと認識して拒否権を行使しなかったからな」

何か想像を越えることを話され過ぎて現実とは思えずにいると、

「この国は今は象徴とは言え絶大な力で国を守っているが、この国の指導者はないがしろにしすぎて結果が自然災害だ、押さえられないことも有るのを知ろうともしない現状に色々起きていて、その報告は更に指導者を意固地にさせている」

ちょうどテレビに写りのらりくらりとかわしている映像がありこうでもしないと気が狂うしと言うことらしい、

「まあ俺から言えることは色々経験しろ、いまやどんどんおかしなことが増えてきて連中で言うハルマゲドンにならんとも限らないからな」

「なら親父がもっていれば済む話じゃないか」

そう言うと二の腕をめくり、

「何ねすぐ鳥肌が立って収まらんのだなこれが、お前の方が適正があるだからじいちゃんもお前にあれを見せたんだからな」

嘘臭い言い訳をすると父親は疲れた寝ると言って寝室に入ってしまった。


翌日、することもないので先輩のうちに向かうと昨日の事がネットにアップされるやいなや消えると言う事がネットの掲示板にあげられており政府の隠謀なのはまず間違いないFBIの二人組がきっと捜査を始めているだろうと現実とドラマを一緒にしているがあの組織が情報統制をしているのは間違いないと思いながらネットでコラムを読む、車関係ので執筆者は副業で書いておりそれが新鮮で読みやすく更新は遅いが楽しみにしている。


今週のは試乗で綺麗な女性の代わりに身内が感想を言っておりその写真のひとこまで止まった。

注意深く見てみると気のせいとは言え無い物で何だろうなと思っていると二人組が起きてきて私の画面をのぞきこむ、

「これってこれか」

「どれどれ、何もないじゃん」

「いやこれ、目悪いんじゃないか」

「お前は頭だろう」

「それを言ったらおしまいよ」

何時ものボケと突っ込みだが戸波には見えて山田には見えないらしいと言うかそれに結び付かないと言うことらしい、

「そんなふうに見えん、駄目だな」

ダメ出しをされて戸波は悶えてしばらくすると何時ものごとくけろっとしてアニメを見始めた。

「これ見える」

丁度いいタイミングで光一が顔を出したので聞いてみると、

「嫌々だめだって、見なかったことにする」

怖がりな光一は耳をふさいで布団部屋に直行した。

夕飯をなにするとなり山田が中華を振る舞うといい台所の在庫を確認していると、

「これ空になってる。誰だ」

隠し味で使っている香辛料が空になってると言い私は戸波を見ると、

「んっと、んんんっと」

記憶を掘り起こしているらしく唸っていてしばらくすると手のひらを拳で叩きながら、

「ご飯しかなくてかけるのがなかったからかけた」

何度も頷く戸波に力が抜ける山田は、

「これ高いしこの辺じゃ環状線の途中にあるスーパーでしかないんだからな」

そう言うと代品を買ってくると言うの光一が、

「ここからなら自転車で40分はかかるな」

ボソッと言うと戸波はわざとらしく倒れて持病の肺炎がとわけのわからない事を言いながらこちらをチラ見してキモいがため息をつきながらバイクを出すことになった。


「これってヒーローシリーズの主人公のバイクに外装変えればかっこよくなるぞ」

乗せたはいいが後ろで騒がしい戸波を無視しながら環状線を走り抜け目的のスーパーに到着する。

目的の場所に到着して戸波が、

「目標ゲット、これで安心できるだろう」

何に対してと突っ込みたくなるがそれよりも値段に目がいき指差すと戸波は気がついてガーンと言いながら顎が落ちて 

「これならMGシリーズのを1つ買えてしまうピーンチ」

相変わらず下手な演技で頭を抱え横にいるのが恥ずかしい気持ちにさせられながも静かに見つめ続けているとっこまれなくてさらに悶えているので、

「返す分だけなら1つで済むだろう、美味しいもののためだあきらめろ」

そう言うとスッと止めて1つを戻すとレジに向かった。


「めし、めし、めし」

購入してしまえば喉元過ぎればでおなかがすいたらしい、駐車場に戻ると真っ白な外車が横に止まり丁度男性が出てきたときに画面で感じたのと同じのを感じそして見てしまう。

「戸波あれ見えるか」

あの事件の後気にすれば見えるらしいがそんなことを気にするタイプでもないのであえて聞いてみると、

「おおっ、すごいうんうんそうか」

何で大声で言うかなと思いながらヘルメットのバイザーを下ろしながら怪訝な顔をする相手に会釈をして発進した。


そう言えば最近墓参りしてないと思いだしバイクならすぐそこなので断ると向かいお墓参りを済ませて混んでいる大通りを避けて路地のような道を進んで一時停止で止まったとき戸波がある場所をゆび差した。

「あれ神社かなんかかな」

「神社って言うのにしては何かだな」

家と家との間に色褪せた小さな鳥居があり草がはえていて一見みずらいが戸波がそう言うところだけは気がついたらしい、

「地域の人が誰もと言うことで放置されてるんだろうな」

その奥からは祭られている神様の重い感情があり、それは戸波の田舎で感じたのに近い感覚であり周囲にもやな影響を与えているのだろうと感じられる。

「どうする、スプレー缶で鳥居塗っとく」

プラモデルのつもりかそう言ってくる戸波に苦笑しながらどうするか考えていると戸波は、

「何缶必要かな、何回塗るかにもよるしウレタンのを使う方がいいかな」

検討違いな事を相変わらず言いながら近づこうとしたときに背中が震えたのであわてて戸波をとめる。

「たぶんほうちされて祭られている何かが」

「狂ったんだ、よくあるよなうちの実家もだけど」

軽く言う戸波を引っ張るがもう興味が止まらずにくちかけた鳥居をくぐった。


「ほそいほそい細道はでんでろでーがでてくるよ」

何をいい始めているのかと思い抜けていると小さな小さな社が見えてきて更に背中が震えたが抜こうと言う気にはならずに前にたった。

「ボロボロだな、パテで埋めて塗れば綺麗になるかな」

プラモデルかなにかと相変わらず勘違いしているのか近づこうとしたときにそれは現れ戸波を引っ張る。

「シャーッ」

威嚇をしているそれは狐であるが目は燃え口は赤く威嚇してくる。

「白くてきれいだけどお稲荷さんかな」

「だな、放置されて怒ってるんだろうな、それと足元」

その悪影響なのか色々な霊が集まりお稲荷さんの足にからみつきそれが苦しめ悲鳴と怒りで狂わせていると言うのが何故かわかった。


「それでサクッと刺してみれば」

「いやいや軽く言うな、どうなるかわからないし一度相談した方が」

「このままするのはつまらないな」

そんなことを話していると、

「君達何をしているのかね」

誰かが呼んだんだろう警官がおりこちらを見ている。

「いや」

「お稲荷さんが怒ってるからでんでろを串刺そうかと」

戸波の不用意な発言に警官の顔色が代わり応援を呼び始めてしまう。

「余計なこと言うなよな」

「あれ、まずかったかな」

相変わらず空気を読まない友人にため息をついていると次々とパトカーがサイレンを鳴らして次々と到着して唯一の出入口には警官が逃がすまいと仁王立ちしており、騒がしさからお稲荷さんは怒りで唸り爆発しそうだった。


「その背中のを渡せ」

怪しい物は背中の天叢雲剣だけだがこれでお稲荷さんを抑えているので渡せばとためらっていると到着した警官が囲んで手を出してきたのでくぐり抜け壁ぎわにより戸波はそのまま、

「あれーごむたいな」

と言いながら捕まった瞬間にお稲荷さんが吠えた。

周りの音が消え去り静寂が支配するが悪意と怒りが放射され警官は金縛りにあったように動けず、その中から戸波がどや顔であらわれた。

「怒っちゃったよ、どうする、どうする」

本人はいたって真面目なのだがどうみてもふざけて楽しんでるとしか思えずため息をつきながら一度境内から出ようと道に出た。


パトカーが何台も止まっていて警官もいるが近所の人達と共に身動ぎせずにおり戸波が警官の顔の前で手をふり変な顔で笑わそうとしている。

「馬鹿なことしてないで」

親父に連絡しないとだなと思っていると曲がり角から杖をついた老婦人が複雑な顔をしてこちらへ来た。

「うけもち様が、おいたわしや」

保食神と呼ばれた神様で日と月が別れた原因だったと思い出しながらこちらへ来る。

「母さん待ってください、いきなり怒り出してみんなが驚くじゃないですか」

息子なのか老婦人を追ってきたのはスーパーの男性でその後ろに気の強そうな娘が追ってきた。

「ばか息子、何れだけの間うけもち様を数年じゃなくまさか私が10年前に老人ホームに入ってから」

怒りと悲しみに息子さんは何か言っているがにらみ、

「鳥居も朽ち果て忘れ去られたうけもち様がどれ程悲しんだか、どの様におわびをすれば良いか」

気の強い娘さんも来て何か言うが何かを決意した老婦人は杖を離すと不自由な足を引きづり鳥居をくぐる。

「あの人やばいよ命にかえてとかだよ」

戸波の実家でのあの光景を思いだし家族や親戚を守るために決意した瞳をその老婦人の目に私も戸波もみて思わず口に出して私の肩をつかもうとするよりも早く他の人がつかんだ。


「命にかえてもって、おばあさまをどうするつもりですの」

あのきつそうな顔で言われて私達は言葉につまる。

「何がどうなっているのです」

綺麗だが逆に怒った顔は余計怖く戸波と共になんと答えて良いか考えているとうけもち様が更に大きく吠えて見物人も男もフリーズして動かなくなった。

あわてて鳥居をくぐり引き返すと怒りの元である老婦人を前に毛をさかだて目も口も真っ赤に大きく開き今にも飲み込もうとしていた。

「おばあさま」

恐怖の中で娘さんは老婦人に駆け寄る。

「なみかい、よく見ておきなさい神は守りもしてくれるが人が非礼になれば忌しき神になってしまう、あの子も貴女も守られていた者への感謝の念を忘れた結果がこうなのです。なれば私の身でおさめていただくしか無いのです」

そう言うと一歩一歩近づくがうけもち様は何かに縛られているのか怒りだけが増している様子だった。


「申し訳ないですけど怒りだけではないと思うのですが」

思わず口に出してしまいながらカバーから剣を取り出して抜いた。

「隠れし厄を見せたまえ」

太陽の光を吸収しそれを目の前に放つと足元に取りついている亡霊が現れ苦悶の表情と共にその中から大きな瞳の何かが一瞬だけ見える。

「疫鬼だなありゃ」

不意に後ろから言われ振り向くと親父が立っていた。

「なんでここに」

「その話はあとだ、お久しぶりですね40年ぶりですか、しかしここまでとは」

親父と老婦人は知り合いのようで話をしている。

亡霊の足枷が外れたうけもち様は今にも飛びかからんとしているが動かず親父が、

「今から取りついてる疫鬼を取り除く、実体化させるから頼むぞ息子」

一方的に言いながら何かを唱えて大豆を取り出すと隠れている場所に投げつけた。

うけもち様を通過して隠れている鬼に当たると苦しみ更に大豆が当たると影から出てきた。


うけもち様を気にしながらその横を走り抜ける。

こちらを襲わないが怒りは変わらずその横を通りすぎ毛むくじゃらの腕と長くのびた爪を突きだしてくるので天叢雲剣で切り落とし怯んだ隙に目に突き立て灰塵となる。

しかしうけもち様は解放されるが怒りはおさまる様子を見せずに睨み付けていた。

「うけもち様申し訳ございません、恩恵を受けた私達が仇で返すようにしてしまいこの身を持っておしずめくださいませんでしょうか」

「おばあさま」

「見ておきなさい、貴女にもお父様にもお稲荷さまの御加護があり守ってきてくれていたのですよ、私の魂でどうするこもとできませんが」

「馬鹿息子あれ見えるか、疫鬼のせいで魂でなく魄がうけもち様を苦しめている。あれをどうにかしないと義子さんが命をかけてもどうにもならない」

どうしろって斬ればうけもち様を何の解決にもならない魄は亡霊と違い寄り添うようにいるのでたちが悪い、

「どうしたら」

そう呟いた瞬間天叢雲剣に意識が吸い込まれていく、

「彼そして彼女の哀しみを貴方はどうしたいのですか」

あの時の幼子が現れて私に聞く、

「助けたいけど、斬って解決できるのか」

幼き顔だが全く別の精神的に自分よりも大人の感じで静かに見つめ、

「自分を信じよその血を信じよ周りの者を信じよ」

そう言われうけもち様の前に進み出て正眼に構えそして大きく上段のかまえをする。

お腹に気を集めながらうけもち様に、

「直ぐに楽にしますお待ちください」

そう呟くと振り下ろし気をうけもち様に、斬るのではなく当たった瞬間に光が飽和して次の瞬間、

「コン」

そう言うと集束した。


そこには目尻が切り上がった、そう横にいる娘に良くにた顔であり老婦人にも似ている。

老婦人が進み出て修繕までの借宿と言うと娘が進み出て、

「私が借宿となります。うけもち様がよろしければ」

そう言うとうけもち様は進み出て娘を抱き寄せておでこにキスをすると消えた。

「お許しくださり、さらにお認め下されたのですね」

老婦人は気が抜けたのかそう言うと倒れそうになるのを親父がささえる。

娘は私に向くとこちらに近づきキスが出来る近さまで来ると、

「礼を言わねばなるまい、何かあれば呼び出すがよい」

そう言って唇に触れるくらいにして離れると、

「うちの娘に」

あの息子が声をあげたが娘が、

「その方がわしをこの様に、この者に免じるが次はないぞえ」

そう言うと表だっての気配は消え気を失ったのか倒れる娘を抱きかかえた。


今は空となった境内から出ると警官は遠巻きにしており親父が終わったことと中の警官を収容するように言う、私は娘さんを抱きかかえたままでおり父親からは凄いにらまれているが老婦人が微笑みながら、

「良ければ孫娘の婿となってくれないかい、挨拶が遅れたけど金谷義子、孫娘の良子」

母方の姓名と同じとおもっていると祖先は同じで本家がうちで分家の娘でこの区内の3割を所有していた大地主だったと父親から聞かされ、

「いやな、じいちゃんは放蕩息子で遊びまくってたからな戦後の農地改革で土地取られて貧乏さ」

そう言って大笑いして義子さんが、

「昔は良く助けてもらいましたから、この神社も元はおじいさまが建立なさったのですがバブルの頃に境内がこの道を残して売られてしまい私がうけもち様のお世話をさせていただいてたの」

そして10年ほど前に大病を患い息子に後を任せ老人ホームのある病院へ入院してしまいその間は放置されと言うことらしい、放置されてしばらくたった頃から周囲でなぞの病気が発生したりしたが息子と孫娘の一家は護られていて影響を受けにくかったと言うことでこの話は終った。


後日、神社は綺麗にされてうけもち様であるお稲荷さんは戻っていき疫鬼の影響で謎の高熱を出していた付近の住民は回復した。

「香辛料遅いわ」

そう言われて苦笑いで山田に謝った。

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