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「早速とは我が息子さすがだな、上出来上出来」

帰宅後に親父に報告をすると嬉しそうに酒をすすめてきて飲む、

「おれでもじいさんから受け継いで最初は3年後だったからな、山登りにいこうとしていたときにある村でだったんだが、昨日の様に思い出す。で、抜けるか」

帰ってきてから改めて抜こうとしたが天叢雲剣は鞘から抜けずに親父から笑われ、

「いずれ認められるさ」

そう言って息子の童貞卒業おめでとうと母親を呆れさせ、それを見ながら童貞だよまだおたくの息子は、そう思いながら布団をひくと寝てしまった。


翌日から大学と先輩宅の往復をしているが問題が発生する。

「二人ともいい加減にコミケはおいといて入力しないと締め切りが」

二人は何時ものごとくの計画性の無さで締め切りを考えてない、光一はオタクの間柄なのか言えずにおり金と仕事について結局私がやな役をかぶらないと駄目なのは毎度なのだけれども数日たってもコミケの事しか頭にないようで諦めて光一と締め切りまでの修羅場をおこなった。

コミケの当日、こう言う時だけ積極的になる光一が親から車を借りてきたらしくこんな時間は寝る時間の二人と更に高校の友人を乗せて威勢良く向かい、帰る気力もなく椅子で寝てしまうと起こされて目覚めた。


「よう、珍しいなここで寝てるなんて、皆は」

ここの家主である先輩が久々の帰宅をする。普段はエンドレスな出張を繰り返しており何ヶ月ぶりかと言う再会であった。

「そっかコミケか、仕事お疲れ」

学会用の仕事を確認していきデータと共によれよれの鞄にしまう。

「1週間は休みもらえたから何するかな、今から会社に顔出すけどどう」

そう言われヘルメットを渡すと重い鞄を肩からかけるとふらつきながら後ろに乗って先輩の会社がある港区に向けXXを走らせた。


「これって刀、いや直刀だから剣か、忍者か何かかよ」

何時もの好奇心の塊で色々聞かれ戸波にもメールで聞いていたらしく色々聞いてくるのを苦笑しながら妄想爆発の戸波の話を修正しながら到着して提出を終えると、

「いざ心のふるさとへ、はいよぅシルバー」

周囲に同じ会社の人が居るのも気にせず先輩はヘルメットをかぶり急かせるように背中を叩くので甲州街道のふるさとへと向かった。


「いや、まさかこれが出るとは、すばらしいギミックだウンウン」

店には幸い他の人がおらず昔からの入り浸りなのか店主も嬉しそうに対応している。

次々と欲しいものを宝の山から探しあて積み上げていき嬉しそうにこの時が至福だと、それどうやって運ぶのと思っているとお気に入りを選んで後は暇なときに取りに行くと言うのを店主が、

「後輩が取りに来るんでしょう」

そう言いながら笑い後ろに座るとうまい飯と言うので知り合いの店に連れて行った。

「これも、これもパス、食べて良いぞ」

何時ものごとく3人前頼むと偏食の塊を発揮してくれ私のご飯の上に揚げ物をのせていく、

「ここの美味しいよな、いくらでも食える」

痩せているどこに入るのかと思いながらご飯に積まれたのを食べてから先輩の家に戻った。


先輩は早速買ってきたものを見ながらここが甘い等言いながらためていたアニメを見ており、私は邪魔者がいないので掃除をかけ終わる頃にオタクが帰宅する。

「帰ってたんだお帰り」

そう言いながら戦利品を床に並べはじめ品評会を始める。

終わりなきエンドレスな話題が繰り返されそれを聞いて疲れてしまい自宅へと帰った。


翌日も授業後に顔を出すと昨日と変わらない光景が続いておりオタク恐るべしと思いながら夕飯を聞くと肉と連呼して戸波と山田大好きなチェーン店に皆で向かった。

「そうそう、こないだ面白い話があったんだよな」

先輩からの話に皆食いつく、

「病院で老人達と話していたんだけど」

そう言うと色々な仕事の合間に聞いた怖い話をしてさわいだ。


翌日は休みなので夜明け前にXXに乗ると出かける。

甲州街道をひたすら走り抜け途中山間から左折して峠を越えて人とすれ違わない道路を走る。

川沿いを走り抜けてもうひとつ峠を越えて下ったときにXXを止めた。

「やっぱり気になるんだよな」

時々走り抜けるんだけれども時々ある農家や牧場の他に森の奥にある建物に目を奪われていて更に背中から共鳴していていたので路肩に止めるとその木造の建物に近づいた。


何年と言わずにかなり古いが小さな建物で森の中とはいえ暗く光が届かない、

手前の峠は有名になって人が増えたが逆に気持ちよさが感じられずに残念に思いながら周囲を確認していくと斜面に蓋がしてあり真新しい札が張られており緊張する。

無理して何かをするのもと思いながら見ているといつの間にか老婆が立っていて、

「人の欲望は尽きぬわ、良いと思って行動しているはずじゃがな、当然の結果がこれでわな」

何を言っているのかと思っているといつの間にか老婆は消え去り共鳴も小さくなる。

何が何だか相変わらずわからないまま一気に自宅まで帰ると父親が、

「色々で戸惑っているようだが、古い知り合いに頼まれた。こずかい稼ぎで行ってこい」

そう言うと都内と言っても山奥の寺の住所が書かれており父親は近所のおっさんと飲んでくると出かけてしまい詳細も聞けないままXXに乗ると出かけた。


「全く意味がわからない、聞きたいこともあったのに」

思わず不満を口に出してしまう。

今からいくところはXXを新車で購入したときのならしで毎日往復していたのでたいして時間もかからず到着する。

見覚えがある寺で祖父の葬式をおこなったのを思い出しながら中へはいると見知った坊主頭が顔を出した。

「良、禿げて何してる」

思わず坊さんのひとつ下の後輩に失礼な言葉をかけてしまう。

良はバイクで知り合った中で試験場で日曜日に二輪の安全講習会で顔を合わせていたのだが最近見ないなと思っていたので、

「親父が坊主で急死したもんだから継いだんですよ」

持ち前の明るさで笑い飛ばしてくれ、

「今回問題があって紹介されたんですがまさか先輩が」

私の背中のを見て何か感じたのか驚きながらも本堂へ通されて今回の事を話をする。


「北側の事についてはこんな事です」

地域的にあれが多いとは思っていたが予想以上の話に、

「それってあそこの入り口もってことか、やっぱり」

バイクで良く事故を起こす場所があるけど普通そんなところでと思うところがあり聞いてみると頷き、

「あそこの持ち主も元々あの辺りの出だって言ってたから今回と関わりがあると思います」

そう言うと本題に入った。

「いや、俺もしたからな」

肝試しをした大学生達の中の一人が精神をきたしていると言われ、

「精神科に入院しかないんじゃ」

そう言うと見ればわかりますとヘルメットをかぶるとマジェスティに乗ってついてきてくださいと、走りなれている道を走ってて違和感を覚えながら病院に到着して良は、

「たるいんでターボ乗せてます」

三つ子の魂百までと言うことなのか仕事でスクーターに乗るが速さは譲れないと、そう言いながら病院の一室に入った。


中には同じ年位の女性が寝ており私達が入ってくるなり目が開き上半身が起きる。

「貴様達寄るな、寄ればこの女がどうなるか」

そう言うと強烈な感覚が放射され心臓をわしづかみにされる感覚に一度外に出て天叢雲剣を取り出して中へと入り直した。

「抜けないって何でだよ」

目の前に人ならざる者がいるのに鞘から抜けずにおり良も驚き呆れながら私を部屋から引っ張り出すと、

「ナオさん、除霊とか考えてません」

私の表情を見て苦笑いしながら親御さんが高名な御坊さんや有名な霊能者に頼んだが未だにこの状態なので原因は土地にあると考えたと、

「良は叙霊したのか」

「うちにそんなのはないですよ漫画の読みすぎです」

そう言うと心霊スポットと呼ばれる肝試しをした場所に連れていかれた。


「昼間でもやなんだけど、鈍感になりたい」

誰かに見られている感じと背後に回り込もうとしているのか落ち葉を踏む音が横から聞こえる。

「騒がしいですね、何が原因かはですね」

そう言いながら斜面を上がり建物へと入っていく、その後に続くと女性が静かに立っており良は少しだけ見て首をふり歩き始める。

「ここと思うんですが、何か感じませんか」

何をどう感じるのか、怖いと言う気持ち以上に感じはせず入ると共鳴が始まる。

天叢雲剣を取り出して部屋を進むと女性の顔が暗闇に浮かび上がり背中に寒気が走りゆっくりと赤い目がこちらをにらむ、

「ナオさんすいません、あとお願いします」

多分これを見たのだろう、立っているのも困難なほどの悪意が向けられ良はひたすらお経を唱えていたが、相手にあがなえず座ってしまう。

ゆっくりと剣を抜いてかまえると落ち着く、暗闇に押し包まれそうだったのが刀身から光が生まれ苦悶の表情で威圧してきた。


一歩一歩前に進み後一歩と思った瞬間、金切り声をあげ逃げ様としたので剣を突き出した。

顔に突き刺さり何かを言っている様だけれども存在が古すぎて言葉になっておらず徐々に薄くなり消滅した。

終わったと思った瞬間にあの女性の姿が見えると、

「頭いてえ、気持ち悪い」

久しぶりと言えば久しぶりに霊に自分の体に入り込まれてしまい偏頭痛と吐き気が起こり体調不良になる。

「気を抜くからですよ、沢山の霊達が集まってますからね」

そう言いながらお経を唱えはじめ終わる頃には体の変調がおさまった。

「今のもこの土地の一つなんでしょう。これであの女性が元気になればですね」

礼を言うのを思わず飲み込んでしまいまだ続くのかと憂うつになりながら病院へ戻った。

「未だにと言うことは」

良が私を見ながら言うのを否定したいが女性の様態は変わらず後日何かわかったら知らせると言うことで家路についた。

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