(ミス)
「手順で言えば、あっち先にすれば良かった、こっち先にすれば良かった、なんてしょっちゅうだよ」
「注文のミスは少ないかしら。でも対応忘れるとか順番のミスはしょっちゅうね」
東と横居、それぞれの失敗の話である。
どちらもフォローの効く話ではないか。少々順序が違っても、取り返しにいける。
詩乃の失敗は、やり直さなくてはいけない失敗だ。
「「…………」」
と、それを聞いて顔を見合わせた東と横居。今度は……
「いそいで千切りしてて指まで千切りしそうになったかな~。まな板が血だらけで、その後は店、続けられなかったよ」
「料理運びながら転んじゃって、料理はダメんなっちゃうしお皿は割るし……なによりお客さんの服、汚しちゃってね~。代えになる服をいそいで買いに行ったわよ」
「……………」
聞けば、笑いながらやり直し……どころか、取り返しがつかないような失敗を話してくれたりして。
それも、まだまだストックはありそうである。
詩乃の失敗を、ふたりがあっけらかんと受け止めていたのは、つまり………
「詩乃ちゃんのミスなんて、まだ甘い」
ということ、らしい。
さて。プチトラウマから恥ずかしい思い出へと変化しつつある“カレーる”だが……
「ナポリタンと、カレーる」
どこからどう伝わったのか、裏メニューとして定着しました。
「おねーちゃん、ウサギ書いて~」
………子供向けとして。