当てたじゃん
まず初めに言っておく。
この小説には淡い恋愛なんてものは一切存在しない。
なぜならこの俺にそんなチャンスがくるはずもないからだ。
いや、ね?そりゃあ来たら絶対掴み取るけど…
「なにブツブツ言ってんのよ」
声が聞こえる。
幼馴染の山路涼子だ。
幼馴染がいるだけマシ?
笑わせるな。
こいつは人間性も顔も最悪だぞ。
こんな奴を幼馴染と認めるか。
俺は断じて認めん。
涼子「聞こえてるぞーwww井野雄介くーんwwww」
雄介「あ、ちょ、すいません」
(スパーン)
教科書で俺の頭をひっぱたく。
めっちゃいい音やん。
涼子「人のことボロボロに言えるほど人間性も顔も最高の人間だっけ???」
雄介「」
言われれば実際そうだ。
顔はアンタッチャブル山◯、性格は…もう言えたもんじゃない…
雄介「涼子よりも酷いかもな」
涼子「わかればよろしい」
「なーに二人で朝からイチャコラしてんだよ」
また厄介なヤツが来た
こいつは中学からの友人で高校3年の今でも絡みのある高崎仁だ。
涼子「寝言は寝てからいいなさい」
仁「おーおー、今日もなかなかキッツいねえ、涼子ちゃんは」
涼子「ジャーマンスープレックス」
仁「申し訳ございませんでした」
仁は悪い奴じゃないんだけど多少チャラいというか何というか…
まあとりあえず厄介なヤツだ
「はーい、席につけー、お前らは席にもつけねえ雑魚どもかー」
はい、また厄介なヤツ。
担任の佐藤直明だ。
あいつ担任のくせにめちゃくちゃ性格悪いからな。
あいつよりは性格いい自信がある。
直明「今日ミニテスト延期にするって言ったな?あれは嘘だ」
さっそくのクソ野郎発揮
仁「はぁー!?ふざっけんな!やらねえって言ったろ!とにかくやらねえぞ!」
直明「それはできない」
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直明「そんじゃあ赤点の奴らは放課後に奉仕作業な。そうだ、仁は赤点じゃないけど反逆罪で奉仕作業な。」
仁「ふざっけんなよ!おい!」
直明「一人じゃ嫌なら何人か連れてこい。以上。」
仁「雄介、涼子、わかってんな?」
おいおいなんだその変わり身の早さは
俺らは絶対に行かないぞ
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結局きてしまった。
涼子「なんで私たちまで…」
仁「まあまあ!大人数の方が楽しいじゃん?w」
雄介「はっ倒すぞ」
と、言いつつも仁の作業を手伝う他なかった。
なぜかというと俺たちは家に帰って色々な用を済ませた後にもう一度PCの通話に集まる。
そう。共通のゲームをするためだ。
FPSというチームで敵を倒すゲームで俺たちはそこでチームを組んでいる。
そのゲームはチームメンバーが集まらないと試合開始できない。すなわちこのアホが必要不可欠なのだ。
何気にあのクソ担任もチームの一員だ。
他にも先輩の舞子先輩がいるがあの人は今色々あって停学中だ。
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3時間ぐらいが経っただろうか。
校庭の草はほとんど無くなり、担任の直明から帰宅許可がでた。
俺と涼子は家が隣だが仁は家が学校を挟んでまったくの正反対にあるため一緒に帰ることはほとんどない。
仁「じゃあ俺帰るけど帰り道でイチャイチャするなよ?w」
涼子「この後に及んでまだ言うか」
仁「はははww一応念のためにだよw」
そういうと涼子からの一撃を見事に避けそそくさと退散していった
仁にはこの気持ちが気付かれてしまっているのだろうか…
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学校から家までは5キロほどでそんなに遠くはない。
いつも帰宅途中のコンビニによってアイスのゴリゴリ君を食べるのが日課だ。
涼子「あんた何味にすんの?」
雄介「迷うことなくミルワーム味」
涼子「よくそんなのを毎日食べられるよね…」
雄介「ミルワームを舐めることなかれ!ミルワーム味にはコクがあってだな…」
涼子「はいはい、分かったから行くよ」
雄介「うぃー」
会計を済ませて外に出るともうかなり暗くなっていた。
俺はさっさと袋を開けてミルワーム味を頬張った。
なんとも絶妙な味わい!
この舌触りといい最高品すぎる!
涼子がこちらを見ているので一口食べるか聞いたら速攻で拒否された。
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コンビニを出てから30分ほどで家のすぐ近くまで来た。
俺はここでいつも迷う。
涼子に告白するべきか、だ。
告白したい自分と今の3人の関係を楽しんでいる自分とが混ざり合い、よくわからないのだ。
涼子「そんじゃあまたSkypo(PC通話ツール)でねー」
雄介「お、おう!またな!」
やはりだ。
俺は告白することができない。
勇気もなければ技術もない。
俺は涼子が好きだ。
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家に帰り風呂に入り飯を済ませ、いざ!自室のPCへ!
(フォォォォォォン)
かなり古いパソコンなので起動時にめちゃくちゃファンの音がする。
雄介「買い替えどきかなぁ…」
そんなことを言っているうちにパソコンが起動した。
さっそくSkypoを開きいつもの会議を選択する。
猫のアイコンとロックのアイコン、野球のアイコン、アニメのアイコンが映し出される。
雄介「お、みんなもういるな」
俺はさっさと通話開始ボタンを押し通話に入る
雄介「うぃー」
涼子「お、きたね」
仁「あんまり遅いから寝ちゃうところだったよ」
直明「生徒の方が遅く帰ってくるってお前ら真面目すぎるだろ」
舞子「みんなして学校行っちゃうからお兄ちゃん暇だったんだぞ☆」
雄介「先輩が停学くらうからでしょ」
舞子「てへぺろ☆」
こんなたわいもないことを喋っているうちにゲームが起動した。
涼子「そんじゃあ今日も試合、行きますかー!」
このチームは涼子がリーダーで5人だけの小規模なチームだ。
小規模ながらになかなかに強い。
特に舞子先輩はズバ抜けた才能と実力がありチームのエースだ
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1試合目が開始された。
さすがの舞子先輩だ。
華麗な動きで敵をどんどん倒していく
(エネミーダウン!!!!!)
敵を倒した時に自動的に流れるキャラボイスがじゃんじゃん聞こえてくる。
対して俺は…
雄介「お、来た来た!」
ゆっくりとスナイパーライフルのスコープを合わせ弾を発射した。
当たった!
そう思ったのだが当たっていない。
そう、俺のパソコンは古すぎるがゆえに敵に当てても当たったことにならないことがあるのだ。
雄介「当てたじゃん!」
涼子「でたでたw雄介のラグラグパソコンw」
実際にラグいのだから言い返せない
結局試合は舞子先輩の活躍によって余裕勝ちを納めた。
はぁーあ。
俺は大きくため息をついた。
あのあと何回当てたじゃん!と叫んだことか…
舞子「お兄ちゃんに全部任せなさい☆」
涼子「実際うまいですもんね」
舞子「でそでそ☆ほめてええんやで☆」
舞子先輩と涼子が仲良くしている。
妬まし…いやいや、仲睦まじい。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
次の日、いつものように朝、涼子の家の前で涼子を待つ
…出てこない。
は?あいつ今何時だと思ってるんだ。このまま行くと絶対に遅刻だぞ。
仕方ねえ…電話して出なかったら置いていくか。
案の定出やしない。
雄介「爆睡してんな」
俺は学校へ急いだ
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直明「はーい、それじゃあ朝のHR始めるよーん、今日は転校生の紹介しちゃうよー、さあ入って入って」
小柄な女の子が入ってきた
めちゃくちゃかわいい
女の子「小町っていいます。一年間よろしくお願いします。」
かわいい。
可愛すぎる。
天使か?
天使だな
そうだろう
直明「じゃあとりあえず席決めようか、雄介の隣が空いてるからそこ座っておいて」
は???????
俺の隣は涼子が座っていたはずだが…
遅刻の罰か…?
いや、そんなことはないだろう
雄介「先生、涼子は…?」
直明「あー、すまんすまん、言い忘れてたが山路は親御さんの急な転勤で引っ越したよ」
はい???????
訳がわからない。
朝出てこなかったのはそれなのか?
ふざけんなよ…ずっと一緒だったのに…!
俺は教室を飛び出した
直明「あれま、本気にしちまったか…」
小町「あの…どこに座れば…」
直明「ああ、仁の横が真面目に空いてるからそこに座っておいてw」
仁「なかなか酷な嘘をつきやがるな…、さすがクソ教師…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
俺は走った。
間に合うわけもないのに。
結局家の前に着いたのは9時半ぐらい。
うちの親も仕事でもう家にはいないようだ。
いつもの見慣れた涼子の家がある。
もうここに涼子はいないと思うと涙が止まらなくなった。
雄介「結局俺は気持ちを伝えられずに終わっちまったのか…」
雄介「ふざけんなよ!…俺に言わずに急に行っちまうなんて…!俺はお前のこと…ずっと好きだったのに…、お前の心もラグで撃ち抜けてなかったのかよ…」
雄介「当てたじゃん………」
俺は小さく呟いた…
涼子「あのー?なにしてるんです…?てか今さっきの言葉って…」
ん???????????
なんでお前がここにいるんだ?
雄介「お前…転校したんじゃ…」
涼子「は!?あたしが!?ないないないない」
雄介「え、じゃああれは嘘…」
涼子「それより…さ、さっきの言葉って本気…?」
雄介「さっきの言葉…?あっ」
俺は急に恥ずかしくなった
でもここで恥ずかしがってる場合じゃない!
雄介「お、おう!もちろん本気だ!」
涼子「…」
涼子は泣いていた。
気がついたら俺も泣いていた。
涼子「ありがと、あたしもあんたがずっと好きだったよ…!」
今度は気がつくほど泣いていた。
雄介「…エネミーダウン」
涼子「あははwこんな時にまでゲームってwあんた意識高すぎでしょw」
涼子は泣きながら笑っていた
最初に淡い恋愛なんてこの小説にはないっていったな?
あれは嘘だ
〜fin〜
こんな小説を読んでいただきありがとうございます。
つまらなかったから時間の返却をしろと言われても返却できないのでご了承くださいw
これが初の小説になったので設定が飛び飛びになっていたり、不明なぶぶんが多いと思いますが、初々しいということで流していただければ幸いですw
今後とも新しい作品等でもよろしくお願いします