プロローグ6
ギルド本部とはギルドの結成、脱退、合併、ハウスの住所登録、緊急クエストの受注、報告など、ゲームをする上で何度も立ち寄る場所で、内装は簡単に言うと、市役所のようであり、要件に合わせていくつもの窓口が用意されている。
「はう…やっぱり人多いですねぇ…」
メイはつぶやきながらユウを見失わないようについていくが何度か離れそうになり、危なっかしいのでユウがメイに右手を差し伸べ牽引している。何故かキセが左手にすりすりしてるのでキセとも手をつなぎ、まさに”リア充爆破しろ”状態だ。
クエスト申請窓口に到着するとスーツを完璧に着こなしたまさにザ・オフィスレディなお姉さんがいた。メロンのような大きさの凶器で、マニッシュなスーツとのギャップがまた魅力的だ。
隣からはメイとキセがじと目でこちらを睨んでいるが、気にせずユウはスルーする。
受け付け嬢は苦笑いしながらも緊急クエストを受注する。
アリンツ島の森林地帯であたらしい洞窟が見つかり、その中の調査をしてほしいとのこと。アリンツ島とはアクアリウスから船で南方。外周10km程の小さな島で外側はほぼ砂浜で内側は森林地帯隣っており、砂浜ではモンスターが現れないため、夏のイベントや海水浴のために訪れるプレイヤーも少なくはない。
探索クエストとは。不可思議なダンジョンの如く入るたびに地形が変わるダンジョンを攻略し、入り口にいる係員に端末に記録された最高到達地点で報酬が変動するクエストで、もちろん最高到達地点が深ければ深いほど報酬も跳ね上がり、いいアイテムを入手できるが、全滅時は失敗となり、報酬も最高到達地点報酬が回収手数料として没取されてしまうのである。
レベルは入り口付近で15〜20くらいで、メイにはかなり厳しい戦いである。
クエストを受注し、商業区画で消耗品を買い足し、メイの初めての緊急クエストに出かけるのであった。