3-4 Stage:倉庫跡地[中層]
悠月は改めて、その場を見回した。
積み上がったコンテナの上に、悠月は太刀を持って立っていた。施設内を埋め尽くす砂を掻きまわすように、多数のサソリは蠢いている。
戦闘ログの解析結果は、サソリ自体が砂を作り出している、という事に落ち着いたらしい。つまり、この前のステージは本来砂漠都市などでは無かったのだ。
倉庫跡地という設定――にしては、重層的に、広く構築されたステージ。
いつもの心地良さを維持しながら細かい動きを意識し練習するには最適だった。
悠月は走り出し、コンテナから飛ぶ。
直後にさっきまで足のついていた場所は崩れ、悠月は前に身体を回転させるついでにその状況を確かめる。
8体ほどのサソリは既に、悠月の足元に群がっていた。
カードを引く。
出たのはナイフ。
悠月の身体は反転している。
目標を捕捉、加速。
背面のまま、悠月は逆手にナイフを持つ。
突撃。
砂の塊は2つに割れ。
コンテナも真っ二つ。
砂の粒と光の粒。
2つの粒は同化し、霧散する。
しかし残留物は粒子のみに非ず、
中心の赤い塊を破壊されなかった残党が、空中低い所で浮く悠月に喰らいかかる。
悠月は身を翻し、ナイフを投げ。
一体を撃破。同時にカードから具現化。
二枚同時。包丁。
砂塵を巻き込みながら向かって来る二体を切断。
途端に目が開けられなくなる。
砂が目に入る状況も反映されるという事を、悠月は今知った。
そこにいる――と悠月は信じ、右手の包丁を手放す。
刺さった音。
悲鳴に似たノイズ。
目を開ける。
針が目の前に。
掠る。
右頬。
「くそ、どけ!」
無理な体勢で突き出した包丁が、偶然にもサソリを貫き通した。
点滅する赤、滅。
重力を掛けて包丁を拾い上げ。
地面に激突しそうになるのを一気に抑えたが間に合わず。
砂地の上で二回転。そしてコンテナに突っ込む。
飛び掛かるサソリ。ごった返しの粉塵を切り裂くように、包丁の一閃、二閃が残りのサソリをも切り裂いた。




