夏、真っ盛りでございます
6話ですねぇ・・・
夏です。でも、もう少しで9月だね。秋・・・だね。
あっ、水着は無いよ!
僕の学校も夏休みを迎え、早10日目を迎えました。
こういう時は友達とか呼んで遊んだりするんだけど・・・
「何せこのアパートだからなぁ・・・」
「どうしましたか?太一さん。アパートがどうかしましたか?・・・あっ、お茶貰っていいですか?」
「いいよ、冷蔵庫に入ってるから。・・・ってなんでお鈴ちゃんが僕の部屋にいるの?」
びっくりした。自然にいて驚いた。
こうしてしょっちゅう僕の部屋に来てるからずいぶん仲良くなった。
そのせいか、呼び方がお鈴さんからお鈴ちゃんにグレードアップしていた。
「いるの?って、こうやってずっといましたよ?気づきませんでしたか?」
幽霊じゃないから壁をすり抜けたりはできないんだろうけど・・・
「もしかして人形、部屋?」
「はい、めんどくさいし軽いお出かけには重い荷物なので置いてきました!」
困るなぁ・・・。若干存在薄くなってるから危ないよ・・・。
「・・・ップハァ!お茶おいしぃー!」
お鈴ちゃんはコップにお茶を注いで飲んでいる。
ん~、やる事ないなぁ・・・。
「やる事ないなら『宿題』というものをやったらよいのでしょうか?」
「いや、実はもう終わっちゃったんだ。僕、部活入ってるわけでもないしやる事がそのくらいしかなくてさ。というか、宿題って単語を知ってるんだ」
「はい、お母さんが貸してくれた書物に書いてありましたから!」
「えっ、裕子さんの本に?どんな本?」
「えっと、『ハチャメチャ委員長山本クン』という書物です」
うっわ、それ漫画だ・・・。しかもそれ僕も昔に読んでたし・・・。
というか、久しぶりに聞いたら結構ひどいタイトルだな・・・。
「宿題が終わらなければ捨てればいいんですよね!?」
「違うよ!あれはギャグであって、現実ではちゃんとやらなきゃいけなくて・・・」
トントン、と誰かがドアをたたく音がした。
「あっ、私が出ますね」
お鈴ちゃんがドアを開けた。
大家さんだった。
「よぅ、二人とも。実は暇なんだが何かないか?」
・・・暇だったらしい。
このタイミングで来てもなぁ・・・。
「でも、ここにも何もありませんよ。僕たちも暇してたとこなんですよ」
「お茶貰うぞ」
「話聞いてくださいよ・・・」
圧倒的スルー力。
さすが大家さん、僕たちにできないことを平然と何とかかんとか。
「3人集まったところで何もすること無いんじゃなぁ・・・。あっ、裕子さんも呼びます?」
「何で暇なのにわざわざ呼ぶんだよ。それに今日はアイツいないぞ。平日だから道場で剣道教えてる。あいつはいいよな・・・。夏休みなのに暇じゃないなんて。あとは洋一がバイトで、マリーたちは遊びに行ってる。いいよな、暇じゃなくて」
「この時期に剣道やっても暑いだけだと思いますよ。あの防具見てるだけでも暑そう。冬ならあったかそうですね」
「剣道って裸足じゃありませんでしたか?どちらにせよ僕には合いませんね」
「そういえば裕子呼んで何するつもりだったんだ、太一」
「全く考えていませんでした」
う~ん。また部屋が沈黙になった。
とりあえず呼べば何かあるかもと思ったんだけど。
「じゃあ、暇してそうな佐助さんのところにでも行きますか?」
「まあ、いいんじゃないの?あいつの部屋なら涼しそうだし」
というわけで到着した、佐助さんの部屋。徒歩10秒。
「佐助さんいますか?」
ノックをしたが返事がない。
「いないんじゃないの?」
ドアノブに手を掛けるとカギがかかってなかった。
「ハッ・・・、これはもしや事件!?」
大家さんがノリノリで言った
「えぇ~!!こんなちんけなアパートで!?」
「えっ、お鈴ちゃん言い方がダイレクトすぎっ!あと、大家さん変なこと言わないで!」
恐る恐るドアを開け、中を確認してみる。
見たところ誰もいない。
いた形跡もない。
靴を見てみると他の人の靴があるわけじゃないし、佐助さんがいつもはいていた靴があるので出かけたわけじゃない。ということは佐助さんはいる!
みんなが靴を脱いで、そろりと中へ入っていく。
ボコボコボコ・・・
「ひいぃ!?」
お鈴ちゃんが音にびっくりして飛び跳ねた。
「大丈夫だ。落ち着け、鈴。風呂場のほうから聞こえたな」
「ちょっと待ってください。まさか、大家さん行く気ですか!?」
「当たり前だろ。幽霊がいるわけでないし、いるとしてもこのアパートにはいないだろう。・・・どうせちんけだし」
さっきのお鈴ちゃんが言ったことを根に持ってるみたい。ていうか、何でもいそうだから困る、このアパート。
「なら、お前が行くのか?太一」
「え~・・・、じゃあこの際みんなで確認しましょうよ」
「私もですか!?」
「ほら、いくぞ。鈴。お前だって似たようなもんだろうが」
僕らは風呂場へ行った。まだ聞こえる、奇妙なボコボコ・・・という音が。
緊張する。いったい何がいるんだ。いざという時の退路もばっちりだ。これなら誰がいても問題ない。
風呂場の戸は開いている。なるほど、湯船の中から聞こえるのか。ということは、何かが水の中で息を吐いている音か。
3人同時に風呂の中を除いた。
「ぎゃー!幽霊ぃ!!」
「嘘っ!?このアパート幽霊もでるのかよ!さすがに誰も死んでねェぞ!!」
「なんですか!?これ浮いてるの!全部髪の毛!?気持ち悪っ!!」
3人は取り乱し叫んだ。その声はアパート中に響いた。
もちろんだが、風呂にいたのは暑かったので水風呂に浸かっていた佐助さんだった。
いないんだからここにいるってことぐらい冷静になればわかることだったのになぁ・・・。
「ったく、勝手に人の部屋入って、勝手にビビッて、それから幽霊扱いかよ。ひでぇ扱いすんなぁ。そういうキャラは洋一だけにしろよ」
「あんなの見たらビビるわ。髪切れ、髪を」
「そうですよ、すごく気持ち悪いですよ。風呂に浮いてる髪見ると」
お鈴ちゃんはまだ泣いていた。すごく恐ろしいものを見てしまった。一生心に刻まれるだろうな。
「で、暇なんだって?」
「そう、本題はそれだ」
大家さんが答えた。
「俺は暇じゃあなかったんだがな、プールにでも行けばいいじゃないか」
「混んでるだろうが」
今の次期ではどこのプールや海でも混んでいるだろう。
「じゃあ、俺らの山にでもいくか?」
「えっ、俺らって?」
「だから、俺ら妖怪の山だよ。多少歩くがこっからなら歩ける距離だし、人間に会えるってならあいつらも歓迎するだろう」
「マジで?いいの?妖怪の山?」
「あぁ、連絡入れて急じゃなければいいと思うぜ。ちょうど里帰りも考えてたからな。今、連絡してみるから待ってろよ」
妖怪の山。
佐助さんの故郷。
どんな妖怪がいるのか、楽しみだなぁ。
「いいってさ。あと迎えも来るから用意して待ってなってよ」
「よし、みんなで妖怪の山へ行くぞ!二人とも30秒で支度しな!」
妖怪の山では何が待っているのだろうか。
なんか波乱のよか~ん。
次回は四人で妖怪の山へ行きます!
あとがきは予告でも書けばいいのかね