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AI勇者は諦めない  作者: ゼロスキルのAI使い
王都編

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第39話「届いた手紙」

手紙に込められた想いは、言葉より重い。


護衛任務の翌日、宿の受付で手紙を受け取った。


差出人は、リリアだった。


部屋で封を開ける。


『カイトへ


元気にしていますか。

こちらは変わりありません。

危ないことは、していませんか。


返事を待っています。


リリアより』


短い手紙だった。


『送信元は村の郵便局経由。到着まで約二週間』


この手紙が書かれた時、俺はまだ護衛任務を受ける前だった。

リリアは、暗殺者の短剣が俺の頬をかすめたことを知らない。


手紙を引き出しにしまい、午後、ギルドへ向かった。


護衛任務の報告書を閲覧する。


『視察中、暗殺者二名が襲撃。護衛チームが対応し、撃退。殿下に被害なし』


俺の名前は、どこにもない。


『功績の匿名処理が行われています』


それでいい。

だが、報告書を読み進めるうち、違和感が浮かんだ。


『暗殺者の短剣について、材質の記載がありません』


「材質か」


『通常、暗殺用の武器は魔力を帯びた特殊金属が多いです。今回は外見上、一般的な鉄製でした』


「何を意味する」


『複数の可能性。一、低レベルの暗殺者。二、痕跡を残さない意図。三、組織的支援の欠如』


どれも断定できない。

だが、あの動きは低レベルとは思えなかった。


『追加情報が必要。結論は保留』


報告書を返却し、ギルドを出た。


宿に戻ると、日が傾いていた。


机に便箋を広げる。

リリアへの返事を書かなければ。


危ないことはしていない、と書けるか。


ペンを握ったまま、動けなかった。


その夜、返事は書けなかった。


窓の外、王都の灯りが揺れている。


暗殺者の正体。王女の過去。リリアへの手紙。


どれも、答えは出ない。


『解決できない問題を保留し、対処可能な事項への集中を推奨』


明日も、護衛の仕事がある。

目の前のことを、一つずつやるしかない。




【あとがき】

リリアからの手紙が届きました。カイトは暗殺未遂の情報を整理しつつ、返事を書けずにいます。次回、護衛任務は続きます。

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