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不機嫌な有野さん

有野さんと五階さんの突然の対立。

原因は俺が転校してくる前の出来事が関係してるらしい。

サトルを取り合った? まさかそんなことある訳ない。

仮に五階さんがそうだとしても有野さんは違う。

そんな人じゃないと信じている。

いつの間にか有野さんと五階さんの喧嘩に巻き込まれることに。

隣人関係崩壊の危機にどう立ち向かっていけばいいのか。


「おいお前の好きな奴はいつも以上に睨みつけてないか? 」

勝手に俺が片思いしてると勘違いしてるバカな男どもが絡んでくる。

ははは…… 両想いだっての。俺たちはほぼ恋人なんだから。

ただそれをあえて説明する必要もないだろう。


「いつもと変わらないよ」

面倒だから適当に返す。

「そうか? 俺には一段と鋭いように見えるがな」

「俺に言われても…… 」

どうすることもできないんだ。自分ができることはただ顔を向けないこと。

有野さんを見たところで睨みつけられるだけだからな。

今は機嫌がすこぶる悪い。五階さんと喧嘩しただけでこんなにも変わるものか?

元々不安定なところはあった。多重人格が悪化したのも何かあるのかもしれない。


「まあ気をつけるんだな」

なぜかアドバイスをもらう。

あれだけ有野さんとトラブルを起こせばこうなるか。

まあそれも昔のこと。懐かしい過去の思い出さ。


「ほらお前ら! 」

担任が戻って騒がしい教室を静まらせた。

「間もなく冬休みに入る。その前に例のイベントだ」

待ってましたと歓声が沸き上がる。

俺は二学期からなのでまったく知らされてない。一体何の騒ぎだろう?


要するにクリスマス祭りだそう。

文化祭のように本格的ではなくちょっとしたイベント。

参加は自由。ただし部活動をやっている者は強制参加させられる。

クリスマスを祝う伝統のお祭り。

その日は校長だけでなく学園長まで姿を見せるそう。

学校はお昼までで夕方から九時過ぎまで行われる毎年の恒例行事。

後片付け等は翌日に回す。

そしてこれが終わると終業式へと言う感覚。ようやく冬休みになるそう。

まあ俺には関係ないか。どうせ参加するつもりはない。

ねえ有野さん? おっとすこぶるご機嫌が悪かったんだった。


クリスマスか…… 去年は和葉と。今年はどうしよう? 

そう言えば先週だったよなテスト。

滑り止めの俺の高校。

まったく我が妹ながら舐めたことを。

誰が滑り止めだよな? ここにいる奴らのせいでどんどん偏差値が下がっていく。

それにしても有野さんは別として五階さんはなぜこんな滑り止めを受験したんだ?

お世話になってるのであまり悪くは言いたくはないけど不思議だよな。

 

有野さんを見るがいつも通り睨みつけるだけ。

はいはい分かってますよ。クールビューティーも悪くないです。

でももう少し抑えてくれるといいな。

こうして残り僅かとなった二学期を惜しみながらクリスマスまで過ごす。


三日後ようやく二人の仲が戻った。

元々親友だからな。ちょっとしたことで喧嘩することもある。

ただこれほど長引いたのは今回が初めて。

俺が転校してきたのは二学期からだからな。

当然それまでのことはよく知らない。

しかし原因がサトルにあるとしてどちらが仕掛けたことなのか?

俺はクラスメイトでもあり有野さん一筋だから見方がどうしても偏ってしまう。

そう言う面はどうしたってある。五階さんには本当に悪いなと思っている。


さあ今日も一人寂しく帰りますか。

「一緒に帰ろうよ」

いつものようにうっとうしいほどに絡んでくるかわいらしい有野さん。

これが仲直りしたから。昨日まではあっさりしていた。

どうやらちょっとしたことが影響して有野さんの人格が形作られてるのだろう。

「ほら一ノ瀬君」

そんなことしなくてもきちんと待ってますって。

それが俺じゃないか。疑わずに信じて欲しいな。俺は有野さん一本さ。


「ねえ妹さんが来るって本当? 」

そう言えば妹が来るって話をしたな。二人で興味を示していたっけ。

近くなったら予定を聞くつもりだったがなぜそれを有野さんが?

どうせ母さんが知らせたんだろう。俺より先はないよな。

まあいいか。手間が省けるから。


「はい。クリスマスに来たがってました。その頃には受験は終わってるようです。

推薦入試で合格したので後は国立だけど。俺と同じ学校を希望してるみたいで。

止めとけと言っても聞かなくて。ははは…… 」

頭を掻いて笑ってごまかすも微妙な空気に。

うわ何を言ってるんだ? 有野さんに自慢するようなことか?

これでは俺はただの妹離れできてない痛いお兄ちゃんだ。


「もしかして一ノ瀬君ってあれじゃないよね? 」

まさかあり得ない。変な誤解を受ける。

「いやそれはないって。和葉はただライバル心からで。

俺たちは年が近いからよく遊んだだけ。変な勘違いしないでください」

まずい。変なこと言ってないか? 前の学校でも馴染めず異常行動を取るように。

それは間違いない事実。

当時はどうだったか知らないが今は離れて想いは薄れ…… ない。

あれ想いが強くなっているぞ? これはどういうことだろう?

やはり学校で一人ぼっちだったのが影響してるんだろうな。

過去に囚われてるとも言えるかな。

有野さんに聞かれるまでそこまで気にしてなかった。


まさか俺はとんでもないシスコンなのか?

小さい頃はよく近所の奴らにそんな風に馬鹿にされた。

でも奴らはターゲットを探していたに過ぎない。

俺たちじゃなくてもその辺のからかい甲斐のある奴なら誰でも。

だから俺たちは気にせずに行動していた。


                    続く

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