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裸間ボッチ ~隣人美少女たちの密かな企み~  作者: スカート保存委員会
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だらしない有野さん

五階さん主催の勉強会。

何でもテスト前はこのように一流ホテルで勉強会を開いているそう。

家でだって大して変わらないのに金持ちの考えることは違うな。

スケールが違い過ぎる。贅沢とか無駄とか考えないのだろうか?

招待を受けたと言うことは俺はそれなりに認められたことになる。

うん。これで野望が広がるぞ。何てね。ははは!


いつの間にか有野さんと泊まる流れに。

それは違うだろう? 絶対に間違っている。

本心は別として常識に照らし合わせればこんな選択しない。

俺は硬派なんだからな。


「五階さん! 」

「ごめん…… 私一人じゃないと寝れないんだ。

一ノ瀬君についてはマナがそれで良いって言うから問題ないでしょう? 」

とんでもないことを言うな。俺の意思は関係ないのか?

せっかく医者に診てもらって改善法も見つかったのに悪化させる事態に。

それにしても有野さんは俺と一緒で本当に構わないのかな? 


「嘘…… 有野さん? 」

「別に! 」

恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にする有野さん。

凄くかわいいけれど今はそんな呑気なこと言ってられない。

きちんと言うことは言わないと。


「普通この場合俺が一人で女子二人が一緒の方が自然かと」

冗談じゃないよ。二人とも何を考えてるんだ?

医者でなくても止めるべき事案。俺たちはまだ付き合ってない。

キスさえしてないんだ。手は握ったけどさ。そんな状況で二人っきり。

間違いしか起こらないだろう? 俺には間違いを起こす自信がある。


「大丈夫だから。集中してればそんな気にならないから」

ハードなテスト勉強で心も体も限界になるそう。

だったらいいか。これって勉強会だよね? 勉強がメイン。 

それ以外を考えてはいけない。つまらない思考に憑りつかれてはいけない。


こうして三人による二泊三日の合宿が始まる。

おいおい俺生きて帰れるかな?

とりあえずルームサービスを頼んで落ち着くとしよう。

もちろんお支払いは五階さんのパパ。


勉強開始!

それぞれ好きなところで楽な姿勢でリラックスしながら。

まずは現代文から。漢字百問書き取りにチャレンジ。

あの…… もう見えてるんですけど。

さっそくスカートから見てはいけないものが。


注意する? 注意しない? 注意する? 注意しない?

注する? 注しない?

チュウしない? チュウする?

キスする? キスする? キスする?

あれおかしいな? もはや何も考えられない。

漢字書き取りがおかしなことになってる?


「どれどれ。採点してあげる…… 」

そう言って固まる五階さん。うんこれも仕方ないこと。

さあそろそろ休憩に……


バチン!

「もう真面目にやって! どうしてキスが出てくるの? いい加減にして! 」

これは相当怒ってるな? 嫌われたかな? まあ仕方ないことさ。不可抗力だ。

「キスってまさか? 私と? 」

有野さんが動揺。興奮してるのか?

だがこのままでは俺の体力と気力と集中力が持たない。

だからここは恥を忍んで五階さんに耳打ちする。


「ちょっとマナ。一ノ瀬君のことも考えてあげて! これじゃあ可哀想」

そう言って味方してくれた。どっちが悪いとも言えないが。

有野さんも負けずに反論。これは見せパンだから何の問題もないと。

しかし有野さんに対する判定は厳しいもの。見せパンは嘘だと判明。

気をつけるように注意を受ける有野さん。可哀想だがこれも仕方ない。


反省の姿を見せていたずぼらタイプの有野さん。

三十分もしないで再びあられもない姿を晒す。

見たくないがどうしても目が行ってしまう。これはどうしようもないこと。

異変に気づいた五階さんが再び注意。


「いいでしょうこれくらい? 」

開き直る。

そうだろうな。今の時間帯は裸で踊ってる頃。

ほぼ毎日裸で踊ってる。それが有野さんの秘密。

俺は思春期症候群の影響で全体を見ることはないがその異常性は理解できる。


プライベート空間で何をしていようと誰が咎めるものではない。

俺だって帰って来たら夏にはパンツ一丁でいるからな。

これも多様性。それを覗くのだって多様性さ。


「苦しいなら一枚脱いで構いませんよ。先ほどから窮屈そうな感じがして」

俺が察せずにどうする? 俺が一番よく見ているのだから。

「ありがとう。だったらパンツを」

「いえ…… 服ですよ! 冗談はやめてください! 」

危ない。そうだった。お言葉に甘えて何をしでかすか分かったものじゃない。

格好をつけて紳士に振る舞おうとしたのがいけなかったか?


「冗談だよ。興奮した? 」

からかいだす有野さん。するはずがないじゃないか。

なぜなら見えないから。見慣れてもいる。

矛盾してるよな。見慣れてる光景なのに見えないんだからよ。

俺はもう戻れないのかな? ただ純粋に興味を持っていたあの頃に。

俺たちは互いに無意識で意識し合っている。


「興奮…… 」

どう答えるか迷う。ここで事実を言い有野さんを傷つけていいのか?

恐らく有野さんは俺が焦るだけでなく興奮するところを楽しみたいのだろう。

でもここには五階さんが。二人っきりならいくらでも要望に応えてあげたいが。

「マナ! 一ノ瀬君が困ってるよ。大体興奮しない男の子がどこにいるの? 」

うわ…… 決めつけに掛かる。ここにいますよ五階さん。俺は紳士だ。


「マナ本当に分かってるの? 今日は二人で泊まるんだよ? 」

「うん。それがどうかした? 」

「あんたね。もういい! 勉強しよう」

そう言って注意をしたんだかしてないんだかで終わらせる。

中途半端は一番良くない。有野さんが調子づくじゃないか。 

こうして勉強に身が入ることはなく適当に終了。

とは言え今日は充実した一日となった。


さあこれからが本番だ。


                  続く

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