表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裸間ボッチ ~隣人美少女たちの密かな企み~  作者: スカート保存委員会
50/97

眼科

そうだ。退院のお祝いついでに寄っていくか。奴の病院は確か……

「大丈夫だった? 」

心配そうに見つめる佐藤さん。自分のせいでと罪の意識を感じてるのだろう。

「うん大丈夫。あの人見た目はああだけど悪い人じゃない。

奴が退院するって教えてくれた。知ってるだろう? ここずっと休んでる…… 」

「へえそうなんだ。よかったね」

「だから心配しなくていいよ。俺はもう行くわ」

「ちょっと…… 」

彼女は不服そうだが仕方ない。奴の忠告も無視できない。

これ以上変に目をつけられてもまずいからな。


こうして一人病院に向かう。

俺もいつかお見舞いに寄ろうとしてたんだよな。

あの日から自分が信じられなくなっている。


「どうされました? 」

ここは眼科。そう今日はわざわざ病院にまで来ている。

なるべく大きな総合病院で診てもらおうと思ったが紹介状がないので無理だそう。

だから仕方なく駅前の眼科に行くことに。


「それが最近目がおかしくて」

念のために視力検査と眼底検査を行った。

その結果特に異常は見つけられなった。

視力は裸眼で両方とも1.0を切っていたので悪化してるのは間違いないそう。

現代では珍しくないそう。

高校生になればテレビやパソコン等で目を悪くする子が多いと。

それはそれで社会問題ではあるがまた別問題。

だが日常生活には問題はないと太鼓判を押す。


この結果は意外なものでどこかおかしいと思っていたからしつこく聞いてしまう。

緑内障や白内障に網膜剥離になれば初期はともかくとして分かるものだそう。

だから問題はないと。もちろんこれはあくまで患者全体の話。

高校生ではそこまで心配する必要はないそう。

少々脅して真剣になってもらってから大丈夫ですよと安心させるやり方。

多少強引だが釘を刺す意味では有効。俺だって悪くなりたくないからな。


「でも実際に見えないんですよ」

「今はどうですか? はっきり見えてるでしょう? 」

そう言われたら確かにはっきりくっきり見える。

俺だってあんなことがなければおかしいとは思わない。

ただ先生に相談しても意味がないのではと諦めもある。


「そうですね。目がどこも悪くないのであれば他の可能性がありますね。

どのような状況で見えなくなったのか教えてもらえませんか? 」

眼科医は真剣だ。俺のことを親身になって考えてくれるらしい。

「ちなみにセカンドオピニオンは? 」

「構いませんよ。紹介状をお渡しすることもできますので遠慮なくどうぞ」

この様子だとやぶ医者でもなさそうだ。信用してみるか。

「いえ結構です」


「では起きた時の状況を正確に」

「済みません。それは言いたくなんです」

言いたい言いたくない以前に言ったら捕まる恐れがある。

ここは我がままを通すしかない。

「分かりました。無理に答えようとしないで結構です。

ただこれだと眼科では難しいでしょう。

一度精神科に相談に行かれてはいかがでしょうか? 」

眼科ではなく精神科に通えと言うことらしい。

どこかおかしいとみてるらしい。それは酷いな。でも従うしかなさそう。


「あのどこへ行けば? 」

驚いた様子の眼科医。普通自分の症状を軽視し食ってかかるか怒り出すかだそう。

「分かりました。こちらにお任せください」

そう言われるまま病院へ。

精神科に通うとなると抵抗があるそうで名前は微妙に変わってる場合があるそう。


十一月某日。

「初めまして。精神科医の鴨志田です。今日はどうされましたか? 」

「詳しくは言えないんです。ですが見えなくなってしまって困ってるんです」

もうこれでは絶対伝わるはずがないのに隠す。

恥ずかしいと言うよりもやはり後ろめたい。

言えば捕まってしまう恐れもある。


「そうですね。今はおいくつですか? 」

もちろん事前に渡した紙には薬の有無や住所と共に年齢も載っている。

それでもあえてもう一度聞く。それに何の意味があるのかよく分からない。

それはどんな医者でもそうするのか? 精神科だからそうするのか?

俺のことを根掘り葉掘り聞いてどうしようと言うのか?

強烈なストレスがかかる。これでは逆効果ではないだろうか?

俺はおかしくないし間違ってもいない。変なところなんてないんだ。


「十六です」

「あなたはそうすると高校生だ。うーん多感な年頃ですからね。

別に心配するようなことではないとは思いますが念のために通院を勧めます」

「はあ…… 俺ってやっぱりどこかおかしいの? 」

「いえ。まだ原因が特定できてない。慎重を要するものですよ」

柔らかい口調だがはっきりしない。それが不満。まあ仕方ないか。


「おっと申し訳ない。言い忘れるところでした。

来月から別の病院に移りますので今度は新しい先生が担当しますのでご理解を」

そう言うと診察を終える。

うん? カルテには若年性及び思春期における妄想の類と書かれている。

「おっと。失礼しました。では次の方」


こうして精神科へと通院することに。

決して嬉しいものではないがこれも原因特定の為だ。

我慢して通院するとしよう。


                  続く


十一月から一日二回投稿へ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ